23話 イブの鎖蛇(2)
黒い鎖の先端の蛇は「ん?」っと下にいるワタシと目が合った。
「ユキノちゃん見っけ!」
気づかれたったー!👀💦
鎖蛇! 最上階の部屋から鎖をスルスルっと引きづり出し、空中でトグロの形を作る!
なんか狙ってる!?
ワタシは!
「左! 高速!」
背中に乗る中年奴隷にカカトでガンっと玉蹴り!
「ぼいー!(≧▽≦)」
「しねい! ユキノ!!」
ウイ――!!
鎖の先の蛇の頭は高速で迫る!!
間一髪! 中年奴隷はビューー! と横に動き!
すれ違うように避けた!
そのすれ違いざまの一瞬…
黒い蛇の横顔…
そのグルグルな瞳の横目と口は、ワタシを見て嬉しそうに笑っていた…
パスン! カーンドドドドゥゥゥゥゥゥゥ…
鎖蛇は下にあった自動販売機を貫通! アスファルトも相当深く貫通している!?
「なにコイツの攻撃!? ヤバすぎる!」
鎖は頭を引き戻すため? ウイ~~ンと動く…
おそらくこの鎖は武器じゃなくて生きている。
ベルゼブブは過去に、この黒い鎖蛇をサーチした事があるかもしれない…
攻撃+サーチマニアする!
ワタシはムチをブ――ンと振り! 鎖にバックルクルっクル…
ムチじゃ鎖に攻撃できないか…
脳に情報が
《《《《
『S』earch
『M』ania
イブの鎖
LV ーー
HP ーー
攻撃 2500
防御 --
速さ 1500
魔力 ーー
スキル
『気合 (チート)』『レンタルスキル(チート)』
『突攻撃(超)』『ドッペルゲンガー(チート)(残数1)』
『実体ドッペルゲンガー(エキストラチート)』
ドロップアイテム
【かつ屋100円割引券】 【アベノマスク】
個人情報
イブ専用の、全自動で動く事もできる武具である。
自我を持っている様で、その知識は博学である
魔王より遥か上の力を持つイブと、この武具が組み合わされれば極めと化す
》》》》
なによ! これ!?
HP -- って
それに色々とムリゲーじゃない!?
今は逃げるしかない!!
ワタシは黙って、下の
ロープウエイの山の方に手を伸ばし、何度もヒトサシ指をピストンする!
見上げる赤鬼セントが口パクで「ロープウエイ」っと二度、動いた。
ワタシはオッケーサインを二度前後すると、
ケルベロスは走って、ロープウエイへ走り出す。
ん? 青鬼ショウと白鬼リュウト… 持ってるビニール袋の中?
『うみねこの鳴くこ●に』全巻か??
あいつら…持ってくるなら、あんな漫画じゃなくて食料持ってこいやぁぁ…
ウィ~~~~~
やばい! そろそろ鎖の頭が上がってくる!
空中を移動すればすぐ見つかるし!
街に下りれば、洗脳された街人に見つかる!
ワタシは街を見渡し…
うん? あの中なら大丈夫か!?
椅子の中年奴隷のキン●マをグーパンで!
「おらおら! 斜め前を45度で降りろ!!」
ばぢ! ボコ! ガチ!
「ぼえ! ぐえ! ぐべえ! (≧▽≦)」
ヒュ――ン! と滑空!
鎖蛇の頭は空中に戻る…
「ちっ! さっきの感覚はベルゼブブから強奪したサーチマニアしやがったな!? ユキノめ! 怖気づいて逃げちまったか!?」
空中を見渡し、
「空じゃない??」
次に街を見下ろし、
「超大声でユキノを探せて命じたから、街に居るなら誰か見て「居た」と聞こえるはずなんだけどね? あんまり時間かけるとイブに怒られちゃうよ…」
下のマンホールに気付く、
「あ? やっぱそれ? ユキノちゃん♪ 定番か~♪」
ビュ―――ン!!
パス!
マンホールの蓋を突き破る!!
ドブネズミがザワザワーと逃げる。
黒い鎖の先の蛇は下水道の中をキョロキョロと、
「ちっ! 広いし面倒だな! アレを借りるか!」
カサンドラホテルの最上階の窓が パリン!
鎖がビューーーーーーーン!!
と出てきて、
ヒュウーーーーンクルクルクル
走り逃げていたケルベロス3体人に巻き付く、重なり縛られる三体。
セント 「うわ☆」
ショウ 「なんだよ?この鎖??」
リュウト 「くそ!なんで見つかった!?」
もう一つの鎖の先から、呆れた声が、
≪ アホかお前ら? この都会で、赤青白の…そんなド田舎の高知のホストクラブみたいな派手な格好してたら目立つわ…
セント 「くそ☆ 田舎者じゃないのに☆」
ショウ 「外さないと」
リュウト 「なんとか外れるかも…うぬぬ…」
≪ ちょっとケルベロスのスキルを借りるね? ファイアブレス(強)♪ いいの持ってるよね♪」
下水道の鎖蛇の頭…
大きく頭を振りかぶって…
ブワーーーーーーーーー!!!!
街中のマンホールの蓋は飛び上がり!
炎柱が!!
あちらこちらで火災になりつつあった…
鎖蛇の頭は、ススだらけの下水道を見て、
「これで生きておるまい…空中にも街に居ない以上…ココしかありえませんでした。 『S』ロード終わり… 閻魔女王ユキノって、なんか期待外れだったね…」
マンホールからゆっくり出ると、
火だるまで倒れる人の傍に、火のついたタバコが落ちているのを発見…
「お♪ ラッキー♪♪」
ヒュンっとタバコを咥えた後、
ヒューーーーっと空中に上がり、
街中の洗脳が解けて、
たくさんの火災やホテルから飛び降り死の人達でパニックになっている街中をタバコをスパスパ、スパスパ、吹かしながら見る。
「しょうもないけどケルベロスも一応、殺しとく…ん? 逃げられた? もういっか? あんなのに時間かけて、これ以上イブを待たせたらヤバいしな…」
あっという間に、吸い切ったタバコをペっと吐き捨て、
ビュ―――――――――ン
鎖蛇はホテルの最上階に戻っていった。
右手でハンドルを握るワタシは外をチラッと見る…
街人達の洗脳は解けたみたいね…
救急車に消防車が走り回っている…
その時…
ワタシの肩にポンっと手が…
40代くらいのイカツイ顔の定員…
「あの… 打つフリするなら出て行ってもらえますか??」
ワタシは定員を見上げ、
「え!? なに!? よく聞こえない!?」
定員は耳に口を近づけ、
「おまえ!! 冷やかしだろうが!! 金ないなら出ろって! 足元の裸の変態も連れて!!」
周りのパチンカス共から哀れみの目がワタシに集中していた…
👁👁 👁👁 👁👁 👁👁 👁👁 👁👁 👁👁 👁👁 👁👁
【 負け過ぎて、二人ともあんな姿に 】
パチンカス共… そんな目だったから、
「帰ります…」
四つん這いの中年奴隷の首輪のリードを引っ張り、裏口の自動ドアで出た。
見たことある太ったオッサンのパチンカスが、ワタシの前に偉そうにタバコを吸いながら来た…
「負けてんだろ?頭はイカレテるみたいだけど、奇麗だし口で3000円でどう?」
ぶち!!!
ワタシはオッサンパチンカスの髪をブチ!ブチ!と強く掴みグイ~っとねじり、
「いでぇ!! やめっ」
力づくでひれ伏せさせた、中腰になり頭の上から、
「おまえ? だれに口きいてんだ? おお?」
「すいません! すいません!」
「うせろや、パチンカスが」
「はい! わかりましたから手を放してください!」
パッと手を離した。
オッサンは、キョロキョロっとこっちを見ながら、店内に消えた。
ワタシは手を見つめ、
「きったねえなあ… 白髪染めかよ…」
見たことある女が来て、派手なネイルの手で白いハンカチを出してきた。
「これ、あげる」
「いいの?」
女は目を逸らしながら、
「スカッとしたから」
ハンカチを手に取ると、女は店内に入って行った。
ワタシはハンカチで手を吹きながら、
「色々ムカついたけど、パチンコ屋があって助かったわ」
拭き終わった、黒い汚れが付いたハンカチの角に、一つの小さなニコチャンマークがあった。
「がんばれ」
ワタシはハンカチを後方に捨て、デビルマウンテンのロープウエイに向かう。
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