56話 vs 堕天使 ベリアル(1)


 ワタシはワルキューレを見て、

「本体サーチマニアできた! アイツはサタンじゃなかった!」


「なら誰!?」


「堕天使ベリアル」


「マジ?」


「ベリアルは元大天使らしいな? ワルキューレは知ってるんじゃないの?」


「名前は知ってるは知ってるけどぉぉ、初期の天使のベリアルやルシファーは三世代くらい上なんだよなぁ……でも天界の初期メンバーのチカラが凄いのは間違いないよ、オーディン様も初期だし」


 冷や汗が出ている。

 ワタシのSMX(クルマ)に160キロで跳ねられモリガンは、

 ダークアーマーの兜を被り直し…


「ワタシ! 背骨とか完全にグチャってるよ! 自然治癒(強)で治るまで、まともに戦えないからね!」


 気がモリガンに行っていた間に、

 高速で飛んでいたワルキューレは! 空のべリアルに仕掛ける!!

「すわりゃ――!」


 カーン! 

 ぶつかるベリアルの槍ゲイボルグに、ワルキューレの魔法剣 F(ファック)


「おええ! ワルキューレ! マジ臭えなあ!?」


 ベリアルはスーっと距離を取り、

「ククク…格の違う、お前ごときが… このオレに勝てると思う?」


「創造主がルシファー(サタン)の次に造った天使ベリアル…」


 ワルキューレは剣先をベリアルに向け、

「アンタがサタンじゃないのなら! アンタのあるじサタンはどこなの!? もう永い間、存在を確認されてないわよ!」


「オレは知らねえよ」


「アンタ! サタンの腹心でしょ!! 知らないわけないし!!」


 ワルキューレのサタンサタンサタンの言葉に、なぜかワタシの胸は熱くなる……

 


 ワタシは足を振り上げ…

「上空75度!!」


 椅子の四つん這いの中年奴隷に玉蹴り!!


 ガチン!!


「ぼえ!! (≧◇≦)」


 ビュ―――――!!


 正確無比に! べリアリに近づく!!


『S』pear!!

『M』uchi !!

S難度 ★★


 ムチをスピアにして!!

 

「うおおおお!!!」


 カン!! カン!! カン!!


 ワタシの槍とゲイボルグを重ね合うけど!

「くっ! (ベリアルのパワー凄い!?)」

 

 ベリアルは驚いた顔で、

「お前! ドッペルゲンガーがいてるな!?」


 ググっっと槍を重ね合いながら!

「それがどうした!?」


「おまえに最後のドッペルゲンガーが与えられたのか!?」


 圧倒的なパワーではじかれる!! ヤバい!!


 え? ズシュ――― リアルな感覚…?


 腹に刺さるゲイボルグ…


 いってぇぇぇぇ‥‥マジィいってぇ


「俺のあるじ…こんな女のどこに惹かれたんだ?……弱すぎる」


 ゲイボルグを掴む…

「うるせえ…」

 意識飛びかけで、ワルキューレを見て、

「ワルキューレ!! ゲイボルグを掴んだ! いまだ! 殺れ!!」


「らじゃ!」


 ベリアルの声が聞こえた…


「ゲイボルグ… スパークレベル4…」


 えっ‥ ‥ ・ 電気? いし‥き‥


 ⚡⚡⚡⚡⚡⚡




「ぼ! ぼ! ぼ! ぼいしぇい! (≧▽≦)」


 驚いた顔のベリアル!

 目隠しサルグツワの首輪の四つん這いの中年奴隷を見て、👀💦

「この変態!電流が効かねえのかよ! いや喜んでる!? 感じてる!」


 中年奴隷は、

「ぼ ('ω')」

 ビュ~~~~~ン

 滑空しパジェロの近くに下りると、

 乗っていたユキノがアスファルトにドスンと落ちた!


 すぐにセントが歩み寄り!

「ユキノ様!!☆ …生きているけど…やばいよ☆」


 モリガンはユキノの腹部の傷を見下ろして、

「電流で焼かれ幸い止血にはなった? でもやっぱり…閻魔女王では…」

 空中のベリアルを見上げ、

「サタン…  いえベリアルは無理…」


 もう一度、ユキノを見下ろして、

「しかし、この程度のチカラで、よく大物の『ベルゼブブ』とスーパー大物の『リバイアサン』を殺せたものね…?」



 空中では、

 逃げ回るベリアルをひたすら追うワルキューレ!


「くっそ速いわね! くっそ!」


死臭チートスキルがあってラッキーだなワルキューレ? 無ければとっくに死んでいるぞ~」


 ワルキューレは大きくため息を吐き…


「しかたない…遂に本気出すか… クソユキノも完全スクラップだし、まあ… イブ討伐の本来のメインキャストはワタシだしね…」


「ククク本気だと?」


「ベリアル… 天界最強のワタシの真のチカラを見るがいいわ…」


「天界最強はオーディンか、その娘トールだろ?」


「ワタシまだ本気出してないからね」


 ワルキューレは、

 魔法剣Fを!

 ブーーーン!

 ブーーーン!

 振り回し!


『F』ire !!!

『U』nder !!!

『C』razy!!!

『K』iss   !!!

 ※ 狂うほど下に熱いキスして ※

F(ファック)難度 ΦΦΦΦΦ ΦΦΦΦΦ Φ


 ワルキューレの前に魔法陣なのか??

 ピカっと巨大なマ●コ柄の炎の現れ!!

「ハンバーグになって死ね…」

 放つ!


「なんだ! こりゃ! 炎のマ●コ!?」


 ベリアル! 大きすぎる炎で避けることすらできず!!

「ぎゅうえええ!!! あっちいい!!」


 燃え落ちる…

 地にボトンっと落ちたベリアル…


 焼き過ぎたハンバーグの様に…


「意外とよっわ…あれより弱いクソユキノはどんだけ弱いねん……ぎゅう!! うわあわあわえええ!!!」


 後方に、ベリアル… その持つゲイボルグの先から放たれる青い電流…


「地面に焼け落ちたのはオレの奥義スキル「幻影分身」だ…」


 ピンっと体を伸ばし! 小刻みに震えるワルキューレ!

「べうえぶいえwにwぢふぉりゅちおどぇ」


「どうだ? ワルキューレ? ゲイボルグスパークレベル8の味は?」


 頭から煙が出だしたワルキューレ! 金色の髪も黒色に!

《でょhdiぢぢoごnfopえいwじぇっぽw》


「ククク…おまえの断末魔うける~…ぷぷ…くっさいハンバーグになって死ね…」


 ドックン……


 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 Ш∪§【🔵】§∪Ш 

 ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


 ワルキューレから、巨大な不気味な何かの気配を感じたベリアルは…


「え? まさか…」


 思い出し…


「ワルキューレは仏体ほとけたいⅩシリーズを投与されているのか? なら死んだ後に現れるのは、あの『ジズ』…とんでもねえモノがワルキューレの中に……天界はワルキューレをイブに殺させる計画か」


 電流を止める…


 ひゅ~~ん


 グシャ。


 ワルキューレはパジェロのボンネットの上に落ちた…


 ユキノの次にワルキューレに歩み寄ったセント!

「ワルキューレ!☆ うっ…煙くさぁぁ…生きてるのかな?☆ 大丈夫!?☆」


 うつ伏せのワルキューレの、真っ黒なヒトサシ指がピクっと動き…

 ゆっくり顏を上げてセントを向き…

 髪の毛が全て焼け落ち、目鼻の分からない真っ黒い頭部の口が開き、


「セン…トォ…クゥゥ……ン…」


 セントは安心して、

「生きてて良かった☆ え?☆」


 セントの横に、知らぬ間に全身ダークアーマーのモリガン…

 肩にM134バルカン機関銃を担ぎ… 長い長い弾帯がずっと向こうまで、


「すこし回復した… 時間稼ぎになった閻魔女王とワルキューレには感謝するわ…」


 上のベリアルを見上げ、

「ベリアル…クーフーリンのゲイボルグを返して貰う…おまえを殺して…」


 ベリアル、真剣モードの眼差しでモリガンを睨み、

「まだ全然治ってないのにいいのか?」


「オマエを殺すには十分」


 モリガンはカラスの羽でバッサバッサと飛ぶ…


 残ったセントは…


 ボンネットの上で黒こげのワルキューレ、

 パジェロの横で腹部をゲイボルグで刺されて虫の息のユキノ、

 パジェロの後部座席の、眼球飛び出たショウと、首が横に110度曲がっているリュウトを見て…


「ベリアル1体に… もう無茶苦茶☆ ユキノ様は特に深刻な状態…☆ 無事なのはオレと☆」


 セントの、足元にはけつをフリフリする四つん這いの中年奴隷、

「ぼう ぼう♪ (´ω`*)」


「コレだけなんて…☆」


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