第32話 推測

通話が切れたのを確認すると、俺はベッドに携帯を放った。

大林が俺よりすごかった?

大林が?

あの、大林が…?


働いているところはほとんど見たことがない、でも、アイツを動かすとしたら絶対に裏で何かが動いていると思う。


例えば、弱みを誰かに握られたとか。

親が店に来る、とか


そんなことを考えていたら、さっきの店長の声が耳を反芻した。


―君よりすごかった。―


―君じゃ用に足らなかった可能性はあるね。―


そうか、そうかよ。

そんなに評価をされるあいつの働きっぷりを見てみたいものだな。



ふぅ。と息をつきながら久しぶりに母と昼食を摂る。

学校からは一週間程は休むようにと気を遣ってもらった。


久しぶりだ。

母と二人で昼食を食べるのはもう、四年ぶりくらいだろうか。

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