第98話 ともだち
「はい、」
「そういう問題じゃないんだけど、まぁいいよ。プリント持ってくるから放課後、校門の前で待ってて。」
「えっ!本当ですか!?ありがとうございます!!」
こんな弱気で大丈夫なのかと心配になるくらいだ。
前に父親と並ぶ姿を見たことがあるけど。
かなり似ていたし、父親の高校生時代を見ているようなんじゃないか。と思うほどだった。
子は親に似るとは言うけれど、あそこまで似るものか。
放課後、校門の前で石井にプリントを渡すと、絶対に無くすなよ。と念を押して帰した。
定期的に学級委員と会話をする。
どのくらい集まったか。とか何か書類に不備はあったか。
とか
締切の一日前に話した時には、もう提出していない人は各クラス合計で四人しか居なかった。
それも三人はなんとか書いていたらしく、提出まではすぐらしい。
残り一人はというと、石井だった。
聡明の教室まで行き、それを伝えると、「石井どこいる?」と少し頭に来ていた聡明。
俺はというと、そうだろうと思っていたから呆れの方が大きい。
聡明は無理にでも今日中に石井に書かせると宣言し、休み時間になると石井を探し回った。
そして何とか署名が集まったその日。
俺や聡明、高嶋、月形がまた団欒していた。
そこでふと俺が言う。
怪訝そうな顔をしていた聡明も直に頷いてくれた。
「俺さ、卒業祭の企画で、今日先生に署名見せに行く。高嶋とか月形だから言うけど。」
「なにそれ!!」
月形はいつも楽しそうに食いついてくれる。
話しやすくなるから本当に感謝だ。
「卒業にあたって、例外の文化祭みたいなのをやりたい。」
「あー!!あの紙だしたやつか!!」
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