開発二部――スタッフルーム
あとがき
みなさんこんにちは。『殺戮のダークファイア』の作者、さかたいったです。さかたいったなので、さかたいったと呼んでくださいね(そのままやんけ)。
さて、今回上の人間(自分なんだけど)から「あとがきを書きなさい」というお達しがきたので、最終話を書き上げてから2ヶ月以上が経過した今になって、この作品のあとがきを書いてみようと思います。書き上げから時間が経って少し俯瞰したような視点からのあとがきになります。もしお暇な方がおられましたらどうぞお付き合いくださいませ。
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さて、まずこの『殺戮のダークファイア』を書いた経緯ですが、去年の11月ぐらいですかね。ようやく「5分で読書」用の短編を三つ書き上げて、もう目の前に迫ったカクヨムコンへの準備に追われていました。
当初は他の作品をカクヨムコンに送り込もうと考えていたのですが、これまでのカクヨムコンの傾向を考えていった結果、どうも自分の作品では相性が悪い。勝負する前から躓いている気がする。それなら、もう少しそちらに寄せていったものを新たに書き上げたほうが望みがあるのではないか。そして、自分が書けそうなもの、書いて満足できそうなもの、ちょっとだけカクヨムコンに寄せたもの(あくまでちょっとだけ)、と考えていって生まれた発想が、「ダーク・ファンタジーを書く」でした。
僕はまずダーク・ファンタジーという言葉の意味すらよく知りませんでしたが。まあなんとなく暗めのホラー感もあるファンタジーでしょ、というぐらいの認識でした。
カクヨムコンに向けてダーク・ファンタジーを書くことに決め、まずは作品を貫くイメージのようなものを考えました。
そして出てきたのが、「体を蝕む闇の炎」。そこからイメージを膨らませて、ストーリーを考えていきました。というか、ストーリーの要点以外は書きながら考えていきました。だって考えついたのがカクヨムコンの直前ですから。読者選考があるので、なるべく早い段階で投稿していったほうがいい。カクヨムコンの初日(12月1日)から第一話を書き始めました。初めの章(欲望と荒廃の街)を書き上げた時点でも、次の章(夜と時計台の町)の構想は何一つありません。ホントそれでよく書けたなと自分でも思います。後で何が起こるか決まってないのに伏線だけ設置していくという無茶な書き方(まあいつもだいたいそうだけど)。
この作品を書き出した時に初めから決まっていたことは、「最後の場所ですごいことが起こる」ということぐらい(どんでん返し部門に応募するぐらいですから)。それまでに二つ三つと山を作り、最終的にそこへ持っていこうという魂胆でした。
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この『殺戮のダークファイア』は、随所で様々な作品の影響を受けています。とくに影響を受けたのは次の2作品。
『SOUL SACRIFICE(デルタ)』――ソニー・コンピュータエンタテインメント
『MOUSE』――牧野修
この二つがどういった作品なのかを説明していくと長くなってしまうので、どこがこの作品の影響を受けているのかだけ書いていきます。
まず、一つ目の『ソルサク』の影響を受けているのは、暗いのにどこか美しい世界観、力を使うことによる代償、そして「エルピス」というキャラクター。
『ソルサク』には「リブロム」という凶悪な顔をした喋る本が出てくるのですが、「エルピス」はほとんどリブロムそのものです。物が喋って、しかもめっちゃ人間ぽくて、おまけにやたらと偉そうで口が悪い、という設定が僕のどストライクでして、自分でもいつか絶対書きたいと思っていたんです。口調はもう少し捻ってみてもよかったかなという気がします(そこまで考える時間がなかった)。
二つ目の『MOUSE』の影響は、能力を持ったクールな主人公、五感に特化した表現方法、荒廃した世界に登場する少年少女、そして能力で作り上げるでかい怪物。『MOUSE』を読んだのはだいぶ前の話なので、かなり記憶が曖昧なのですが、確か最後の章ですごいでかいものを能力で作り上げた気がするんですよね。その発想は、『殺戮のダークファイア』の三つ目の章、「雨と忘却の村」で表現しました。
それから『MOUSE』の影響を受けて誕生したのが、「リュナ」という主人公、そしてリュナとフルールの生い立ち。自分は知識が皆無なぶん五感情緒に訴えかける表現は得意なほうだと思っていて、それもこの作品で存分に使いました。五感の鋭いクールな主人公ってかっこいいと思いますし、この作品の肝にもなっていると思います。なんせ「五感で味わうダーク・ファンタジー」を謳っているぐらいですから。
『殺戮のダークファイア』は主にこの2作品の内容をイメージしながら書きました。
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『殺戮のダークファイア』を書き上げて、今改めて振り返ってみると、なかなかのものを書けたんじゃないかと思います。自分の中では間違いなく過去最高の作品です。それも2ヶ月でよく書いたなと。僕は今まで何度か長編を書いたことがありますが、ここまで自分が満足できる作品を残せたことはありません。
僕の小説の師匠は、アメリカのディーン・クーンツという大御所作家です。彼の考えと作品を受け、小説はどうあるべきなのかを考えて書いています。僕は小説に必要なものは主に「スリル」と「ユーモア」と「愛」だと思っています。『殺戮のダークファイア』ではその三つも表現できたんじゃないかと思っています。
もし、本編をすっ飛ばしていきなりこの「あとがき」を読み始めた方がいましたら、よかったら本編のほうも読んでみてください。それなりに期待に応えられる作品になっていると思いますので。
それではそろそろこの辺で。お付き合いありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。
殺戮のダークファイア さかたいった @chocoblack
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