19話 vs ベルゼブブ(3)


 軽トラのマフラーからモクモクと出る煙…

 その煙でベルゼブブは三体鬼ケルベロスの存在に気づき、


 《 あの気配は・・・魔獣ケルベロス? 》


 大きく揺れる軽トラの運転席の赤鬼セントが飛ばされない様に、必死に押さえている青鬼ショウと白鬼リュウトを見つめながら、


《 なぜ? あんな? 10回ヤった後の・・キンタマの搾りカスの様な状態になっているか分からないけど・・本来の姿になれば・・・少々・・面倒ね・・アレから・・殺す・・》


 ベルゼブブはガッサガッサとケルベロスへ向かう…

 メロン気球隊から離れたので、ミサイルランチャーの射程距離を越えた。


 ベルゼブブが、こっちに来たのに気付いたショウは!

「やば!! ベルゼブブが後ろから! こっちに来てる!」


 リュウトも後ろから迫るベルゼブブを見て、

「くそ! 俺たちが合体サンピーしてケルベロスに戻る時間もない!」


 セントはすぐ前の大きな岩を見て、

「最後の手段☆」

 ケルベロスの壊れかけの軽トラは岩陰に入った…


 ガッサガッサ ガッサガッサ  ピタッ


 学校体育館サイズのハエの体を持つベルゼブブは、岩に前足を置き、上から軽トラを見る、


《 あれ? 居ない? ケルベロス・・ワープのスキル・・・持ってた?》


 軽トラの下では、体を寄せ合い隠れ小声で喋るケルベロスの姿が、


リュウト 「バレてないみたい」

ショウ 「セント…名案だったね…」

セント 「だろ?☆」


 ベルゼブブ… 笑いをこらえるように軽トラを見て、


《 ぷっ、な~~んちゃって♪ さてとケルベロス・・どうやってころそっかな 》


その時…

上から…


スーーー…


タン


前のベルゼブブ…

視線は軽トラから…

地上に降りた、中年奴隷に足を組み座るワタシを見る…


《 どすグロ・・マn・・コ? 自ら殺されに・・落ちて来た?》


 ワタシはムチを振りかぶり、

「問答無用…」


『S』pace !

『M』uchi !

S難度★★★


 ヒュ―――――――――――――――ン


 伸びたムチをベルゼブブの超絶巨体にグル~~~っと絡める!

 ベルゼブブは絡まったムチに目を持っていき


《 なに?・・これ・・ムチ?》


 ワタシは椅子にしている中年奴隷の首輪のリードをグイっと上げた、

「ぼっ (^ω^)」


「SとMの合体のチカラ…いくよ!」


 ワタシはニーハイブーツを振り上げ…

 カカトで玉蹴り!


 ガチーーン!


「ぼい! (≧▽≦)」


『S』ander !!!

『M』ax  !!!

S難度

★★★★★

★★★★★

★★★★

(最大の研磨機)


 ズリュリュリューーーーーーー!!


 ムチはヤスリと化し!! 高速に動き! ベルゼブブに絡まった部位を削る!! 体は液体を出しながら喰い込む!


《 ぎゃ!!! やべろ!! いっで!!! いで!!》


「くそバエ!! 死っね―――!!!」


 たまらず! ベルゼブブはその大きな口をグワ~~と開け!


 ブシャーーーー!!!


 大量の溶解液をワタシへ!!


 くっ!

 避けれるか!?

 ガチン!!っと玉蹴りし

「前!!」


「ぼい! (^ω^)」

 椅子の中年奴隷はピューーーン!


 避けれた!


 だけど! ベルゼブブへの締め付けが弱まった!

 くっ、これじゃまたやり直し…


 その時、

 ブーーーっと、


 ババア(西太后)とニケツの卑弥呼メロンレディの原チャがワタシの前に来て、割れたマスクメロンの隙間の、緑の瞳をコッチ向け、


「ユキノ先輩 手伝いましょうか? (*'▽')」


 ん? 


 卑弥呼?

 緑のカラーコンタクトなんてつけてた? イメチェン? 洗脳されたから?

 そういや髪も黒から金になってるわ…


 ババアがワタシを指さし、ボッコボッコのマネキン顔の口から唾を散らしながら、


「閻魔女王!! ベルゼブブを倒すまで休戦じゃ!!! ワタシとメロンと閻魔女王とメロン気球隊のチカラを合わせればベルゼブブを倒せるかもしれん!!!」


 ワタシは二人を見て、

「オッケ! あのクソバエ殺すまで共闘よ!!」


 その時!!

 ベルゼブブ! 次の溶解液を!


 ブシャーーーーー!!


 放ってきた!!


 すぐさま前で原チャをまたぐメロンレディは、

 赤い手袋の両手で持つ巨大ロウソク(残量5センチ)を!


 ブーーン  ブーーン  振り回し!


『S』hield  !!

『E』ndless  !!

『X』Ⅼ    !!

(特大無尽蔵な盾)

S難度★★★★★ ★★


 ロウソクの火がメロン柄の大きな盾になり!

 ワタシ達を襲う溶解液をはじき返す!


《 メロンの・・盾・・・くそが・・・》


 ワタシは改めて!


『S』ander !!!

『M』ax  !!!


 ズリュリュリューーーーーーー!!


 ベルゼブブの体を削る! 真っ二つにするためにね!


《 ゅっぎゅゅあーー!! それ! やめろ!!!》


 ガッサガッサと近づいてくる!

 溶解液を吹き出しながら!!

 溶解液はメロンレデイの盾で防げるけど!

 やばい!!

 あの超絶巨体の肉弾で攻撃してくる気!?



 ヒュヒュヒュュヒュヒュヒューーーン


 ドガガガガガガガガーーーン!!!


 後方の上空のメロン気球隊!!

 ミサイルランチャーでベルゼブブの正面を爆撃!!


《 ぐ・・わわ 》


 ヒュヒュヒュュヒュヒューーーン

 ドドドガガガガガーーーン!!!


 弾幕でベルゼブブの進行を妨げる!!


 後方に移動していたババア、

「ワタシもパイナップルで攻撃じゃい!!!」

 チラッと見たら、

 エプロンを脱いだ体中にブドウのように手榴弾が!

 両手でちぎり取るように持ち、

 ピュン! ドン!!  ピュン! ドン!!

 水平に飛ぶ手榴弾、なかなかの肩。

 どうやら、取り外すと手榴弾の栓が抜ける仕組みのようね。


 メロン気球隊と、ババアの弾幕と、メロンレディの盾。

 しゃ!!

 ワタシがベルゼブブを殺してあげる!!


 ワタシは中年奴隷に!

「おら!! もっともっともっと!! パワーを!!」

 カカトで玉蹴り!!


 ガン! ガン!! ガン!!!  ガキン!!  


「ぼっ! ぼっと! ぼっど!! ばいっ! (≧▽≦)」


 ベルゼブブに絡まったムチの研磨!

 ズリュリュリュ!! リュ!リューーーーー!!!


《 やめ・・て・・やめて・・このわたしが・・まじ・・し・・ぬの・・》


 ワタシは大きく振りかぶって、


「しね…」


 黒光りするニーハイブーツのカカト玉蹴り!!


 ブン!! 


 グチャリ…


「ぼえー!! (≧◇≦)」


痛恨最終地点ブレイクアウト

M難度★★★★★ ★


 それが加算され!

 ワタシの!

『S』ander

『M』ax  

S難度が!

★★★★★

★★★★★

★★★★★

★★★★★

に!!


 ムチはベルゼブブの体を!

 ガリりりーーーーー!!! と今まで以上に速く削り切る!


《 もう・・・だっ・・・めぇ・・・イッ・・・ク 》


 ベルゼブブ… 遂に… スッっと…力なく崩れ落ちた…


 ガリリリー!! ッ ヒューーーー…ンン


 ベルゼブブの体… やっと切れた…


 え? なにこれ?


 ムチからワタシの脳に情報が伝わってくる…

《《《《《

ベルゼブブをユキノ様が殺した事で

ベルゼブブの特殊魔力スキル

『S』earch

『M』ania

を強奪しました

今後はムチに触れた者のステータスが分かります

魔王ベルゼブブ

LV 550

HP 70000

攻撃 2500

防御 2350

速さ 800

魔力 200

スキル

『超絶巨体』『自然治癒(強)』『溶解液(強)』『飛行』

『ベルゼブブのジエンド(チート)』

【サーチマニア(強奪可能)】


ベルゼブブの個人情報

地獄に住む三大魔王の一人。超巨大なハエの身体

食料はウ●コや死骸。

ベルゼブブの城には無数の鬼や地獄の亡者が監禁されており、その者達の糞尿はベルゼブブの食料として地下に流れ、それを食べる。

監禁者達の出が悪くなると、地獄中を飛び回り、鬼や地獄の亡者の死骸や糞を食べてくれるので益虫ではある

》》》》

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る