第63話 不純異性交友

僕はこんなこと他人に言えないし、だからこそ、勉強をしたくないなんて言ったら殺されるんじゃないかとも思った。


兄ちゃんはゲームが好きで、よく隣の部屋で怒る声が聞こえる。


僕は一人で勉強。

ゲームがどういうものかも知らない。


携帯すら、常に管理しているのはお父さんだから。

入っているアプリも、誰の連絡先があるかも。

不定期に調べられて全て管理される。


パスワードもお父さんは知っている。

もうどうしようも無い。


だから好き勝手なんか出来ない。

本気で僕を真面目に育てようとしてるから。



僕は心を捨てて、勉強を進める。

英語の問題


あなたが、もし誰かと入れ替われたら、その人と替わってしたいことを英語で記入しなさい。


この問題は僕の心に刺さった。

誰かに変われたら、と考えるのは楽しかった。

可能性が広がって、自由が増えて、僕は、何がしたいんだろうと、問題で考えなければいけないなら許されるだろうと思った。


そしてその答案には僕の希望が少し顔を出した。


I want to go out to play with my friends on behalf of my classmates at school.


学校の同級生と代わって、友達と遊びに出たい。と


自分は誰と代わりたいんだろう。と考える為に、

問題の答案を途中まで消した。


問題を解いている途中なら考える事が許されるから。


例えば、、、そうだな。


クラスが違くて名前は知らないけど、あの男子に変わりたい。

この前体調不良で倒れて入院してしまったらしいけど。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る