12話 地雷原(2)


 軽トラの荷台に乗り、後方から近づく餓鬼withアバドンを見た。

 餓鬼地獄の最初に使った…


『S』pace    

『M』agnitude  

S難度 ★★★★★ ★★★★

 あれを使って餓鬼どもを蹴散らすか…?


 ダメね…


 今あれを使うとワタシの『S』パワーが切れて、

 卑弥呼メロンレデイと、西太后ショットガンババアられちゃう。


 横をハーレーで走るババアは、運転席の窓をノックし、

「セント~元気~~♪」


「だれ!?✰」

 運転する赤鬼セントは、ババアのマネキン顔に西太后と書かれているのに気付き、

「西太后?✰」


 ババアは走る軽トラの前方に回り、

「閻魔女王!! ワタシが前方の地雷を探知する!! お前は後方の餓鬼どもを迎撃じゃ!!」


 ワタシは、

『S』pace !

『M』uchi !

S難度★★★

 伸ばしたムチで、

 ババアの背中の筒にあるショットガン2丁をゲット!


 カリ太触手を長く伸ばし地雷探知するババアは怒った声で、

「こりゃー! 盗みやがったな!」


「ショウとリュウトにも迎撃させんだよ!! 弾は!?」


「ちっ、したないね、後ろのボックスだよ! ワタシのお気に入りのショットガンのモスバーグM500だよ! 後でちゃんと返せよ!!」


 ワタシは再び、ムチを伸ばしハーレーの後ろのボックスをゲット!

 すぐ開けると、弾が溢れんばかり。

 早速、寝ている青鬼ショウと白鬼リュウトの顔にパーン!とビンタ!

「立てオラ!!」


「「痛って~」」


 こっちを見上げるショウとリュウトにショットガンを掴ませた。

「「なにこれ?」」


「後ろを見ろ


 もうそこまで迫っている餓鬼の群れを見た2人は、


ショウ「うわ!! なんだこれ!!」

リュウト「なにこれ…? アバドンまでいるじゃん…?」


 持たせたショットガンを指さし、

「それで近づいてくる餓鬼を殺せ、弾はこの中にある」


 ショウとリュウトは立ち上がり、

ショウ「了解」

リュウト「ういっす」


 先頭の餓鬼の集団がもう荷台に1メートルまで来た!

「ババア!! もっと速度を上げろ!! 大群に追いつかれたら終わりよ!!」


「うるせえ!! わかっちょるわ!! ワタシも必死なんだよ!!」


 キラキラと美しくショットガンを構えたショウとリュウトが、距離1メートルの餓鬼の集団に銃弾を放つ! 2体の餓鬼の胴体に当たり餓鬼は崩れ落ちた!


「ワタシが中央! ショウとリュウトは両サイドな!」


 ワタシもムチを振り回し餓鬼狩りに参加する!


 パン!!  パ――ン! ドン!ドン! パン!!


 パンパーン! ドン! パーン! ドン! パーン!


「ユキノ様! もうヤバい!」

「横まで来だした!」


 数が多すぎるし!

 ババアの速度が遅すぎる!!

 このままじゃ! 不死身のアバドンにまで追いつかれるぞ!


 走っている餓鬼より遅いなんて…

 なんで??

 まさか??


 ワタシはショウとリュウトに、

「少し頑張ってて!」


「ええ!?」


ドン! ドン! ドン! ドン!


 ショウとリュウトの必死の銃声の最中、


『S』pace !

『M』uchi !

S難度 ★★★

   &

『S』ensor…

『M』uchi…

S難度★★★★

 ススーッと静かにムチの先を、

 前を並列で走るメロンレデイのベスパと、ババアのハーレーのすぐ後ろへ、

 グリップから声が聞こえる。

 ワタシはソレを耳に当てる。


「ババア、ワラワの作戦は見事だろ~~ (´▽`)」

「ケケケ、本当はもう10キロくらい速く飛ばせるがな」

「もっと速度を落としてやろうか?(・∀・) 」

「ケケケ、アバドンさえ来れば、軽トラを噛み砕かれて閻魔女王も終わり」

「ウフフ、ワラワ達は、ユキノ先輩が死んでから飛ばせばいいしね (^_-)-☆」



 ブチ



 そのままムチをババアの体に「クルクル」と絡めた。


「うわ! なんじゃこりゃ!?」



「死ね」



 ポ――――ンと…



 上空に投げると、後ろの餓鬼集団にドンと落ちた。

 ババアは大声で、

「うぎゃ!! 喰われるーー! え?」


 意外にも、餓鬼の集団もアバドンもババアを無視、


 だけど、

「ラッキー♪ っうぐ!! やめろ!! 踏むな!!」

 走る餓鬼の集団に踏まれ踏まれ目視不能になった。


 でも、さすがはハーレーは…

 乗り主のババアが消えて無人でも、まっすぐと走り続ける。


 ワタシは餓鬼大群に踏まれ死んだであろう、見えなくなったババアをの方を見て、


「あんなババア…餓鬼でも喰わないよね…さてと…」


 運転席の屋根に座って運転席の窓をカカトfr叩き、

「セントもっとスピード出せ!」


「しかし✰ 前には地雷原にメロンレディが?✰」


 ワタシはメロンレディに、

「卑弥呼、もっとスピードだせダッシュ!」


 メロンレデイは後ろを振り返りながら、

「だけど、ユキノ先輩! 前は地雷原1なんですけど!? (;'∀')」


 ワタシは笑顔で後方を親指で指して、

「へえ~ババアみたいになりたいんだ~?」


「いやです (^▽^;)」


「なら飛ばせ! あと地雷ゾーン80キロ運が良ければ地雷を踏まない! それに地雷1発くらいじゃ多分、死なないって♪」


「はっはい… (>_<)」


 速度が上がった。

 ワタシは、

『S』pace

『M』uchi

 で、メロンレディの横の無人のハーレー操縦。

 軽トラの左右のタイヤの位置に、メロンレディのベスパと無人のハーレーを並べ、


「卑弥呼♪ 速度は80キロな♪」


「はい… (-_-;)」



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