26話 卑弥呼のスマホ


「あっ…そこヤバ… (*'▽')💜」


 卑弥呼メロンレディがこの列車に!?

 しかも、中年悪魔痴漢グループに囲まれても嫌がってない?

 むしろ…


「お前たち、ジジイの癖になかなかやるじゃないか~ (*‘∀‘)」


「ありがとさん♪ 淫乱メロンちゃん♪ テクは若いもんには負けんど~♪」


「あっ…んっ… (◍>◡<◍)」


 スパ――ン

 スパ―――ン


 メロンレディの胸と股の中を触っていた痴漢悪魔二人の手がボトンと2つ落ちた!


「ぎぃよえー!!」

「手ぎゃ!? 手げえぇ!」


 メロンレディの傍に立つ、剣道の面を被った誰かが…

 カチャッ

 真剣を腰の鞘に戻した…


 居合切り? だれ…あれ?

 ん?

 民宿ひまわりのエプロン?


 よく見ると黒色の県道面の側頭部に…

『西太后』と白色の墨字で書かれてる…


 ババアかよ…


「たかが手くらいで騒ぐんじゃねえ!!」

 吠えるババアに!


 痴漢グループも悪魔の乗客もババアからズサズサ~っと距離を取る。

 ワタシは悪魔混みの後方で、メロンレディと剣道ババアを観察。


 ババアは面の隙間から、メロンレディに唾を散らしながら、

「1人だけ! なに気持ちよくなってるんじゃ!! 1人ぐらい回せやこら!!」


 メロンレディは巨乳アピールの、両ひざに手をクロスさせて置く前のめりの、セクシーポーズで、

「なに? 魅力的過ぎるワラワに嫉妬してる? (^_-)-☆」


 ババアは再び真剣を抜き、真剣の先をメロンレディの頭部のメロンに「ぷすっ」と刺した。

「あうっ… ユキノ先輩が死んだから、メロン気球隊とメロン気球に乗ってバベルの塔に帰ってたら… ババアがストレス発散にハプニング車両に一緒に乗ろうと言ったんじゃないか? (;'∀')」


 なに♪ アイツら… ワタシが死んだと思ってくれてるの? ラッキー♪


 ババアは面の隙間からペッと唾を吐いて、

「ちっ! こんなメロンよりワタシの方が人気が無いなんてね! クソクソ溜めだよココは!!」

 真剣を鞘にしまい、椅子に座り、エプロンのポケットからタバコを取り出し、面の口の辺りの隙間に、タバコのフィルターを刺すように持ち、チャっとライターで火をつける。


 す~~~っと吸い ぷは~~っ


 面の中から煙が吹き出た!?

 あの面の中!? 空洞のハズなのにタバコ吸えるの!?


 ババアは足元に落ちていた悪魔の手をポイっと蹴り飛ばし、タバコを吸いながら、

「しっかし… いくら、あのイブ様が相手とはいえ…閻魔女王が殺られるとはな…」


 メロンレディもガクっババアの隣に座り、

「イブも、ユキノ先輩を焼き殺すなんて酷すぎる… (>_<)」


 卑弥呼メロンレディ…おまえ… やっぱりワタシの可愛い後輩だわ…


 卑弥呼は頭部のマスクメロンの前に、修復された巨大ろうそくを持ってきて、

「あのユキノ先輩をワラワが調教してM便器ちゅうねんどれいと同レベルの変態M便器にさせたかったな…雄雌ブタ2頭並べて鋭利な三角Å木馬に… ハァ…ハァ~ァ… (*´Д`)」


 おまえそっちかよ


 メロンレディは赤いボンデージの胸の隙間からスマホを取り出した。

 スマホいいなあ… SMクラブの火事で死んだ時、持っていたの?

 きっと肌身離さず、スマホを持っていたのね…


「M便器ちゅうねんどれいの目隠しの中に忍び込ませた発信機もう解除しとかないとね。 どうせ、ユキノ先輩とカサンドラの下水道で焼け死んだでしょうし (._.)」


 なに!? 中年奴隷の目隠しの中に!? 発信機がー!?


 てか、やばい…


 ワタシが生きていて、同じ列車に乗ってるのバレる…


 一瞬で考える!


『S』pear 

『M』uchi 


 で…不意打ちを喰らわせる?

 しかし、可愛い……後輩の卑弥呼を殺すのも気が引けるし!

 あのババアはスピアで心臓貫いたくらいじゃ死にそうもない!

 走って最前列の車両に戻って発信機壊すか!?

 だめ、とても間に合いそうもない!


 …これだ!!


『S』PACE!

『M』UCHI!

S難度★★★


 ビュ~~~ン

 ムチは悪魔混みの隙間をかいくぐり!


 メロンレディのスマホをクルっと!一回り!

「なっ!? ワラワのスマホが!? ( ゜Д゜)」


 ババアはムチを見た!

「その黒光りのムチは!?」


 ビューーーンと引き戻す


 スマホゲット!


 とりあえず逃げる!


 これで、イブとかメロン気球隊への連絡手段も無くなったはず!


 後ろから声が、

「メロン! 閻魔女王じゃ!! おえ!!」

「ユキノ先輩! ワラワの命より大事なスマホ返せー! ( `Д´)」



 へへん、誰が返すもんか♪

 仲間の居る車両で、ムチで罠を仕掛けて倒す!


 列車を最前車両へ走るワタシの前に…


 うん? 扉の前に? さっき微笑んできたロングコートの青白い顏の男?


 じゃま! 雑魚悪魔を蹴散らす!


 ムチを! ブーーーーン!!


 なに!?


 スパスパスパっと!?


 ムチが切られた!?


 ナイフ!?


 ドスッ!!!

 接近しすぎた…腹に強烈なコブシの…くっ…油断した…うっっ…


 ガク。


 ドラキュラ伯爵の様な男は、ユキノを肩に抱えて、大きなコートの中に忍ばせ、近くの骸骨に…

「おい、お前、死にたくなかったら切れたムチをすぐに片付けろ」


「はっはい」

 骸骨は切り落ちたムチを持っていた萌えキャラ紙袋にいれた。


「今の事を誰にも言うな… オレが誰か知ってるよな?」


 ドラキュラ伯爵の様な男は裾を少し開け、気を失ったユキノの顔を見つめ、

「美しさと気の強さ、最高の獲物だ…早く家に持って帰りたい…フフ」


 リュックを背負い、萌えキャラ紙袋を持った三体の骸骨同士が小声で、

「切り裂きジャックだよね?」

「イブのクーデターに紛れて無間地獄から出てきたんだ?」

「やばいヤツだし、見てみない振りしてようぜ…」


 直後!


 真剣を持ったババア!

 火のついた巨大ろうそくを持ったメロンレディ!

 走って!


「閻魔女王! どこじゃー! ワタシが殺す!!」


「ユキノ先輩! こりゃ!われー! はよスマホ返さんかい!! ( ゜Д゜)」



 通過した。

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