36話 恋に落ちた戦女神ワルキューレ


 渋谷スクウエアビルに安全ムチを繋げたまま!!


 仏体ほとけたいⅩ 超絶巨体アンコウ(リバイアサン)の頭?のど真ん中に!


「うおおおおおお!!!!」


 ワルキューレから借りた魔法剣をブッさす!!


 無茶苦茶堅そうなのに刃が通った!?


 刃が刺さったまま! ワタシは中年奴隷に!

「水平バック!!」

 ガチン!と玉蹴り!


「ぼい! (^ω^)」


 ズズーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 裂けては行くけど! 効いてる感じは無い!?

 なにせ東京ドームサイズ!

 なら! ワタシはスクウエアビルにつけてた安全ムチを外して、

 もう一度、切りきった所から45度!

ズズーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ブオオオーーーーーーーォォ…‥  …」



 黒い巨大アンコウはブラックホール吸い込みをしながら!

 上空に口を向けるためにゆっくりと動き始める!


 ハッキリ言って勝負時…


 もうココは攻める…!


 次に切りきった所からさらに45度!


 ズズーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ワタシは中年奴隷を動かし!

 辺の長さ10メートルくらいの△の切り口を作り上げた!


 ムチを、

『S』pace !

『M』uchi !

S難度★★★

 でグ――――ンと伸ばし!

 △の頂点に巻き付け


 足を組んだまま、右足を90度振り上げて!!

「水平! 前! 壊れろ!! くされキン●マ~~!」


 ブン!!


 黒のニーハイブーツのカカト振り下ろす!!


 パチェン…


「あつっ…? ぅぼうえぇぇー!! (≧◇≦)」


 グググ~~~~~~~~~~~~~グググ!


『創造主の加護』のプロテクトの皮が剥がれ!


 パンっと、船の甲板の様に落ちた!


 開いた▲へ!


「中年奴隷!! 戻れ!!」


「ぼう! (≧◇≦)」


 グーーーン!!

 アンコウの脳天の▲穴に向かう!!


「しね…」


『S』crew !!!

『M』uchi !!!

S難度★★★★★ ★


 ワタシのムチはドリルスクリューになり!!

 アンコウの生身をグッチャグッチュア!! にしながら進む!!


「あったま悪そうだけど! 脳みそくらいあんだろ! あ~?」


  動きが鈍い超絶巨体のアンコウは成すすべ無し…


「ブオオ…オオ…」


 かと思ったけど、油断は禁物…


 尚も口を、天に上げ続けてる…

 90度近くまで上げた…


 おそらく、反転して落ちてワタシをつぶす魂胆…


「あ? これ? ちっさ…」


 だけど… 動きが遅すぎたね…

 骨削ったら目の前にあったわ…

 ワタシはたどり着いた脳を見つめ、


「さあ~~てと、これでフィニッシュ…」


 ワタシは脳に大きな穴を空け…

 アンコウから離れた。


 天を向いたアンコウ、無機質な横目でワタシを見てる…

 ワタシは足を組んだまま、ヒュンっとムチの血を払い、

「リバイア、グッバイ」


 すぐに、太陽の光を浴びるアンコウの瞳孔が開いた。


 ワルキューレはミノタウロスに続き、リバイアサンを殺した、ワタシを驚いて見ている。


 ワタシはまた勝利の一服に『死神のキセル』を胸の隙間から出した。


 その直後…


 超絶巨体のアンコウの近くに… 食虫植物の口の様な時空の隙間?


 え?? え? 新手?

 デカッ? 巨人??

 むっちゃヤバそうなんですけど…?


 時空の隙間からはがねのボディビルダーの様な巨大な腕が出てきた!


 ワタシはワルキューレに!

「なにあれ!?」


「時空を超えれる存在は創造主なのかな…?」


「あれは創造主の腕?」


 腕はアンコウの下あごをガチっと掴み…


 スン!


 と時空の隙間に入れた!


 はや!


 隙間から大きな目が見える…

 黄色い瞳が動いた

 ワタシとワルキューレを見た??

 ド低い声が、


 < 🟡 > 『j8じjΦgΨ ジズの母体……ワルキューレ

 < 🟡 > 『еゞfえyΛdΘ 閻魔女王ユキノ……


 黄色い瞳は、再びワタシをジーっと見て

 < 🟡 > 『Å∇カオス¶⁀☤^φ§m 混沌……?

 目を細め垂らした。


 直後!


 バ――――ン! カーテンを強く閉めるように!


 時空の隙間が閉じた!


「クソ女! 時間よ! 元に地獄のラビリンスに戻る!」

「え?」

 座っている四つん這いの中年奴隷と共に…

 ヒュンっと身体が飛ばされる感覚…

 すぐに、またヒュンっと感覚が…



 洞窟に三体鬼ケルベロスがいる。


赤鬼セント 「ユキノ様!☆ 大丈夫!☆」

青鬼ショウ 「ミノタウロスは!?」

白鬼リュウト 「死んだ!?」


 ワタシの乗る、四つん這い中年奴隷の足元にはメドゥーサの無残な骸…


 あ? そっかラビリンスか?  …10分くらいだったけど、

 なんか色々あってね…


 パッ、ボトンっと魔神ミノタウロスの骸も転送されてきた。

 ヒラヒラと近鉄バファローズの帽子が水牛のツノに乗った。


「うお☆」

「すご!完全に死んでるし…」

「まじっすか!?」

 おどろくケルベロス。


 ん?


 くさぁぁっ…この悪臭…‥


 金髪ベリーショートに黒の胸当てのワルキューレは、

 ジャニーズのウチワをワタシに匂いが来ない様にパタパタとしながら、

 少し背の高いワタシを見上げながら手の平を突き出し、

「魔法剣! 返して!」


 鼻を摘みながら、

「はいはい、ありがとさん」


 ワルキューレ、剣を鞘に戻したけど、

「ふん! ‥‥‥おっほん……おっほん」


「なに?まだ何か用? 用が無いなら別行動しろよ、オーラでワタシ達が死ぬから」


 はっきり体臭が臭いと言ったら傷つくからね。


「ちょっと! クソ女! ワタシは別にいいんだけど、約束したでしょ!」


「なに?」


「セントくん! …いえ、セントとの事よ!」


 完全に忘れてたわ…


 腕を組んで目を逸らすワルキューレは、

「ワタシはモテモテで、相手には全く困ってないんだけどね、そこまで頼まれたら仕方ない、セントくんと遊園地デートを付き合ってあげる」


「ははは…そうなんですか? 約束だしね? 分かったわ、ちょっとセント来て!」


「はい☆」


 ワルキューレは焦った声で、

「え? まじ? どうしよ…どうしよ…」


 赤のタキシードを着たキラキラオーラのセントはこっち来た。


「セント、ワルキューレとデートしてやって」


「いいよ☆ ワルキューレ☆ どこ行きたい?☆」


 今まで以上に強くウチワをパタパタするワルキューレはうつむいたまま、


「ゆっ…ゆう…えんち…かな…」


「うん行こう☆ いつ行こうか?☆」


「こ…このたびの…任務が…おわったら…いかが…ですか?」


「オッケ☆」


 凄く不安な顏が上がる…

「セントくん…あのね…ワタシ…じつは体が…とってもにおっ」


 セントはワルキューレをスッと抱きしめた…

 ワルキューレは目を大きく開いて…

「え? え? え?」


「くさくないよ… オレはワルキューレの香りが大好きです☆」


 ワタシの正面には、セントの白目しろめになって引きづった顏…

 セントのホスト魂、凄いわ~

 顏もう死にかけてんじゃん。


 ウチワを落とした、

 ワルキューレがボソっと呟いた、


 え?



 『しねる』



 って言った?




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る