14話 vs マンティコア(1)
赤鬼セントの運転で、高速で走る軽トラの道のりは順調♪
やがて、案内板が見えた。
『餓鬼地獄出口まで後2キロ』
しゃ♪ もう決まりね♪
その時だった、セントはキキーーっと軽トラを止めた。
助手席のワタシは、セントの顔を見つめ、
「どした?」
セントは前方に見える黒い大きな夫婦岩を指さし、
「あれ…マンティコアのウンコ✰」
デカ!!
「マンティコアって! どんだけでデカいのよ! ゴジラか!」
「マンティコアはタヌキと同じで『ため糞』の習性がある✰ だから真っすぐ行くとマンティコアの巣がある✰」
「危険だから軽トラ止めたのね? なら回り道ね」
「ユキノ様✰ なにせマンティコア★ それが絶対に賢明だよ✰」
セントは、マンティコアの巣を迂回するために右にハンドルを切り走る。
マンティコアを見てみたかったかな~?
ちょっとだけ残念ね…
ワタシは紙コップの甘口の酒を飲みながら、でっかい『ため糞』を眺めていると、
「ぶっは!!!」
四つん這いの中年奴隷が
寝ぼけてそういうプレイと勘違いしたのか!?
「セント! 車止めろ!」
「はい✰」
車は止まる!
ワタシは窓をキュルキュルとレバーを回し開け!
「おい! ブタ! 戻って来い!」
「ぼい~?(^ω^)」
「こっちよ! こっち!」
「ため糞」の上空から、目隠しで見えない中年奴隷は音を辿りフラフラと荷台に戻って来た。
「ぼっ(^ω^)」
ワタシは助手席から、ショットガンを持つ青鬼ショウと白鬼リュウトに、
「飛んでいかないようにちゃんと見張ってろ!」
ショウ「了解」
リュウト「ういっす」
ブブーーー 軽トラ発進!
まったく、セントがヤバいって言うマンティコアが来たらどうするのよ…
ん? んん~?
『ため糞』の向こうから走ってくるライオンみたいなヤツ…?
やっぱマンティコアか? ゴールまで後2キロなのに!
セントは引きづった笑顔で、
「ユキノ様✰ やばい出ちゃった✰」
「マンティコアが3体こっちに来てる!」
「ユキノ様✰ アレに狙われた以上はもう戦うしかないよ✰」
走る軽トラ、ワタシはドアをガチャっと開け!
「止まったらヤバい、セントに運転任せた! 全速で飛ばせ! マンティコアの特徴は!?」
「とにかくタフで速い☆ それと無茶苦茶しつこくて死ぬまで戦うからね✰ 言うまでもなく☆ あんなのに噛まれたらいっちゃう✰」
「了解」
「あと!✰ 目を狙っても無駄!✰ シッポの先に第3の目を持ってるから!✰」
ワタシは助手席から、荷台に移る!
ショウとリュウトに!
「ショウ!リュウト! マンティコアが来たらショットガンで撃て!!」
ショウとリュウトはショットガンを構えた…
3体のマンティコアはもう近くまで来てた!
それぞれ、黄色人種、白人、黒人の別々の顔…
軽トラより速い?
本当だ… ライオンの体に、顔は人間だ…すごく気持ちわる…
ワタシは一番近くに来ていた、黄色人種顔のマンティコアに、
『S』hotgun !!
『M』uchi !!
S難度★★
パーーーン!!
くっ
黄色人種マンティコアにさほど反応は無い!
ショウとリュウトはショットガンを同じ黄色人種マンティコアに連射!
ドン!ドン!ドン!ドン!
黄色人種マンティコア 「ガオオオオ!!!」
吠えた? 怒ってる? 効いてるってこと? 血は少し出てるけど? よく分からない!
やばい! 軽トラの横に付いた黄色人種マンティコア!
間違いなく軽トラの荷台に飛び乗る気配!
すぐさまワタシは!
『S』trong !!
『M』uchi !!
S難度★★★★
ヌンっと飛んできた黄色人種マンティコアの頬に!
ガチン!!
ムチの剛撃を!!
喰らったマンティコアの顔で分かった確実に効いてはいる!!
飛ぶ方向が逸れた黄色人種マンティコアの大きな体が軽トラの助手席のドアへ!
ドガーン!! ガタンッ
軽トラは揺れた!
ドアに当たり落ちた黄色人種マンティコアはクルクルと回転しながら後方へ!
あれ? 助手席のドアも!
パン!! パン! パン…と落ちて後方へ!
ドン! ドン!ドン! ドン! ドン!
鳴り響く銃声の方を向くと!
ショウとリュウトが、接近してきた白人顔のマンティコアを迎撃していた!
ショウ 「なんだよこれ!? アジア顔より反応がない!」
リュウト 「これ!? 効いてんのかよ!?」
白人顔のマンティコアは黄色人種よりタフ!?
ワタシは後ろをチラッと見た!
う!? 転げ落ちた黄色人種マンティコア、またコッチに凄いスピードで来てる!
黄色人種が間違いなく一番速い!!
でも、おそらく、一番厄介なのは、軽トラから一定距離を保って走る…
頭の良さそうな黒人の顔のマンティコア。
アイツだけ、手が人間…
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