15話 vs マンティコア(2)
高速で走る軽トラの左方向から迫る、白人顔のマンティコア!
「ショウ! リュウト! 連射で時間を稼げ!!」
ドンドンドンドン!ドンドンドン!
元々は1つの体の3体鬼ケルベロス、息の合ったリロードと発射のコンビネーションで、白人マンティコアの進行を妨げる!
その間にワタシは! 軽トラの給油管をキュウキュウと回し開け、ムチを振った後に、先を給油口に差し入れ!
『S』traw !
『M』uchi !
S難度★
あぐらで座った足の間に挟んだ、空の梅酒パックの口にムチのグリップを入れる!
手には、ガソリンが入る感触が伝わる。
ジョーーーーー
よし! 溜まった!
すぐに、ガソリン入り梅酒パックを振りかぶり!
「ショウ!リュウト! 今からガソリン入りの梅酒を白人マンティに投げる! 白人マンティの近くに梅酒が行ったところを狙って撃ちなさい!」
青鬼ショウ 「わかった!」
白鬼リュウト「ういっす!」
ショウとリュウトは連射をやめた!
ワタシはよく狙って!
白人マンティコアにガソリン入り梅酒パックを!
ぶん投げた!!
少しそれた!?
けど、ラッキー!
白人マンティコア! 食い物と思ってくれたのか!?
飛んでくわえにいった瞬間!
ドドン!
火と化した油が白人マンティコアの顔面を覆う!
頭部が火だるまになった白人マンティコアは走りを止め、遠くなっていく後方で、ひたすらバッタバッタと、のたうち回る、だけどガソリンはそんな事で消えることは無い。
白人マンティコアの焼き殺し成功!
次は再び、後方から急速で迫ってきている、黄色人種顔のマンティコアね…
燃料はもうこれ以上使えない…
何か無いか??
ワタシは周りの餓鬼地獄を見渡すと、
ん? アレは!? はぐれアバドン!?
ワタシは助手席に移動、ドアが無いからラクに行けた。 運転する赤鬼セントに、
「運転替われ!!」
「はい!☆」
セントがドアを開けて荷台に移動した後に、ワタシは右手でガンっと運転席のドアを閉め、ハンドルを300メートルほど離れたアバドンに向ける。
助手席にセントが回ってきた来た
「ユキノ様?☆ なにするの?☆」
「アバドンに突っ込む…」
セントはワタシの手を掴んで、
「イッちゃダメ☆」
セントの手をバッと振りほどいて、アバドンへ!
ワタシはクラクションを押して、
≪ブウウウ!! ブウウウ!!≫
鳴らすとアバドンはこっち向いた!
アバドンとの距離100メートルくらいに来た!
よし… 軽トラのすぐ真後ろに黄色人種マンティコアがいる…
さらに近づくと、アバドンは口をア~~~ンと開けた!
アバドンでかい!
口の大きさ5メートルくらい!? 歯が1メートルはある!?
「ユキノ様!!☆ イっちゃダメ!!☆」
「セント! シートベルトつけてるか!? いくぞ!」
アバドンの口の5メートルくらい手前、
キュキュ~~~~~!!
右回りドリフト!!
軽トラの高速ドリフト! とてつもないGがかかる!!
助手席のドアの無いセントは飛んで行きそうになったけど、シートベルトで絡まるように無事。
後ろのみんなは…?
ああ~??
ショウとリュウトは、様々な酒と一緒にポ―――ンっと飛んでいた…
四つん這いの中年奴隷はフワフワと空中に浮かんでいる。
ん?
『うみねこの鳴くこ●に』の全巻は荷台に引っ掛かり無事?
軽かったからかな?
ワタシはショウとリュウトの回収のため軽トラをUターン。
ちらっと、アバドンを見る…
アバドンさん。 マンティコア丸食い出前一丁!
アバドンのボキゴキブチャグチャグチャっと動かす口からは血をこぼれていた。
ブーーーーーッガガガ、ガガッガ、酷い揺れ…
今のドリフトでサスペンションがやられたみたいね…
案の定… 最後の一匹の黒人顔のマンティコアが、まっしぐらに速く、ショウとリュウトへ走っていた…
アクセルベタ踏み!
「急げ! 閻魔女王の軽トラ! フルスロットルー!!」
隣のグテっとしたセントがおびえた顔で、
「ユ…ユキノ様?☆ 今度は何をする気?☆」
「マンティコアに! この軽トラでぶちかまし!!」
「ええ☆?」
ワタシは、迫ってくるマンティコアに、怯えているショウとリュウトを目で指し、
「じゃなきゃ! ショウとリュウトが死んでしまう! あの2人のどっちか2でも死ねば、元は3人1体ケルベロスのアンタも死ぬんでしょ!?」
「ケルベロスはユキノ様を守護する役目!☆ ユキノ様の無事が第一☆」
「かまえろ! いくぞ!!」
衝突直前、黒人のマンティコアはこっちを見た。
目が合った。
交通事故に合う人も、そんな顔するのかな?
ガチャ!!!―—――ン
フロントガラスを割れてほとんど無くなった。
3倍くらい重量の差でか?
強烈だったけど、思ったよりも衝撃が無かった。
黒人のマンティコアは静かに寝そべっている。
片足はひん曲がっている…
時速140キロで走る軽トラのぶちかまし… 生きておるまい…
軽トラを止め、
「ショウリュウト乗れ、中年奴隷戻れ」
ショウ「たすかった…ありがとう」
リュウト「ういっす…」
「ぼいっす (^ω^)」
ショウとリュウトは荷台に乗った。
中年奴隷も荷台に帰還。
乗ったのを確認したので両手でハンドルを握りアクセルを踏む…
ん…
今の衝撃のせいかな? 全然進まない?
壊れた? ゴールまで歩くしかないか…?
その時…
うおっびぃった~!!
ヌ~っと大きな黒人の顔がワタシの目の前に!
この軽トラ、もうフロントガラスは無い!
だから噛みついて来ると思い! 瞬時に頭と体を下げた!
だけど、こいつは手が人間!
黒のボンデージの背中の所をガシっと掴みやがった!
喰らうために、うつ伏せ状態のワタシを強い力で引っ張る!
油断してハンドルを両手で掴んでいたから、運転席ドアの足もとに置いていたムチに手が届かない!
例えムチがあっても姿勢的にムチは振れない! 体がハンドルに引っ掛かっているから幸いだけど!
「ああぁぁ…」
ハンドルが体に刺さって痛いてなんのぉぉ!!
てか!
グギギギ~~
命綱のハンドルも! もう折れそうじゃん!
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
銃声が聞こえるけど、マンティコアの引っ張る力は変わらない!
セントの、
「マンティ!☆ 死ね死ね!☆」
という声も聞こえる、何かでこいつを攻撃してる?
上からシートに跳ね返って小さい石が落ちてきた、石か…?ふっ
その時…
助手席ドアが壊れて無くなっていたから四つん這いの中年奴隷が入って来れた。
中年奴隷はワタシの顔に、目隠しサルグツワの顔を近づけた。
「ぼ… ('ω')」
「どした? ワタシと一緒に死んでくれんの?」
中年奴隷は首を横に振り…左手で探るようにレバーを探し出し、Ⅾ→Rに変えた…
「押してダメなら、引いてみなってこと?」
「ぼっ (´ω`*)」
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