72話 vs 貧乏神
ワタシは黒のニーハイブーツの底で!
ワタシの片方の足首を掴んで離さない
「はなれろ~~ジジイ~~」
ブーツの下から、
「この圧倒的なぁぁ疎外感~~脳髄に染み渡るぅぅ~快楽ぅぅ~~」
くっ… 仕方ない… このジジイもう殺すか…
ワタシは! 右手に持つムチを!
『S』pear!
『M』uchi!
S難度 ★★
スピアにして!
「死ね」
それを振り上げて背中にブッサス!!
「ぎゅううわわ!!」
全自動のサーチマニアが作動する。 ワタシの脳に情報が…
《《《《
『S』earch
『M』ania
貧乏神
LV ーー
HP ーー
攻撃 0
防御 0
速さ 0
魔力 ーー
スキル
『不死 (エキストラチート)』『自然治癒(超)(エキストラチート)』
『不幸の伝染』『ゴッドハンド (チート)』
貧乏神の個人情報
不死身の神。助けてもらった誰かに憑りつく、憑りつくと不幸になる。
みすぼらしい老人の姿。
憑りついた者が死んだ場合はさまよい食事などを恵んでくれた誰かに憑りつく。
己が運んだ不幸で苦しむ者を見る事と、その者に疎外される事に快感を感じる性悪な神である。
》》》》
うわっコイツ不死身かよ…
スピアを抜くと、傷口がみるみるうちに治癒しだす。
ジジイをブッ刺したから、SMX(クルマ)から、慌てて
赤鬼セント 「ユキノ様!☆ どうした!?☆」
青鬼ショウ 「ジジイ殺して、何してるの!?」
白鬼リュウト 「ドS過ぎて! ついに気でも狂った!? 無抵抗なジジイを!」
ワタシはジジイをもう一度ブッ刺し、
「こいつ、貧乏神、不死身」
セント 「うわ☆ 最悪☆」
ショウ 「どっかで見たジジイと思ったら貧乏神だったんだ」
リュウト 「貧乏神を助けちゃったんだぁ…」
ワタシは、ショウとリュウトを指差し、
「おいオマエラ、ジャンケンしろ…」
「なんで?」
「ういっす?」
「負けた方が、このジジイを助けて、憑りつかれろ」
「やだよ!」
「絶対ヤダ!」
「少しはワタシの役に立て、はい最初はグ~~…オマエラ早くしろよ!」
その時…
足元のジジイは、
「ククク… やらせじゃ、ダメなんだよぅぅぅ…心から助けないと~」
「ちっ… 回復早いな…」
うつ伏せのジジイは顔を上げて、不気味な笑みで、
「ほれぇぇ…周りを見てみろ…周りを通る妖怪どもは全てワシを無視しておるじゃろう? 例え知らなかったとは言え、おぬしのようなお人好しはおらん…ユキノちゃん、これからもよろしくねぇぇ」
これでワタシに憑りついているのは、ドッペルゲンガーに貧乏神かよ…
ドッペルゲンガーは、イブの黒い鎖蛇を殺して外すとして…
コイツ… どうするか…
うわ!!
ワタシのすぐそばに! 白い液体が落ちてきた!!
「なんだこれ?」
セントが、
「上空のワイバーンの群れのフンだね☆ 滅多にしないのに…☆ おそらく貧乏神のチカラ☆」
足元でずっとワタシの足首を掴んでいるジジイは、
「惜しい! 今の切実に惜しい!!」
笑ってやがる…
まあ… サーチマニア見たから、ベストな手はあるけどね…
ワタシはSMXの後ろから、
「ぼい (^ω^)」
目隠しサルグツワにパンツ一丁の四つん這いの中年奴隷を出した後、
セントに、
「あそこに旅館があるからチェックインしといて、ワルキューレだけ車中泊な?」
「うん☆」
「それから極寒地獄に備えて、ガソリンとチェーンも用意しといて」
「了解だけど☆ ユキノ様は?☆」
「このジジイを片付けてから旅館に行くわ」
「うん☆ 待ってる☆」
SMXとパジェロは走り去り…
残ったのはワタシと中年奴隷と
ワタシは中年奴隷に足を組んで座り、ムチを振り上げ、
手を伸ばしてずっとワタシの足首を掴んでいるジジイに!
パ――――――――ン!!
「いだぁぁい!! でも快楽ぅぅ!!」
パン!!
パン!
パ―――――ン!
パ――ン!!!
「シネおら!! おら! おら! おらぁ!」
「いだい! いいい!! うおおお!! 疎外快感ん~!💘」
椅子の中年奴隷の顔を覗くと…
やっぱりね…
「ぼぼぼっぼぼぼぼぼぅぅ (*´Д`)ぅぅ」
サルグツワの隙間から、ボトボトと、よだれ垂らしてやがる…
ワタシはもちろん!
ジジイを本気で殺す気で!!
「ドくされ変態のクセにナニまで貧相なジジイが!! 女王様とお呼び!!!」
トドメのムチ!!
『S』uper
『M』agnum
(S難度★★★★★)
をジジイへ!!
ガチァ――――――ン!!!
…を放ったが
イスの中年奴隷が動いたので外れちゃった…
遠くまで地面に亀裂が出来た…
でもこれで…
解決ね…
ジジイがうらやまし過ぎて… やきもちを焼いてジジイを助けた中年奴隷は…
「ぼ~~! ぼ~~! (´;ω;`)」
目隠しの下には涙がこぼれ、サルグツワの隙間からヨダレがしたたり落ちていた…
その四つん這いの右足には、中年奴隷に助けられた貧乏神の手が掴んでいる…
「くそぅぅ… この変態め…よくもワシを心から助けたなぁぁ? もっともっと生涯最高の獲物ユキノちゃんに憑りついて…ドSのユキノちゃんに与える不幸と、ユキノちゃんから頂く強烈な最高な疎外快感を味わいたかったのにぃぃ…うらめしやぁぁ」
「ぼう? ('ω')」
「おぬしには不幸が… 不幸が来るぞうぅぅ」
「ぼう ( ˘ω˘)スヤァ」
直後!!
中年奴隷にワイバーンのフンがシャワーの様にかかった!
「下痢きたぁぁ! どうじゃあ? 臭かろう? 汚かろう?」
「ぼう! (≧▽≦)」
大喜び…
ジジイは驚いた顔で…
「なんで!?」
「じゃあ散歩するか」
ワタシは、
四つん這いの中年奴隷の首輪のリードを引っ張って、町を散歩する。
中年奴隷は途中…
🐕 野良犬に
🐈💩 野良猫のフンを踏む。
⚾⭐ 子供のホームランボールが頭に当たる。
💧 瓦屋根を修理していた職人の吐いたタンを顔面に喰らう。
🚙= ワルキューレのパジェロに跳ねられ舞う。(ジジイごと)
散歩を終えると…
「ぼうぼう♪ (≧◇≦)」
訴えてくる中年奴隷にワタシは、首輪のリードをグイっと持ち上げて、
「もっと散歩したいの?」
「ぼう (≧▽≦)♬」
その足を握っていた貧乏神は…
「もうヤダぁぁ… こいつ、ワシに何も攻撃してこないし‥‥心の底から喜んでるだけだし…ワシは貧乏神なんだよぅぅ… 福の神じゃないのにぃぃぃ」
ワタシは貧乏神に、
「ずっとこれからも中年奴隷にエサをあげてね」
と笑顔を向けると…
「イヤだぁぁ! コイツ以外ぃぃのぅ他の人探すぅぅ!!」
中年奴隷から手を離し、立ち上がり、どこかへ歩いて行った…
まあ… もう、この町じゃあ、貧乏神を助ける妖怪はいないでしょうけど…
ワタシは、四つん這いの中年奴隷にガクっと座り…
「ぼ? ('ω')」
「もうつかれた…旅館いこう… とにかく寝たい…」
疲れ果てた体の、力を振り絞り…
中年奴隷を引っ張って、旅館に歩む。
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