94話 最後の審判


 『待てーい!! クソ女(ワタシ)!!』


 いつの間にか飛んで来たワルキューレが!! 通せんぼ!

 ワタシは邪魔なワルキューレに、

「なに? …てか、さっさとそのロンギヌスをワタシに渡せ」


 ワルキューレは左手に持つ『ロンギヌスの槍』をニタ~っと見つめながら、


『へえ~あんたもコレの価値を知っとるんだ~、そうよコレを持ってる者が、この場の支配者なのよぅ…』


「だったら、早く渡すか、使えよ?」


 すると、この馬鹿ワルキューレは、槍をワタシに突きつけて…

 くせえニオイをまき散らしながら、


『あんたもぅぅ… ワタシの標的ターゲットの1人かもしれないよ…』


「あ? なんのマネだ? てか仲間だろおい?」


『最初から、気にくわなかった… 人間のクセにボス面しやがって…』


「だからなんだよ?」


『上下関係をはっきりさせてやる…』


「なら、ごめん…あのさあ…あんたに…言ってなかったけど…」


『なに? 土下座で謝る? 靴舐める? 下僕になる? セントくんを献上する?」


 ワタシは鼻を摘みながら、コイツを睨み…

「おまえ…超くっせえんだよ…くっっさ」


 コイツ、魔法剣を構えて…

『おいユキノ… それ…まじでタブーなやつ…』


「セントも、おまえの事をくっっせえって言ってたわ…」


『嘘つきは…殺す』


「おまえにワタシが殺せんの? 金魚のフンのクセに?」


 ガンを飛ばし合う。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 イブは、ユキノとワルキューレを見つめ、


【 なに? 仲間割れ? 】


 イブの鎖のドレスの鎖蛇サタンは、ガンを飛ばし合う2人を、嬉しそうに見て。


《 ククク 美しいほどの仲間割れ… どうやら 元からあの2人は仲が悪かったようだね? ワルキューレが槍を持ってマウント取ってから流れが変わったようだ どうするイブ? 》


【 ワタシが死ぬのには 『ロンギヌスの槍』が必要 ワルキューレを殺して槍を奪う 止めるなよ蛇…】


《 わかったよ 悲しいけど もうイブの好きなようにして 》


【 なら… 1撃で決めましょう… 閻魔女王もろとも… 】


 イブのコメカミに血管が浮き出る!


 黒い鎖蛇は驚いて、


「イブ! まさか!? いきなり!! パズスを1撃で殺したアレを!!」


 イブの右手に白いオーラの球体が現れ、


 「はあぁぁぁぁあ!!  ターゲット(ワルキューレ)!ロックオン!!  喰らえ!!  E(イブ)式拡散レイン砲!!!」



 絶対に避けられないように 無数にオーラを拡散して!!


 腕を振り上げた!


 その時!!


 クルクルクルクル ビシ―――ン


【 な!? 】


《 ムチ!? 》


 黒いムチが!! イブを亀甲縛りにした!!


【 どういう事!? 】



全自動のサーチマニアが発動する…

ワタシの脳に情報が…

《《《《

『S』earch

『M』ania

始祖人間 イブ

レベルーー

HPーー

攻撃 20000

防御 10000

速さ 1500

魔力 15000

スキル

『伝播 (トップチート)』

『不死 (エクストラチート)』

『自然治癒(強)』

『拡散レイン砲(超)』

『マスターウエポン(チート)』

『創造主の加護 (チート)』

『酒豪』

『魅力』

【サーチマニア(強奪可能)】

【サイズチェンジビッグ(強奪可能)】

イブの個人情報

創造主に作られた最初の人間。 創造主に溺愛された故に最強のチカラを与えられている。



 ワルキューレにガンを飛ばしていたワタシは、イブを見て、


「スペースムチ… やっぱりこれが1番使えるわ…伸びたムチに塔を一周させて、後ろからお前を縛ってやった」


 イブはワタシを睨み叫ぶ!


【 演技か!? 仲間割れは!? 】


「前もってミーティングしてたからね? ナイス演技ワルキューレ♪」


『ワタシが臭いは… 台本に無かったし!!』


 ワタシは右手を差し出し、

「そんな事より、ほら、槍をよこせ、サタンを殺す…」


 鎖蛇は慌てて、ワタシを涙目で見てきて、


《 あわわわ~ ユキノ! 話し合おう! きっとボクラは理解し合える! 》


「ワルキューレ、はやく渡せ、さっさと」


 ワルキューレは…

『やだ』


 おいおい…


「こんな時に、何を言ってんのよ?」


『サタンは! ワタシが決めるもん!』


 ちっ… しかたない…


「なら、決めろ! ぜったいに外すなよ!! 蛇の頭の真正面だぞ!?」


『まかせて…』


 イブはワルキューレを見て!


【 ワタシを撃て!! その槍で!! ワタシを貫いて!! 】


『縛られたアナタは、後でワタシが幻想世界に放り込んであげるから… いくよ!!! サタン死ねし!!』


 ブ―――――――――――――――ン!!


 『ロンギヌスの槍』がワルキューレから放たれた!!




 ズボ



 う?


 サタンに当たる直前、金色の巨大ロウソクに刺さった…?


< ギリギリセーフ… この槍… ワタシがもらい (;'∀') >


 卑弥呼メロンレディ…?


 ワルキューレは、

『だれなのよ! あのメロン頭は!? あと少しでサタンを殺せたのに!!』


 いえ、ワルキューレ…

 今の1撃… 間違いなく鎖蛇に避けられていた…

 外れて彼方まで飛んで行かなくて良かったと考えるべき…


 鎖蛇はメロンレディを見て、


《 グッジョブ メロンレディ 》


 ワタシのムチで縛られているイブは、

【 メロン! ワタシをその『ロンギヌスの槍』で貫いて!! 】


 メロンレディの、頭部のマスクメロンはイブを向いて、


< やだ だってイブが死んだら 人間がみんな死ぬもん (;'∀') >


 え?


 死ぬ? 人間がみんな? どゆこと?


 すごく気になったから、


「卑弥呼!? イブが死んだら、人間が死ぬってどうゆう事!?」


 卑弥呼は、ロウソクから槍を抜き、


< ユキノ先輩知らなかった? 『伝播』を持つイブが死ねば 人間から生まれた人間みんな死ぬ (-_-;) もちろんユキノ先輩も (;'∀')>



 イブは絶対に死なせたらダメって事ね…



< この『ロンギヌスの槍』は! 後1撃で使えなくなる (>_<) >


 卑弥呼はイブを向いたまま…


< 大好きなイブやババアが死ぬくらいなら! ワタシが死ぬもん!! (´▽`) >


 卑弥呼バカが、槍を腹につけやがった


 縛れているイブは叫ぶ、

【 やめなさい!! メロン!!! 】



 ワタシは



   「 おい 卑弥呼 」




 卑弥呼は… 手を止めてワタシを… 向いてくれた


< ユキノ先輩? >


「おまえ… 本当にバカだな…」


<うんバカだよ だからSMクラブが燃えて ユキノ先輩も死んじゃったんだもん>


「なんかさあ… バカなお前を見たら…どうでもよくなったわ」


< どうでもいい? >


 ワタシはイブのムチを解く…

 隣のワルキューレは、目をかっ開き、


『バカァ! 最強イブのムチィィ解いてどうすんのだぁあ!? もうおわりだああ!!』



「ワタシ達の負けでいい… 卑弥呼ワタシを、その『ロンギヌスの槍』で貫いて…」


『クソ女のバカ!! イブが最後の禁断の果実を喰えば~世界中に認知症が増えまくるのよ!! それでいいの!? あんたは!? あんたの家族みたいのばっかりになるのよ!!』


「いい、未来よりも大事なのは今」


『バカすぎる… こんな女と共にココまで来たなんて…あんなメロン女の命なんて…どうでもいいじゃない…」


「ワルキューレ… 後輩1人守れない先輩ワタシが…世界を救うなんて荷が重すぎる… だって…ワタシは


 卑弥呼は、スッとこっちに槍を振りかぶり…


< じゃ、遠慮なく いっくよ~~ ユキノ先輩~~ (*'▽') >



 だいすき (´▽`)




 聞こえた気がした




 パ――――――――――… ン



 マスクメロンは


 粉々…


 赤いメロン? かけらが? 飛んだ?


 頭部の無くなった… 卑弥呼の身体が崩れ落ちる…


 

 槍はワタシの前に トンッットンっと落ちた



 ひみこを 後ろから 鎖の頭のとつでころした


《 ククク そういうメロドラマは大嫌いでさあぁぁ ユキノも殺してやるよ 正真正銘のガチでな… バカ後輩のようにブザマに飛び散れ… 》


 クソが なにかいってやがる……



 「 おんめえええぇぇ…  」


 

 頭の中が漆黒になり…




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