殺戮のダークファイア

厳かで絢爛豪華、なおかつ無尽蔵な虚無を突き付けてくる系統のダークファンタジーとは一風異なり、
そんな世界で生きる人々の強かさと温もりに焦点が当てられていて、非常に感情移入しやすいです！
穏やかで優しい筆致によって浮き彫りになる、その激情の炎を見のがすな！

パンドラの箱より生まれた願いを叶える宝石と、それを追い求める秘密結社のエージェントが相棒の「喋る帽子」と共に繰り広げるアクション＆スリルの冒険譚。
詩的な美しい文章でつづられた内容は社会と心の闇に鋭い光を投げかけます。

欲望のままに何かを願ってしまうのは、人の心に弱さがあるからこそ。
願いを叶える力が必ずしも邪悪なのではなく、それに溺れてしまったり、そんなものに頼らざるを得ない社会を皆が放置した結果がこの物語なのでしょう。

奇跡などない方が良いのか？
それこそが真の平等なのか？
でも、どうしようもない事情から若くして選択を誤った人が居たとしたら？

単なるバトルファンタジーではなく、色々…続きを読む

僕らは誰もが泣きたくないし、笑って暮らしたいし、心穏やかに毎日を過ごしたいはずなのに、どうしようもなく、ダークファンタジーに惹かれてしまう。

切ないシーンに涙し、残酷なシーンに怒る。なんとも言えない暗い雰囲気に心が踊ってしまうのは、なぜなのか？　辛いシーンに心を痛めながら先に進んでしまうのは、なぜなのか？

それはきっと辛い現実の中に、美しさを。悲しい展開の中に、救いを見出しているからかもしれません。

さかたいったさんの『殺戮のダークファイア』は、僕にはそんな風に思える作品でした。

次はあなたがこちらの作品を読んで、なぜ惹かれるのか？　その答えを見つけてみて下さい。

満点評価に偽りなし……。


確かな質感を持つ文章、硬派な物語、そして宿命づけられた文字量。

一話ごとの構成もお見事でした。


最後には深い感動に、あなたは包まれることだろう……。

読み手の心を掴むファンタジー要素を踏まえつつ、重厚な世界が広がる物語。
所々に出てくる詩的な文章が、舞台の美しさと物悲しさを強調して世界観を広げています。
作者さんならではのセンスと語彙力の巧みさに尊敬の念を抱かずにはいられません。
無理にハッピーエンドを狙うのではなく、物語に忠実に進んでいくストーリーならではのカタルシス。
ぜひ皆さんに楽しんでいただきたいと思います。

まず会話がすごくおもしろかったです。作られた会話という感じがまったくしませんでした。いきいきと、という表現は適切かはわかりませんが、キャラクターたちが物語の中で躍動しています。

物語は残酷に進んでいきます。切ないシーンの連続で心がひりひりと揺れ動きます。こういう感情になるのは久しぶりでした。この陰鬱な雰囲気を支えているのが作者様の文章力、単語の選択能力でしょう。物語の雰囲気を壊さず、支える技術の高さは圧巻です。

本当に楽しく読ませていただきました。
素敵なお話です。

主人公は、相棒の帽子と共に様々な場所に訪れます。
そこでは、様々な出来事が起こります。
気が付けば、この物語に引き付けられている自分がいます。
是非、読んでみてください。

まずはリュナ、そしてエルピス。
二人が溶け込むような、それでいて映える物語とその世界の雰囲気が文字から放たれています。
物語はまだまだ続きます、これから大きなイベントが起こり、登場人物達を翻弄することでしょう。
もしかしたらそれらの結末は悲しいものかもしれません(僕はどちらでも構わないと思います)。けれども、きっと美しい終わりがあるものと思います。

タイトリングは(どちらかといえば)ファニーですが、想像以上の作品であることは間違いないでしょう。
御一読を。

最初の1ページに惹かれて現在投稿されている分を一気に読み進めてしまいました！
用意された舞台、登場キャラクターとその言動。一つ一つのセンスが良く、そしてしっかりと描写してくれるので、どっぷりと世界観に浸ることが出来ます。

とても格好良い作品でした！