95話 あの日、イブが食べた禁断の果実で育まれたモノ(1)


     後日…


                

     🏰天界神殿内🏰



 天界の戦闘系天使達47名は、高座のワタシにひれ伏して、


《 天界の新たな天使長ワルキューレ!! 万歳! 万歳! ハーレルッヤ♪》


「いいよ…もう…祝って欲しい気分じゃないし…正直…ほとんど何にもしてないし… みんな立って立って」


 ワタシの横で、ガスマスクつけた新たな副天使長の『サマエル』が、


「しかし! サタン討伐! イブを改心! その偉業はワルキューレ様の共闘が無ければ無理だったはず!」


「ワタシは本当に何もしてないし…」


 ワタシは立ち上がる…


「みんなに、あの時の事を伝えるべきだと思う! 新たなサタンの誕生を!」





 閻魔女王は目の前の『ロンギヌスの槍』を掴んだ!!


 槍から! 炎のような黒いオーラが出た!!


 ベリアルから強奪したスキル? 『マスターウエポン(チート)』が発動した?

 閻魔女王は槍を持ちサタンに走る!!

「うおおおおおぉぉぉ!!!」



 ガチ宣言していたグルグル『渦巻き』の瞳の鎖蛇サタン… 


 有言実行…


 ユキノを、瞳をグルグル回転して睨みながら…


 己最大の奥義スキルを使う…



 サタンの前に… 


 パッっと…

 ユキノが1・2・3? …10人現れる。


 ワタシ、ワルキューレも当然、初めて見た…



 いにしえから噂されてた


 『実在ドッペルゲンガー』


 そうよ… 

 出会ったら100パーセント死ぬと呼ばれているモノよ…




 その個体の姿、強さ、能力、装備は黒いムチに、黒いSM衣装

 ドッペルゲンガーは… 完璧なユキノ自身…


 10人のドッペルゲンガーユキノは!!

『S』pace !

『M』uchi !

S難度 ★★★


『これが一番つかえるからね!! 喰らえ!!』


 ユキノの得意技の亀甲で縛るため? 10人から、それぞれのムチを伸ばした!


 ピュ――――――――――!!

  ピュ――――――――――!!

 ピュ――――――――――!!

 ピュ――――――――――!!

    ピュ――――――――――!!

 ピュ――――――――――!!

ピュ――――――――――!!

   ピュ――――――――――!!

 ピュ――――――――――!!

 ピュ――――――――――!!


 その最中! 鎖蛇は!! 頭部を高く高く上空のエデン近くまで伸ばし上げて!!


 

《 実在ドッペルゲンガー・スペースムチ & 気合のフルスイング突攻撃!! 》


 

 閻魔女王は…


「うおおおおぉぉ!!!」


 左のムチを振りかぶり!!

 ブーーーン! ブーーーン! 回して!

『S』tream !!

『M』uscle !!

S難度 ★★★★★

 超高速回転!

 竜巻が巻き起こる!!

 それは、ドッペルゲンガーユキノ10人の身体とムチごと舞い上がらす!!



 ドッペルゲンガーのユキノが弱い?

 違う… 同じ能力のはず…

 なぜ… こんなに閻魔女王ユキノのチカラが…抜き出てる?


 精神力? 経験? 復讐心? 正直まだ、戦女神のワタシにも分かってない…



 次の瞬間だったの…

 すでに…

 鎖蛇サタンの頭の突攻撃が 上空から凄い速さでユキノに迫ってた…




 だけど…

 きまった…




 閻魔女王ユキノが…


 サタンの頭を…


 『ロンギヌスの槍』で貫いた…


 槍と鎖蛇サタンは…


 上空の『創造主』と同じ様に…


 崩れゆくパズルのようにボロボロと消えていく…


 今思えば 気のせいか…


 撃たれる前… サタンは笑ってるような気がしたわ…


 



 その後…


 ワタシは言った… 促した。


「ゴールのエデンへ行きなさい」


「最後の禁断の果実はあんたが食べなさい」


 と…


 何故かって?


 まあ… あなた達は 


 あの時の 


 サタンと戦った後の閻魔女王を見てないからね?


 怖いなんてもんじゃないし…


 最後の禁断の果実を食べれば…


 ちょっとは元に戻るかもと思ったの…



 ユキノは、空のエデンに1人で行ったわ。


 ええ いつものスペースムチでね。



 その後すぐに…

 纏っていた鎖蛇サタンのドレスから解き放たれたイブも、

 いつのまにか来てた…

 生き残った最後の三大魔王アスタロトのコウモリの羽で、運ばれるようにエデンに行った…


 とうぜん、ワタシも後を追ったわ…




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