39話 戦女神ワルキューレ IN ラブホ


 アンドロメダの街のラブホ『バーニング』の1室に、中年奴隷と三体鬼ケルベロスを連れて来た。

 ワタシはさっそく冷蔵庫から缶ビールを取り出し、ソファーに足を組んで座った後に蓋を開けて飲む。


 ゴクゴク~~


「ぷっは~~、ミノタウロスとリバイサンしんどかった~」


 途中、コンビニで買ったセブンスターを咥えると、

 前に立つ、赤鬼セントが100円ライターで、


 シュポ


「どうぞ☆」


 火を差し出してくれた。


「ありがとう。 ふ~~、やっぱコレにかぎるわ。 『死神キセル』はうるさいし」


 セントはワタシにキラキラスマイルを送りながら、


「それにしてもユキノ様☆ ラブホを寝床に使うとは名案だね☆」


「でしょ? ラブホなら中年奴隷ブタも入れるし、イブにも居場所バレないでしょうし、くっっっせえアレ(ワルキューレ)も泊まれるしね? もちろんアレだけ別室だけどね」


 その時、青鬼ショウが、

「リュウト! 風呂溜まった! 一緒に入ろうぜ! マットもある♪」


 白鬼リュウトは白タキシードを脱ぎながら、

「ういっす♪ いくいく♪」

 膝を落とし販売機でローションを買った後にショウと風呂に行く。

 入った後、きゃっきゃっから… 沈黙になった…

 まあ… BL(ホモ)だからしかたないか…


 ワタシはセントを見て、

「セントも風呂に行ってきたら? 魔獣ケルベロスに戻る合体サンピーは無しで」


「オレは☆ ワルキューレの所に顔を見せに行こうと思ってる☆」


 え? もしかして…

 セント… 女に興味を持ちだしたのかな…?

 ワタシじゃなくて??


「ワルキューレは☆ 大事な戦力☆ ヤル気を出させるために☆」

 二ヤっと眩しい笑顔を見せ、

仕事ホストしてくる☆」


 ワタシはタバコを消しながら、

「がんばって♪(大変な仕事でしょうけど…)」


 セントはにこやかな顏を向け、親指を立てながら、部屋を出る。

 残った、目隠しサルグツワで白ブリーフ一丁の四つん這い中年奴隷に、

「おまえも今まで本当に頑張ったね?」


「ぼっ (^ω^)」


 ワタシはムチをビ―――ンと伸ばし、

「ご褒美をあげるわ」


「ぼい… (*´ω`*)❤」


 中年奴隷は頭を床につけ、ケツを突き出す。


 パ――――――ン!! 

パ――――――――ン!!!  



  ~~~~~~~~~~~~


 隣の部屋では、

 天使の翼をたたみ、

 両手をお腹の前で合わせ、部屋を見渡す戦女神ワルキューレの姿が、


「はじめての‥‥ラブ…ホ…」


 鏡に映った、己の金髪ベリーショートと小柄な体を見て、


「ああぁぁ…この部屋ぁぁ…あっちこっちに鏡があるんだぁぁ…アレとか…させられてるとこ見えたら…むっちゃ興奮するよね…天井にも? 正常位とか?」


 おもむろに黒い胸当てを脱ぎ…

 ベッドの照明調整をいじり…


「ぷっ、これじゃあ暗すぎるよね… これくらいかな?」


 テレビをつける。


「うお~モロ?? まじですか? ええ? そっちも? 知ってたけどぉぉ」


 体をもじもじさせながら、


「そのうち… ぜったいにそうなっちゃうよねぇ…」


 自販機から、道具ビッグサイズを買い。


 自前のピンクのロー●ーも取り出し、


 2つをウイ~~~ンさせて、

 ベッドで横になり、

「セントく~~~ん💕 ん~~ 」


 その時!


 ピンポーン!


 ワルキューレは、

「やっやば! (セントくんかも!)」

 焦って2つの道具を布団の中に隠した。


 黒い胸当てを装着し直し、

 ドアを開けると…


「セントくん!!! (まじ来てくれたあぁぁ!)」


「おつかれさま☆」


「ちょっと! 待ってください!! すぐに戻りますからね!!」


 ワルキューレは素早く、テレビを消し、部屋の窓を全開し、部屋と水場の換気扇をつけて戻って来た。


「なにかようですか? (ドキドキ)」


 セントは眩しい笑顔で、缶ビールを1つだし、


「一緒に飲まない☆ 乾杯しよう☆」


「え? はい…いいんですか? どうぞ… (どうしようぅ…やばい…ついにバージンが)」


 案内した部屋の窓から、換気扇から流れた死臭で、落ちるカラスが2羽見えた。


 ソファーに並び座る…

 それぞれの缶ビールの蓋を開け、


「かっかんぱいです! (セントくんって積極的なのかな?)」


「乾杯☆」


 ワルキューレ、1口飲んだ後に、セントを見る。


「お亡くなりになった…オーディン様の事を…ずっとココで想っていました… (セントくん…やっぱ、むちゃくちゃかっこいいわ…)」


「フェンリルに殺されたんだよね☆ (死臭…おえぇ…くさい…スソワキガなんてレベルじゃない…おえええ…持って1分…?)」


 ワルキューレは膝にコブシを叩きつけ、くやしさを露わにし、

「はい…不意打ちでした… (いやいやちがうちがう…なんでこんな話題を振ってしまったの!)」


 セントはワルキューレの目をキラキラで見つめ、


「フェンリルは☆ 俺達ケルベロスる☆ オーディンの仇を取ってやる☆」

 セントは立ち上がり、

「ワルキューレは☆ 応援してくれ☆ (もうギブ)」


 ワルキューレも立ち上がり、セントの顔を見上げ、

「ワタシも一緒に戦います! (背も高いし…)」


 直後…


 ワルキューレの『ファーストキス』が奪われる…

 ワルキューレは目をかっ開き…


「ん…」


 し終えた後、セントはワルキューレの髪をナデナデして、


「お互いに使命を終えたら☆ つづきをしよ☆」


 ワルキューレは下を向き、うつむいたまま…

「うっ…うん…はい… (つづきぃぃ…)」


 セントは部屋を出た…


 黒い胸当てをスパっと脱いだ後に、

 すばやくワルキューレはベッドに行く…


 2つのウイ~~~~ンが鳴り始めた…






 

 戻って来たセントを見つめ…

「あ? セント? 仕事してきた?」


セント 「はい☆」


 ゾンビの様に歩み…

 ベッドにバタンと倒れた…


「ぼい…? ('ω')」


 風呂からショウとリュウトが出てきて、

ショウ 「ユキノ様! 焼肉行こう! 隣に焼肉屋があった」

リュウト 「カルビ♪ ロース♪ タン♪」


 ワタシは焼肉が食べたい2人を見て、


「ミノタウロスを思い出しそうだけど、焼肉いいわね♪ セントは?」


 横倒れた顔色の悪いセントは額に右手を持って来て、

「はぁはぁ…☆ とてもそんな状態じゃ…☆ ソレ(中年奴隷)と部屋で留守番してる…☆」


「了解。なにかお腹すいたら、内線で注文して、じゃあショウとリュウトで焼肉に行ってくるわ」


 ワタシはショウとリュウトを連れて、部屋を出た。


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