第108話 波乱

高島を除く三人で誕生日パーティの打ち合わせをすることになった俺らだが。


言い出しっぺの聡明がいない。

聡明はというと、もう大学への進学が決まったからと、キャンパスにこまめに顔を出させてもらっているらしい。

そして大学の先生の勧めで、刺激とインスピレーションを求めて今度は穏やかな牧場へインターンに行くらしい。


充実してそうで何よりだが、少しは話し合いに混ざればいいのに。


おかげで俺は月形と二人で打ち合わせをしている。


だが月形もだめだ。


「誰の家で誕生日パーティするの?」と聞けば


「カラオケとか行きたいねぇ」と言い。


「いいね。どこのカラオケ?駅前?」と聞けば


「わかんないけどいつものとこはヤダ」と。


なんなんだ!!


いつもほわほわしやがって。

たまにはピシッとしろ!ピシッと!!


「あーでも飾り付けしたいかもぉ。」


「誰が作るの?誰の家でやるの?」


「私んちでもいいかも、わかんない!」


「はぁ。だめだこりゃ」

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