第38話 国立庭園
そして電車に乗り込んで、そのまま学校のところまで。
いや、趣旨が変わっている、国立庭園のところまでだ。
高嶋の制服の背中を追いかけ続けていたらいつの間にか学校を目指していた。
そうか、今日の俺は制服じゃない、ということはバレなかったんじゃ?
いや、昔から俺の事を知る高嶋が気づかないわけが無いか、まぁいい。
俺は国立庭園までの道を辿った。
電車の本数も、高校までの道やバイト先の100均ショップまでの道も、確かめるように歩いた。
国立庭園の方へすこしずつ近づく、
車道のうるささは相変わらずだが、太陽が降った雪を反射して空から落ちる雪が輝いている。
しかし寒い。
ダウンに裏起毛のデニム、手袋までしているのでそれらは別として、首やがここまで冷えるのは計算していなかった。
顎がダウンの襟に当たる度、顔の神経が麻痺しているのが分かる。
国立庭園に行ったところでこの寒さじゃどうにもならないな、と思いつつも俺は歩き続けた。
思ったより遠く感じた国立庭園の門は、ようやく見つかった。
しばらく迷子になっていた、だってその周りの店は全て無くなって、いくつかの大きなマンションになっていたから。
恐らく一つの企業が買ったのだろうと分かる。
工事中の足場を囲う網には、どのマンションにも同じ企業のロゴが貼り付いていた。
これじゃあ国立庭園からの空がよく見えないじゃないか。
納得が行かなかったが、国立庭園の門に近づく。
ん?何かの張り紙がしてあるのに気づいた。
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