キャッチコピーに釣られました。
それに、ちょうどコメディを読みたい気分だったので、迷いはありませんでした。
内容は真面目で、ある編集部が「作者は体験したことしか書けないのか」を検証するものです。
作中に、エロ小説のあるシーンが一部抜粋されていますが、やましい目で見なければセーフです。
それに「いかがわしいシーン」は作中の編集部員には響きません。むしろ白けています。
え?ナニコレ?って状態。
その時誰かがこう言ったのです。
「この作者、未経験で知識がないなら、妄想で書いているのでは?」
いやいや、したことがなくても概要をまったく知らない人なんているのか?
作者ならではのこだわりがあっての、あの行為なのでは?
確かめるため、作者に会ったことのある人にインタビューをして見解を深めていきます。
……で、「補足情報」から事態は一変します。
体験したから書けるか問題のアンサーにもなっていて、自分はゾッとしました。
WEBメディアサイトに掲載されていた、エロ小説に関する検証記事の転載という形をとったモキュメンタリーホラーとなります。
とある執筆者■■■■の書く、カクヨムに投稿された小説はどこかおかしく、検証記事の編集部は「この人、セックスしたことないのにエロ小説書いてるんだ……」という結論に至ります。最初はこんな変な人間がいるか? と半分笑いながら読んでいました。編集部の努力により、実際に■■■■と接触した結果も、その印象は変わらなかったのですが……。
7000文字程度と短い作品なのですが、現実に浸食してくるような怖さがありました。カクヨムに潜む■■■■は一体何者なのでしょうね。