さかたいった

一見ホラーかなと思うような独特のタイトルとキャッチコピーに惹かれて読み始めました。 まず文章がすごく読みやすくて、何の力みもいらずにすらすらと読んでいけます。 社会人の私と、仕…続きを読む

奴隷商人に仕えるクレメンテは、自分の生き様に疑問を感じていた。 ――オレが鎖を引いている奴隷と、オレの違いは何だ？ 人間を道具のように買い、売りつける。 人を人として扱わない所…続きを読む

ある日ゴミ集積所に置かれていた段ボール。 カラスに突っつかれるその段ボールから「ミィー‼　ミィー‼」という鳴き声が。 中から姿を現わしたのは、幸せを運ぶ子猫だった。 一人の男性と…続きを読む

抜群の安定感、安心感。 事故物件に巣食う霊の無念は重いのに、どうしてこんなに読後感が良いのか。 それはやはりメインキャラ弐千佳と安吾によるコンビネーションの為せる業でしょう。 …続きを読む

サブタイトルそのまま、「忌み地に建つ呪われたマンション」のお話です。 知らずと住んでいた呪われたマンションで巻き起こる怪異から、住人たちは逃れることができるのか。 登場人物が多く…続きを読む

無印『ギリシャ物語』では、主にスパルタ国とそれ以外のポリスとの対立が描かれました。 『ギリシャ物語　Ⅱ【後編】』では、異なる陣営、そして兵も一般人もごちゃまぜになった新しい共同体…続きを読む

不登校になった僕に優しく接してくれる幼馴染の彼女。 彼女のおかげで少しずつ前を向いていける。 けれどその彼女には秘密があって……。 じんとくる最終話。 東野圭吾さんの『秘密』を少…続きを読む

まず1話2話の、子供ながらの切実な想いにウッとなって惹き込まれました。 犬のひげの本数まで覚えているところとか。散歩のコースまで決めているところとか。 その切実な願いが潰えそうに…続きを読む

高校男子二人が、出るという噂の心霊スポットへ。 そりゃなにか起こるだろう、という。 1話の文字数が結構あるにもかかわらず、高い文章力のおかげで非常にすらすらと読めます。廃屋の内部…続きを読む

あるピアニストの葬式で弔いの曲を弾いたのは、故人の無二の親友だった。 演奏中に感情が高ぶり、演奏を中止しかけたところで、その手によく知るあの魂が乗り移る。 読むピアノ。圧倒的な…続きを読む

伊織は、8年勤めた広告代理店の仕事をクビにされただけの、普通の人間だ。 その伊織が、ひょんなことからある中国人の日本観光ガイドをすることに。 そしたらいつの間にか裏社会の人間たちの…続きを読む

海外の翻訳ものを読んでいるような肌触り。 夢中で読んだあの読書の楽しさを思い出させてくれる作品。 それぞれ独立した短編の物語には、期待に合う化け物がちゃんと登場してくれる。 迫り…続きを読む

アテナイで起きた悲劇。 本編でティリオンがスパルタに逃げ出した経緯が描かれた物語。 信じていた者に裏切られる絶望と憎しみ。 愛していた者を裏切ってしまった悲しみ。 ちょっとした…続きを読む

いつものように職場へと向かう、憂鬱な朝。 その日私は少しだけ背伸びをして、普段は入らないお洒落なカフェでコーヒーのお持ち帰りをする。 するとそのコーヒーカップにはシンプルなメッセー…続きを読む

ブックカフェ烏鵲堂店主の曹瑛は、元暗殺者。 平穏な日常を送りたいと願うも、ついつい裏社会の事件に巻き込まれがち。 これは曹瑛と仲間たちが織り成す、鉄拳制裁とヒューマンドラマな物語…続きを読む

「事実は小説よりも奇なり」を地で行く、古代ギリシャの物語。 前作で描かれた「レウクトラの戦い」のその後の出来事が、ティリオンと王女アフロディアの二人を中心にして紡がれる。 情緒豊…続きを読む

オレンジ色に光るエッフェル塔。 煌びやかな街並みに相反して、ピアノ科に通うカリムの心は暗く沈んでいく。 家庭環境、思い込みからくる引け目、そして追い討ちをかける出来事。 全てを…続きを読む

あるロボットと、その主人である人間のお話。 なんでもそつなくこなす高性能ロボットだが、ただ一つ理解できないものがあった。 「感情」 終末世界の中で、主人はロボットに伝えようと…続きを読む

「なんとも形容し難い、今まで嗅いだ全ての悪臭を煮詰めて、さらに未知の暗黒物質を加えたような、とにかく不快なニオイだった。」 という表現が、最高に臭かったです。 面白い。 宇宙を…続きを読む

テレビやネット、週刊誌。 私たちのもとに随時上がってくる芸能記事の数々。 それは各所を帆走し、身を削ってでもカメラに収めてきたパパラッチたちによる戦果の賜物。 そんな芸能スクープ…続きを読む

にゃー。にゃーにゃにゃー。にゃ？ にゃにゃにゃ？ ハートフル癒しねこねこ小説の爆誕だにゃ。 騙されたと思って読んでみるにゃ。 微笑まずにはいられない癒しと感動が待っているにゃ。…続きを読む

小学生の少年二人は、夏休みの思い出に夜の廃校を探検することにした。 そこで待っていたのは思いもよらぬ不思議な出来事。 夢のある穏やかなお話かと思えば、途中から事態は急展開。 ハラ…続きを読む

宇宙船が出てくるSFのお話が好きで、第1話から惹き込まれました。 人類、3万年振りに目覚める。 太陽から発せられるソーラーフレアから逃れるために、人類は果てない宇宙の旅に出た。…続きを読む

猫獣人のルイスとティトが新たに登場し活躍する、『ツインズソウル』の続編。 剣と魔法、バトルありの王道のファンタジーに加えて、爽快な「怪盗劇」が楽しめます。 兄弟だけど、性格も資質…続きを読む

少年少女たちの成長を描く冒険ファンタジー。 魔女に奪われたカテリーナを取り戻すため、アルフレッドとリリアーナは旅に出る。 古き良き剣と魔法の世界。 強敵に敗れ、修行をして力をつけ…続きを読む

学級文庫にまつわる一人の生徒と一人の教師の物語。 誰も手に取ることのなかった学級文庫の本を借りる生徒がいた。 彼女は左から順に一冊ずつ本を借りて読んでいく。 借りる者と貸す者。…続きを読む

少し不思議で幻想的な、けれど昼と夜が混じり合う夕焼けのように、現実に溶け込んだファンタジー。 情緒的な発想と、きめ細かな描写が、ふんわりと作品世界へいざなってくれる。 彼はどこ…続きを読む

知識、経験、客観的データや考えたことなどから導き出された、主に書籍化を目指す人向けの創作論。とくに書籍化を意識していなくても、知っておいて損はないお話が満載です。 カクヨムという…続きを読む

失恋や嫉妬など、男女の関係を闇深く歌った短歌。 だと思いますが、基本的にはなんでもありのぎっしり詰まった言葉のギフト。 途中から新作が上がってくるペースに読むペースが追いつかなく…続きを読む

この作品では様々な形での、「家族の愛」が描かれています。 家族だからこそ、なかなか正面切って伝えられないこともあったりします。とくに不器用な性格の持ち主は。 それでもきっと、いつだ…続きを読む

すごく楽しい。 毎話ちゃんとオチがある週刊少年漫画を読んでいるような気分になります。 主人公黒乃とメル子の間に尊厳があるので、ほどよく品のあるイチャつきぶり。お互いがお互いを好き…続きを読む

1万文字以内の短編でここまで涙腺破壊させられるとは思いませんでした。 そして読了後、タグにある「ミスリード」の文字を憎らしげに睨みつけました。やられた、という感じです。やってくれ…続きを読む

時々、「これ書いた人はどういう頭しているんだろう？」という作品に出会うことがあります。この作品がまさにそれです。最後まで読んでも一体何の話だったのかよく理解できなかった。だけどなぜ…続きを読む

大切な人にこそ伝えたい想いがある。 けれど本当に伝えたい想いこそ伝えづらい。 そういった依頼人の気持ちを汲み取り手紙を代筆する貴之と、言いがかりのようなクレームで仕事場に乗り込ん…続きを読む

甘くて美味しいお菓子、疲れた時も落ち込んだ時も温かく迎えてくれる人たち。そんな「まれぼし菓子店」へ通うわたしの癒しのひとときがふんわり綴られている物語です。 1話ごとに美味しい。…続きを読む

未知との遭遇からそれは始まった。 「ムーのドナーにならないか？」 「良いよ！　あたし、君のドナーになってあげる！」 かくして物語は幕を上げる。ザ・ドリームランド！ と、景気の良さ…続きを読む

素晴らしい。 本当に美味しいものを食べた時に「美味しい」としか言えないのと同じように、ただただ「素晴らしい」作品。 海賊ものではあるけれど、派手な戦闘シーンなどはほとんどありませ…続きを読む

部屋の中に埃が溜まってきたから、箒で掃き始めた。 しかし集めた埃を運ぶためのチリトリがない。 他にほとんど情報が無く、その事実があるだけ。 それなのに、こんなにも興味を惹かれてし…続きを読む

マルロは外の世界を知らない男の子だ。 そんなマルロが初めて外の世界へ繰り出した時、待っていたのは、死霊たちが蠢く幽霊船だった。 異形の者たちに対する偏見を持たず、飽くなき好奇心を…続きを読む

初めは情報が少なく、一体どんな物語なんだろうと探るように読み始めました。 穏やかで、ふわふわした、どこか浮世離れしている、ふわふわした、おとぎ話のような世界観。 物語が進むにつ…続きを読む

とてもクウォリティの高い、ヒューマンドラマならぬ「あやかし」ドラマ。 仕事で挫折した主人公の佐和子があやかしたちが働く編集部に迷い込む（？）ところから始まり、少しずつ仲間（あやか…続きを読む

全体の構成が素晴らしい、殺し屋を題材にした短編小説。 これはこうだろうなというわかりやすい伏線と、意表を突くミスリードが相まって、非常に満足度の高い作品になっています。 「殺し…続きを読む

史実をもとにして描かれた、ギリシャの時代小説。 前時代の重厚感はそのままに、人物たちは情感たっぷりに描かれていき、史実を一切知らなくても楽しめます。そしてとても読みやすい。 初…続きを読む

この作品でなぜか一番印象に残っているのが、番外編2で速く走れるように練習をしていた時のアイシャの姿です。 手を抜いて走っている周りの子供たちに混ざり、懸命にその鈍足を披露しているア…続きを読む

さあさあ寄ってらっしゃい見てらっしゃい！ クセモノたちが集まる面白エッセイの始まりだよ！ 1話ごとに少ない文字数でボンとオチがつけられている至極の一品。それがなんと24話も楽しめ…続きを読む

ボーイミーツガール、いや、ガールミーツボーイから始まる物語。 色彩のない世界で生きる少女は、感情を持たない少年と出会う。 そして旅へ。 「色」と「感情」、そして失われた「記憶」を…続きを読む

幻想的で不思議な雰囲気をまとった物語。 深く理解できなくとも、つい惹かれて読み進めてしまう。 なぜかはわからないけど、涙が出そうになった。 耳をそばだてれば、きっとその音が聴こ…続きを読む

名古屋駅から名鉄あるいはＪＲで二駅。もしくは―― から始まる前口上が、たまらなく好きです。毎朝口にする温かいコーヒーを飲む時のような、ほっとする感じ。 物や歴史に関する造詣の深…続きを読む

水族館のペンギンエリアで出会う少年少女。 ペンギンに対する愛と情熱はお互いに引けを取らず、いつしかその気持ちはお互いに向かっていって……。 二人を結びつけるのはペンギンの青空。 …続きを読む

相反する作品タイトルとキャッチコピー。 「Web小説家には何もできなくて、Web小説家には何でもできる」 病院で相部屋となった少年とWeb小説家。 Web小説家は少年に語る。W…続きを読む