そろそろ春。春ということは花粉症の季節。と同時に、卒業シーズンでもあります。
最近寄せ書きを頼まれたことがありました。卒業する人にみんなでメッセージを書き合って色紙を渡すあれです。
簡易なメッセージの寄せ書きとはいえ、文章です。小説家は、文章のプロです。僕自身、「さかたいったの文章は面白くなければいけない」という自負を持っています。
そんな寄せ書きで使える僕なりのテクニックがあるので、今回ご紹介したいと思います。もし寄せ書きを書く機会があればぜひ使ってみてください。
さて、まずは英語でいい感じの言葉を探しましょう。有名なやつでいいですよ。
日本語で書くとやや重いと思われるような言葉も、英語にするとカジュアルかつお洒落に感じられるのです。
今回例として使うのは、
「If I know what love is, it is because of you.」
です。
日本語訳は
「もし私が愛とは何かを知っているとすれば、それはあなたのおかげです」
となります。
日本語で書くと痛い奴と思われますが、英語ならばお洒落に見えます。これぐらい恥ずかしい言葉にしてしまって大丈夫です。あなたのおかげで私は愛を知ることができたと伝えましょう(『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』か!?)。
ただこのまま終わってしまっては、文章のプロとは言えません。ここで一つ工夫をしましょう。
この英語に、独自の日本語訳をつけるのです。
本来ならば
「If I know what love is, it is because of you.」
(訳:もし私が愛とは何かを知っているとすれば、それはあなたのおかげです)
となるところ、僕ならこうします。
「If I know what love is, it is because of you.」
(訳:賞味期限が切れてもまだ大丈夫。)
と、寄せ書きに書きます。
なんやそれ、ってなりますよね。それがいいんです。
明らかに正確な日本語訳ではない。じゃあこのいい感じの英語の意味はなんなんだ、って。
初見で笑わして、二段階目でお洒落なメッセージを伝えるのです。
これが寄せ書きで僕がよく使っているテクニックです。
どうでしょうか?
他にはこんなのもあります。
「Where there is love, there is life.」
(訳:目玉焼きにはしょう油が合う。)
本来の日本語訳は「愛があるところに人生がある」です。
どこがどうなってその訳になったのか。
こんな感じで寄せ書きの時にはユーモアと想いを伝えましょう。めっちゃ目立ちますよ。もはやあなた以外のメッセージは目に入らなくなる。
ただし、僕のように普段から冗談ばっかり言っているキャラの人物に限ります。とち狂ったと思われないように。