11話 地雷原(1)
一時間後…
助手席の赤鬼セントが「あっ✰」と左前方を指さし、
「ユキノ様✰ あれを☆」
大きな案内板が見えた。
『餓鬼地獄入り口から100キロ通過 出口まで後1900キロ』
まだ100キロ…
餓鬼はうじゃうじゃアチラコチラにいるし、道は舗装されていないからタイヤも心配だし、どこかで軽トラ止めてガソリンもいれないといけないしなぁ… 餓鬼地獄…なかなか面倒ね…
セントは辛口日本酒を、ワタシの紙コップに注いでくれた。
注いだ後、セントは前方に見える富士山の様な巨大な岩山を指さし、
「アノ岩山の左右どっちに行く?✰ 右は餓鬼が今まで以上にうじゃうじゃいるし、アバドンもたくさんいる✰ 左は地雷原が300キロ続く✰」
「左は地雷原が300キロ??」
「管理する鬼たちが餓鬼地獄は広過ぎて管理が大変だから、一定の場所に地雷原を置いている☆ 地雷は100メートル四方に1つくらい☆ 無茶苦茶運が良ければ無事に1300キロの地雷原を越えれるけど…☆」
「時間はかかるけど、ワタシのムチがあれば地雷原を叩いて渡れるはず。 餓鬼や魔物が地雷原に来ないなら、途中で休憩も取れるしガソリンも入れられる」
「なら✰ 地雷原ですね✰」
「うん」
ワタシは軽トラの進行を左の地雷原ゾーンの方へ…
この場所に…
30分後…
べスバ(50cc)の
ハーレーのマネキン頭のショットガンババア(西太后)が…
メロンレディとショットガンババアはバイクを止めた。
「ババア 無駄玉撃ちすぎ (;'∀')」
ババアはハーレーの後方にあるボックスを左手でバンバンと叩き、
「弾なら腐るほど持ってきとるわ!!」
続いてババアはメロンレディの被るマスクメロンの歯型を指さし、
「ワタシの援護が無かったら、お前の頭のメロンは餓鬼に喰われておったわ!!」
メロンレディはスマホを取り出しピポパ…
「発信機はあの岩山の左を指している (._.)」
「左は地雷原が300キロだよ! 閻魔女王を追うのかい!?」
「ユキノ先輩の軽トラの速度は下がった、おそらくムチで地雷を探知しながら進んでいるのね? 我々も慎重に地雷原を渡りましょう (^^)」
「ケケケケ」
ショットガンババアは背中のショットガン3丁に混ざっていた蛇矛を取り出した。
メロンレディはソレを見て、
「ユキノ先輩に
蛇矛を前方に突き出したショットガンババアは、
「ケケケ、奇しくも張飛とワタシの大好きなモノは同じなんだよね…ケケケ」
蛇矛の刃は、みるみる姿を変えていき、
無数の長い触手になる、その先はカリ太マツタケの様に…🍄
メロンレディは、触手の一つをガシっと掴み、掴まれビクビクとしている立派なカリ先を見つめながら、
「イボに超カリ太? (‘∀‘) ババアにクセに、いい好みしてるんじゃないか?(*‘∀‘)」
ショットガンババアはマネキンの口から一滴のヨダレを垂らしながら、
「ケケケ、張飛の触手はカリが無さ過ぎた。 所詮ホモだからな!!!!」
ドゥルルルー
ショットガンババアはマフラーをふかし、
「ワタシが前を走り! 触手で地雷を探知する! 何かあったらクラクションを鳴らせ!」
ドッドドーーー!!
「赤鬼セントは!! 縛ってクスリを射って! このワタシが必ず犯す!!!」
ショットガンババアはメロンレディを置き、先行した。
残ったメロンレディは… 嫌な気配を感じ後ろを向くと…
め~~~
ろ~~~
ん~~~
うじゃ~~~っと、何十万の餓鬼たちの波が、何体かのアバドンも餓鬼を喰いながらメロンレディの方へ!
「うわわ ( ゚Д゚) ワラワの頭のメロンの歯形からの匂いを辿って来てるのか~?」
メロンレディは慌てて、股間に挟む巨大ロウソクをセットし直して、
「急いで逃げないと (;'∀')」
ブーーーー
ベスパを走らせショットガンババアを追う。
ショットガンババアが見えた所で後ろを振り返ると、
無数のアバドンを連れたまま、何十万の餓鬼。
ゆっくりだが地雷原ゾーンの方へ、メロンレディを追うために向かって来ていた。
「うわわわ、こっちきたぁ (;・∀・)」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
約20キロで走る… 軽トラの運転席の屋根に座るワタシは、
『S』pace !!
『M』achine gun !!
S難度 ★★★★
30メートル伸びたムチが!
バッババッバッバッバッバッバッ!
前方の地を叩く!
遂に初めて、
タ―――――ン!!!
地雷を突いた。
ワタシの顔に、砂と小さな石が当たる…
その砂のかかった顔を手の平でスッスッと払う。
「地雷ゾーンに入って20キロくらい来て、初めて当たったわ…」
その時、
ワタシ達の後方から、
タ――ン、という小さな音が聞こえた。
後ろを振り返る…
「地雷の音? 何かがコッチに来ているの?」
10時間後…
地雷探知… もう疲れ果てたわ… あれから計14個の地雷を見つけた。
軽トラを止めて休憩。
走行距離メーターを見てみる。
地雷ソーンに入ってもう220キロ来てる、後80キロか…
ワタシは寝転がって「うみねこの鳴く●ろに」を読み続ける青鬼ショウと白鬼リュウトに、
「ショウ、リュウト、ガソリン入れとけよ」
ショウとリュウトは漫画を開いたまま置いて荷台から降り、ポリタンクをそれぞれ取り出し、ガソリンを入れていた。
リュウト「ショウ? ベアトリーチェの正体は誰だと思う? オレは絶対ジェシカだと思う」
ショウ「いやいやナツヒ怪しくね?」
リュウト「ナツヒか~、キリエも臭いよな」
しょうもない漫画の話をしているようね。 しかしコイツラ読むの遅いな…
ワタシはまた中年奴隷をなぶり、
「ぼっぼっぼっ(^ω^)」
『S』パワーを回復した後に、疲れ果てたので、
「ショウ、リュウト、少し寝るわ…何かあったら起こして」
ショウとリュウトは漫画を手に取り、
ショウ 「了解、ゆっくり休んでねユキノ様」
リュウト 「ういっす」
ワタシが軽トラの屋根の上で横になって眠った…
どれくらい眠ったかは分からないけど…
タショウ・リュウト「はーい」
タ――ンタ――ン タ――ン!
地雷の音で目覚めた。
また聞こえた?
今度は連発??
…しかも近い?
パッと背中を上げ後方を見るが微妙な勾配があり、100メートルくらい後ろしか見えない…
「何が近づいている?」
下の運転席のセントが、
「ユキノ様✰ 地雷の音の頻度が多くなってるし✰ 近くなってる✰」
「そうね…」
「ココは無理してでも☆ 先を急いだ方が✰」
「ええ」
セントはエンジンをかけた。
それに比べて、ショウとリュウトをスヤスヤと体を重ね寝ていた。
おいおい見張れと言ってただろ?
クソかコイツら?
見てみろよ… 中年奴隷はずっと四つん這いだぞ?
その時…
後ろから、
ドゥゥゥーー
バイクの音?
後ろを見る… アレは!?
マネキンがハーレーを乗ってる!?
後ろには…メロンレディ《卑弥呼》? てことは、あのマネキンはババアかよ!?
軽トラを見つけたショットガンババア。
左手の触手蛇矛をウジャウジャさせて地をまさぐり地雷探知していた。
右手にはハンドルを握っていたが、右手で背中の筒からショットガンを取り出し、右手一本でクルリっとスピンコックでリロードして発射体制に!
ハーレー、手放し運転に、片手でショットガンのリロード!?
ターミネーター?
あのババア? なんて腕前なの? ワタシの軽トラはガソリンも積んでるしショットガンは超ヤバい!
「セント! 出せ!」
「はい✰」
ブロローーー!
後ろのメロンレディ達は、速度を上げている!
やつら軽トラの後ろにつき、地雷を意識せずに近づく気ね!
くそ!!
前は地雷原に、後ろはババアにメロンレディ!
しかたない! 先にババアとメロンレディをやっつけるのが得策か!
「車を止めろ!」
「はい✰」
車を止めさせ、
ワタシは軽トラから ヒョンと後ろに降りムチを構える。
ショットガンババアのハーレーが、
ドウーーー
近づいてきた…
1撃で殺してやる…
しかし、ハーレーは急停止。 後ろのメロンレディの原付も停止した。
なんで??
メロンレディが頭部のマスクメロンの下の方に両手で輪っかを作り大声で!
「ユキノ先輩! ココは休戦しましょう! (^O^)」
「はあ!? 何言ってるのよ!?」
ワタシはショットガンババアを見て、
よく見るとマネキンの顔にマジックペンで「西太后」と書かれていた
ワタシは銃口をこっちに向けるショットガンババアを指さし、
「ババアがショットガン持ってんだろ!! 危ないババア連れてきて休戦なんて聞けるか!」
メロンレディはババアに
「ババア、ショットガンを仕舞って、お願い (;´∀`)」
「ちっ」
ババアはショットガンを下げん、
「閻魔女王!! 後ろから大量の餓鬼が来とる!! もう近くまで!!」
言われた通り、後ろから3体の餓鬼が見えた。 かなり速い!
「どうして地雷ゾーンに餓鬼が来てるのよ!?」
メロンレディは頭部のマスクメロンを指さし
「ワラワの噛まれた所から出てるメロンの匂い!! (;'∀')」
ショットガンババアはUターンし
ドウーーーー
ドン! ガチャ ドン! ガチャ ドン! ガッチャ
餓鬼3体の頭をショットガンで射ち瞬殺した後、後ろを見て、
「地響き?? ちっ…本隊が来やがったか」
もう一度、Uターンしこっちへ、
「とにかく今は逃げるんじゃ!! 喰われるぞ!!」
ババアの後ろに…
なんじゃこりゃ…?
西ノ宮神社の福男選びの様に… 餓鬼がウジャウジャ来たーー!!
うわわわ!
アバドンもいるし!!
ターーーン!!
ターーン!!
ターーン!!
大きな地雷の音が聞こえた! 舞う餓鬼も見えた!
地雷の音は餓鬼の群れだったの!?
ワタシは慌てて、軽トラの荷台に乗る!
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