第8話 親友になるまで。
聡明はやはり馬鹿だった。
その後聡明の横に座った俺は、皆が食べているのを静かに見ていた。
色々な食べ方が見物できた。
体育館床に
皆が食べ終わり、箱にゴミを詰めると、聡明は俺の肩を使って立ち上がった。
「よし。食べ終わったな。ゴミはまとめていれとけよ。」
「もう大丈夫だと思うよ。」
月形がそういうと聡明は俺に「行くぞ。」と言って体育館外のゴミ箱に向かった。
本来ならば学校のゴミ箱に私的なゴミを廃棄するのは禁止されているが、生徒の学校整備が行き届いている事と、生活委員がゴミ箱管理をするという条件のもと、文化祭期間のみ特別に許可を貰っている。
俺は連れられるがままに聡明に着いていった。
「別に俺しかゴミ箱の場所知らないわけじゃないし、お前一人で行けるでしょ。」
「そうだけど。見せたいもんがあってよ。」
ゴミ箱は体育館裏、体育倉庫の脇にあるので人目につかない。
そこで聡明が俺に見せたのは大型アミューズメントパークのチケットだった。
四枚あった。
聡明はそれを見せると一枚を俺に渡してきた。
「俺。これから忙しくなるけどさ。お前と一緒にこれ行きたいと思って。」
「なんだよ急に。」
俺の顔からは明らかに笑みが零れていた。
それでいて、いきなり真面目に話し始めた聡明を揶揄おうとした為、中途半端でおかしい表情を作ってしまった。
「十二月位までは予定あかないけど、それからは何も無いからさ。」
俺は素早く顔を取り繕う。
「おう。行こうぜ。」
俺は裏返して失効日をみた、一年後だった。
まだ余裕があるので、楽しみにブレザーの内ポケットにしまっておいた。
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