40話 ババアの100万円


 アンドロメダの街のコンビニの前では、

 剣道面ババアとメロンレディの姿が、


「ババア、ホストに行くカネ、下ろしてきた? (*'▽')」


「ちっ、金欠だよ! ショットガンと真剣カタナに金を使いすぎちまったからね!」


「え?ババア…幹部なのに金欠? ワタシお金持って無い…いくら下した? (;'∀')」


 剣道面ババアは長財布から札束を出して。

「100万!」


「ワオ ( ゜Д゜)」


 ババアはメロンレディに剣道面を向けて、親指を突き上げ、、

「グッドリアクショ~ン♪」


 すぐに、

 剣道面ババアは面の隙間から唾を飛ばしながら、


「ホストクラブ『せつな』行ったら! ドンペリ開けっぞ!! ワタシの推しのぶっとい腕に若気の至りのタトゥーしてるけど~シャイボーイゴリラ顔の『魔裟斗志マッチ』のためにね!! もちマッチ指名~ メロンはヘルプでも相手しとけ!!」


 その時、

 鎧兜の三国志な兵2人が、両手にいっぱいのビニール袋を持ってコンビニから出てきて、

「西太后さん、おつかれまです」


 剣道面ババアは右手を上げて、

「おつかれ、16時間後に飛行場に遅れるなよ」


「了解っす、俺達は公園で待機してますから」


 兵2人は去る。


 剣道面ババアは長財布をエプロンの腹ポケットに仕舞い、


「ホスト行く前に焼肉でも行くか?」


「焼肉? (´ρ`)  行く行く!!2ババアだ~い好き!! (≧▽≦)」


「今頃! ワタシの秘策で、閻魔女王もミノタウロスに喰われている頃だろうしな! 牛肉食って閻魔女王の死に祝いじゃ!」



 5分後…



 『焼肉屋 珍歩』と書かれた看板の前で足を止めた剣道面ババアは、


「メロン? ここにすっか?」


「うん (´ρ`)」


 剣道面ババアは扉をガラ~と開くと、若い男のバイトがすぐ来て、

「2名様ですか?」


「おう、よく流行ってるね? 席空いてるかい?」


「どうぞこちらへ!」


 案内された… そのテーブルの隣には…


 ユキノと青鬼ショウと白鬼リュウトが!


 剣道面ババアは驚いて!

「閻魔女王!?」


 ユキノも剣道面ババアを見て驚いて!

「ババア!?」


 2人は、それぞれのムチと真剣を構え臨戦態勢に、


 剣道面ババアの後ろからメロンレディが、

「ババア~ここは一時休戦しよ (´ρ`) 焼肉の後に、マッチに会いに行くんでしょ? (´ρ`)」


「うっ…むむぅ…くっ (閻魔女王と戦闘になればぁぁ…ホストどころでは無くなってしまうぁぁ…マッチィィ…ぐっ)」


 マッチのシャイな笑顔と、無茶ぶりでギンギンギラ銀を歌わせた後に、ドンペリを下ろしてマッチが喜ぶ顔を思い描き… 刃を鞘に戻し…


「ちっ! 閻魔女王! 一時休戦だ!」



 ババアの申し出に、ケルベロス2人はワタシに、


ショウ 「ユキノ様! 2対1じゃ不利だって! ババアの休戦を受け入れよう!」


リュウト 「メロンのスマホでイブ呼ばれたらヤバすぎる! ユキノ様1人で戦うなんて無理ゲーだって!」



 お前達ケルベロス… なぜ… 自分らを戦力に入れていない…?


 ちっ…


 しかたない、受け入れる!

「分かったわ! 一時休戦よ!」


 皆、席に座ると、

「おまちどうさまです!」


 頼んでいた、生大3つがワタシのテーブルに置かれた。

 隣の、剣道面ババアは面のアゴを上げて、腕を組みながら、

「おやおや…焼肉屋で… しょっぱな生大ですか~?」


「なによ?」


 横向きに腕を組んだまま人差し指を向け、

「ド素人! 貧乏人たち! ちゃんとした店で焼肉食ったことあるのかね!? おい! 兄ちゃん! 飲み物頼む!!」


「なんにしましょう?」


「ライトの赤ワインボトルで! グラス2つ! イタリアのやつな? チリとか持ってくるんじゃないよ!」


 焼肉で赤ワイン? なんじゃそりゃ? 通ぶってるだけじゃん?

 むしろ金持ちぶってダサいわ…


 はあ? ババア? ワタシを笑ってんのか? 


 テーブルに両肘を置き、重ねた両手の上で… 小刻みに動く剣道面…


 え? いま気づいたけど…


 頭部が粉々になって無いとはいえ… 剣道面ババアはまだ分かるけど…

 

 卑弥呼メロンレディのあのマスクメロンの頭…どうやって飲み食いすんの?


 あっ? そうだ…

 今のうちに~ 敵二人ババアとメロンの情報を貰っとこっと、


 ワタシは、

『S』pace…

『M』uchi…

 で… 

 そ~~っと卑弥呼メロンレディのテーブル席の下の、赤いニーハイブーツのつま先にムチ先を当てる…

 

 反応が無い??

 魔王ベルゼブブはサーチマニアしてない??

 しかたない…

 じゃあ次は… ババアね‥‥


 次に

 そ~~っとババアの背後からエプロンの端にムチ先を当てる…

 ワタシの脳に情報が…


《《《《

『S』earch

『M』ania

西太后

LV 100

HP 40

攻撃 400

防御 5

速さ 1200

魔力 2000

スキル

『指揮官(中)』『マスターウエポン(チート)』『スペアボディ (チート)』

麻薬トランス』『ドーピング』『刺激臭の息(オリジナル頭部破損で無効)』

『ベッドテクニック(強)』

性病コンジローマ(超)(強奪可能)】


ドロップアイテム

【長財布(100万入り)】【煙草(セブンスター)】【真剣】【アヘン】

西太后の個人情報

イブから血の池地獄の指揮を任されていた幹部。

生前に、国の多額の予算を費やす様々な儀式をおこない。

チートスキル2つを持ち地獄にやってきた。

地獄の天下統一を図り、母国の兵を集いのし上がろうとするが

魔王ベルゼブブのジエンドで、数万の兵と己が全滅の危機になったさいに、突如現れたイブがベルゼブブを脅したことで、全ての兵同様に救われ、それ以降は民宿たんぽぽの女将としてイブに忠誠を誓う。

》》》》


 ババア! 今100万も持ってんのか! 

 おいおい… 焼肉で100万なんて使えるか…?


 休戦を申し込んで来た…?

 間違いなく…このババア…焼肉終わった後すぐ、

 お気に入りのホストにでも会いに行くつもりね…



 その時…


 若い男のバイトが、ワタシに苦笑いで、


「あの… お肉の注文はまだですか…?」

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