83話 vs 仏体Ⅹシリーズ typeB ベヒーモス(1)
ワタシは、ゆっくりとSMX(クルマ)を停める…
「ユキノ様?☆ どうしたの?☆」
「中で待ってろ…セント… なにかあったら車走らせて逃げろ」
「う、うん☆」
車を出ると…
5分ほど前に、大きな爆発した、バベルの塔の向こうを見ると…
ドックン
鼓動がさらに高鳴る…
覚悟を決めて、
車の後ろから、目隠しサルグツワで四つん這いの中年奴隷を、
「ぼいっす (^ω^)」
首輪のリードで引っ張り出す。
四つん這いの背中に座ると… フワっと浮く。
「いくよ、おそらく、かなりの強敵が待ってる…」
「ぼい♪ (^ω^)」
ワタシはカカトを振り上げて!
「上等! どんな敵だろうと
ガチン!
「ぼええぇ! (≧▽≦)」
玉蹴り!
ピュ―――――――――!!
遠く離れた爆発した地点に向かう!
~~~~~~~~~~~~~~
爆発直後…
🔥🔥焼け野原になった、森のあった場所🔥🔥
『不死 (エキストラチート)』『自然治癒(超)(エキストラチート)』
『ゴッドハンド (チート)』
の、スキルを持つ、うつ伏せに倒れた貧乏神は、右手に掴んだ天使マウエの右足首を見て、
《 ワシはうつ伏せていたのと、坊やが盾になって助かったぁぁ… でも…坊やの膝から上消えたぁぁあ 》
掴んだ足をポイっと捨て、
《 ゴッドハンド離せた…? じつはヤバい坊や死んだ? でも、なにもデカいの出てこない? あの坊や… ワシの記憶違い? 究極生命体の
立ち上がり、
《 次は誰に憑りつこうかのぅ あぁぁ閻魔女王ユキノォォ…アレにぃぃもう1度、憑りつきたいのぅぅ 》
とりあえず、バベルの塔の方へ歩んだ… 直後…
足に…
チリリィィ
痛みが、
《 痛っちちぃぃ! 》
痛んだ膝の下を見ると…
小さな
《 クソアリが! 神のワシを噛みやがって! 》
すぐにつまんでグッ・‥‥プチュ。
《 結構堅いアリじゃのうぅ… ノミの様じゃったぁぁ… 》
貧乏神は気づく。 捨てたマウエの足の切断面の周りが、こぼしたコーヒーの様に黒くうごめきが拡がっている事に。
《 アリ? …傷からアリがたくさん出てきているのか!? あのガキの仏体Ⅹは…アリか!?》
結構早く迫って来る蟻の大軍に、慌てて逃げる貧乏神!
《 ひいい~ 軍隊蟻~ 》
後ろを振りむきながら逃走する貧乏神の、その前に…
マウエの手の一部が落ちており…
すでに手の切断面から、蟻の大軍が辺り一面に…
蟻の大軍に挟まれた貧乏神は…
《 ひっ痛い! 痛い!! 》
蟻々が足を登り始め、すぐに黒いアリに包まれた…
もがくが…
《 あ゛あ゛!! 溶けてるぅぅ? アリのぅ溶解液ぃ…? 》
貧乏神を包んだ黒いうごめきが縮んでいく…
《 でえええぇぇ ふじみのワシがぁえあ、わえあざぁぁ… ‥ 》
貧乏神の包まれていた場所から、ザザ~っと蟻が動き始めると…
貧乏神の姿は無くなっていた。
すでに、無数のバラバラになったマウエの死骸からの蟻の発生は、
学校の運動場くらの面積になり、まだまだ死骸から増殖している。
増え続けるアリの超大軍はバベルの塔へ向かった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ワタシが、巨大なバベルの塔に辿りついて、それを越えた時…
バベルの塔の壁面に、さっきの大きな爆発によって出来た穴を見ると…
穴から? 重油が流れてる?
地面を見ると… 重油はワタシ達のSMX(クルマ)の方まで流れている…?
水平な滑走路を流れる重油にしては、結構な速さね…
その時…
バベルの塔に出来た穴の、少し上の窓が開き…
重油まみれになった敵兵か? 動き回る人間が…
飛び下りた…?
なんなの… あの重油は?
多分… あの重油の様なモノが、ワタシに恐怖を与えたモノね…
おそらく無差別な何か… まずはサーチマニアしてみる!
空飛ぶ中年奴隷の背に足を組んで座っているワタシは、右手のムチを!
『S』pace !
『M』uchi !
ムチをグ―――――――ンと伸ばして!
バベルの塔の、うごめく重油に当ててサーチマニアしてみる!
ベルゼブブかベリアルが、
あの重油をサーチマニアしてる可能性は極めて低いけどね…
ワタシの脳に情報が…
《《《《
『S』earch
『M』ania
仏体Ⅹシリーズ type B ベヒーモス
LV 1~ ∞
HP ーー (媒体蟻のみ1)
攻撃 3~∞ (媒体蟻のみ3)
防御 ーー (媒体蟻のみ2)
速さ 4
魔力 0
スキル
『無限増殖 (エキストラチート)』『溶解液(中)』『噛みつき(弱)』
ドロップアイテム(媒体蟻 殺害時)
【ムクドリの糞(微)】【スズメの糞(微)】【ハトの糞(微)】【インコの糞(微)】
ベヒーモスの個人情報
カチャ…ガガガッガガッ…… 俺は堕天使べリアル…
誰かが… ベヒーモスをサーチマニアを…した頃には
俺は…ガガガッ…この世にいないだろう…
遥か昔、俺が天使長ルシファー様の右腕だったころ、
命がけで知りえた情報だ…
まあルシファー様と共にガガッ、地獄に来たけどな
ガガッガ~~
宇宙創造主が生んだ、仏体Ⅹシリーズ3体のうちの1体
無限増殖生命体「ベヒーモス」
宇宙創造主が、天界の神々が悪魔に絶対に負けないために
天界の神々に「錠剤仏体Ⅹ」を3つ渡したうちの一つだ。
地上の全ての生命体を完全に滅ぼすことができるベビーモス。
『
本体の分身を無限に召喚し続けるんだからな…
分身と本体の見分けは不可能。
最期に
あえて、ベヒーモスに弱点というモノがあるとすれば…
1 分身は交配できない。
2 本体が死ねば全ての分身は機能を停止する。
3 本体…つまり、仏体Ⅹの媒体だった者の死んだ時の状態が、仏体Ⅹになった後も残る。
ん? 3が気になる?
状態って、服装とかって? 服装はサイズが変われば、破けたり隙間から出たりするだろ?
たとえば… そうだな…
運悪く赤いペンキが頭にベッタリかかってしまったとか。
香水つけてたとか。 かな?
まあ… 常識的に運悪く赤いペンキを被るなんてありえんし、
億兆京を越える無数の中から匂いで確認とか無理ゲーよ。
ああ… ルシファー様ぁぁあ
》》》》
ワタシは地面にうごめく広がる黒を見つめ…
「アレは…蟻だったの? それも… 仏体Ⅹシリーズとはね…」
すこし考え…
「あ? これほっといたら… 空飛べるワタシと中年奴隷は無事のまま…バベルの塔は全滅するし…」
ワタシ達が来た方向を見て、
「空飛べないイブ殺せるじゃん… 奴らの中で空飛べるのモリガンくらい? ワルキューレは空飛べるから安全だし… 高く飛ばなければ空のワイバーン大量発生も大丈夫だしね…」
だけど…
この
ケルベロスも死ぬし。
セぺトの大都市カーリーも… ティアマトの町も… ラクシュミの街もか…
その時…
バベルの塔のワタシの高さくらいの窓が開き、
若い男の兵が、
「たすてくれー!! 蟻が!! うわわああ!」
足についた蟻に我慢できなかったのか…
落ちて… 蟻の海に飲み込まれた…
いくつかの悲鳴がバベルの塔の中から聞こえる。
あいつら敵兵だけど…
アダムのスキル『王様ゲーム』で洗脳されてる…
バベルの塔建設の労働力の兵達だよね…
ワタシはムチを強く握り、
ビュ―――――――――ン!!
と振り、ムチについていた蟻を払い、
「2体目の仏体Ⅹ退治! いっちょやりますか!」
ドロップアイテムに『トリのクソ』があった…
おそらく本体の蟻は、白いクソがついた蟻…
でなけりゃ…
ワタシは、さらに拡がる黒い蟻の海を見て…
「こんなの無理」
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