第30話 デメリット
俺はとうとう復帰した。
あの夜は父さんも来てくれて、スマホや小説を持ってきてもらった。
お陰様で残りの二日間は暇をしないかと思っていたら、スマホを触る暇が無いくらい、リハビリと言って歩かされたり検査をされたりした。
それくらいなら初日にやってくれてもよかったのに。
まぁいい。
俺のme'inには九件の通知が来ていた。
友達には心配をかけたなと思い、申し訳なく思いながらアプリを立ち上げると、九件のうち七件がo-bay、一件が母、もう一件が聡明からだった。
聡明一人か。
友達の欄には四十八人もいるのに連絡をくれる友達はたったの一人。
ズル休みしたとでも思われてるのか?
俺は少しずつ腹がたち始めた。
聡明を閉じると、鬱憤がこもった指で大林を開く。
o-bay:今日休みの連絡入ってませんけど。
o-bay:無視してます?
o-bay:もし休むなら連絡してくださいよ。
o-bay:あの
o-bay:おい、
o-bay:いい加減にしろよ。お前調子のんじゃねぇぞ。
o-bay:クビ確定乙。
バイトの存在を思い出した俺は、店長に電話をかける。
「あぁ、瀬戸くんか。元気になったみたいで良かったよ。」
「ありがとうございます。ちなみになんですけど、バイトって、クビですか?」
「うん。それなんだけどね、クビにしたよ。」
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