色のない虹は透明な空を彩る〜空から降ってきた少年は、まだ『好き』を知らない〜

作者 矢口衣扉

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138人が評価しました

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★★★ Excellent!!!


絵を描く私にとって『パステル』と聞けば、絵画ツール。
すっと引いて指でぼかせば、温かみのある柔らかな色を塗ることができる。

物語全体が、まるでパステルで描いたようにふんわりとカラフル。

なのにヒロインの『パステル』が見る世界は灰色で、色彩が無い。
美しい七色の髪にコンプレックスを持つ彼女は、お屋敷の中に引きこもっているのです。

そんな彼女の元に美貌の少年が突如舞い降りる。
そして彼には『感情』が無い。

パステルが視界から『色』を失ってしまった理由、彼—セオが『感情』を失ってしまった理由。
そこにはどうやら何か深い関わりがあるようで…。

謎めいた美しい少年、セオの正体は…?
パステルが色を失ってしまった理由とは…?

美しい世界を旅し、愛らしくコミカルな世界の住人たちと関わりながら、パステルとセオは過去と向き合っていく。
そんななか、ふたりは『色』と『感情』を少しずつ取り戻していくのです。

冒険エピソードの面白さもさることながら、パステルが見る灰色の世界が、読み手の心とともに彩られていきます。

パステルと感情を持たないセオの心が少しずつ寄り添っていく様子も必見!
淡く切ない恋心もまた、彩りを取り戻していきます。

柔らかで美しい物語の中にぜひ飛び込んでいただきたい、おすすめの作品です!

★★★ Excellent!!!

本作は魔法が存在する異世界を舞台として、人との関わりを拒む貴族令嬢が空から降ってきた不思議な少年と出会うことから始まる物語です。

色彩に富んだ髪と名に反して灰色の世界に囚われていた彼女でしたが、自身よりも希薄な感情を持つ少年と出会ったことで、少しずつその心情に変化が現れてきます。
果たして、二人の出会いが何をもたらすのか、もどかしいながらも優しい気持ちにさせてくれる作品です。

★★★ Excellent!!!

レビュー時点の最新話(第65話)まで読んで、レビューを書いています。

主人公のパステルは子爵令嬢。彼女は色を見分けることができません。そんな彼女の前に、不思議な少年セオが空から舞い降りて……

お屋敷で息をひそめるように暮らしていたパステルは、セオとの出会いでお屋敷の外の世界を知り、見聞を広めて成長していきます。
彼女を外に連れ出す役割を果たすセオ自身も感情の起伏の少ない少年でしたが、パステルと過ごすうちにどんどんと感情を取り戻していきます。
そんな、お互いの成長を促す存在になっていく二人が、自然と愛をはぐくんでいく様子にホッコリとした気持ちにさせられました。

少年少女の成長と優しい雰囲気が魅力の心温まるファンタジー作品です☆

★★★ Excellent!!!

色が見えない少女と感情がない少年が、協力し合ってお互いの無いものを取り戻す物語。
児童文学風の通り、読みやすい上で感情が揺り動かされるお話です。
言葉選びが秀逸で、美しい文章で綴られています。
苦難が待ち受けてることを知りながら、手を取り合って進んでいくのが素敵です。
ぜひご一読いただきたいファンタジー小説です。

★★★ Excellent!!!

子どもの頃に思い描いた、不思議な魔法や生き物たちの世界――その中で、大人も楽しめるしっかりとした、でもとても優しいヒューマンドラマが展開されていきます。

ポケットから出てくる魔法の家や、ひとりでに洗い物を済ませてくれる可愛いアワダマたち。不思議な世界に序盤でぐっと引き付けられた先には、主人公とヒーローの秘密に迫る冒険の幕開けです。

貴方もぜひ、この美しくも心温まる虹の世界に触れてみませんか?

★★★ Excellent!!!

児童文学風とタグが付けられている通り、図書館で心惹かれる一冊を手に取り、文字を追っていくごとにその世界に惹き込まれていく。そんな童心を思い出すような、温かく優しく、ときめく物語です。

物語の中心となるパステルとテオの交流がとにかくピュア。二人とも純粋過ぎて不器用なところもあってもどかしく思ったりもするのですが、それがとても可愛い。大人の薄汚れた語彙では表現できない眩しさを浴びられます。
二人の周囲の人々(精霊、妖精)もまた良い子!良い人!特に妖精さんはかなり愛らしい!

失われた色と記憶と感情、二人が取り戻していくにつれて明かされていく秘密は、なにやら不穏そうな気配。
でもきっと大丈夫、二人が一緒なら。そんな気持ちで見守っていきたい作品です!

可愛さに癒されたい、幻想的な御伽噺にどきどきわくわくしたい、純愛にきゅんきゅんしたい、優しいものに触れて温かい気持ちになりたい。全部揃っています。

★★★ Excellent!!!

主人公二人が、もはや幼くすらあるピュアな存在で、すごく癒されます。
色が分からないという少女は、世界が白黒だというけれど、彼女自身は真っ白なキャンバスのよう。
そこに少しずつ乗せられていく優しい色使いが目に浮かぶようです。
感情がない、という少年もまた、段々に木々や花が色付く様子にも似て表情を取り戻していきます。
その過程が、穏やかに優しく描かれていく御話です。

★★★ Excellent!!!

ぐああああっ!薄汚れた魂が浄化される!!!
読みながら断末魔を上げずにいられない、圧倒的透明感…!!!

主役二人がねえ、まずピュア度100%なんですよ!!
口数が多いわけではないけれど、互いのことをものすごく大事に思っていて、ゆっくりゆっくり距離を縮めていき信頼を深めていく様子が、なんかもう清らかすぎて眩しすぎます。

二人とも、人を疑ったり悪く思ったりすることを知らない光の化身なので、そんな彼らが旅をするとなって「えっ大丈夫!?」と心配しましたが、作中人物も同じ懸念を抱いたのか、オーバースペック級の保護者がついてくれて安心しました!

そして旅路の途中で出会う人々も、癖があっても悪人でない魅力的な人たちばかりで、この世界は端から端まで夢と魔法に満ち溢れてキラキラと輝いているんだなと、なぜか目頭が熱くなりました。

そう、眩しいんです。

丁寧なのに軽やかで読みやすい文体、ワクワクとさせてくれるファンタジーの描写、自分の運命に抗いながらも生き生きと成長していく主役たち。

読んでいると、子どもの時にあこがれた夢と魔法の世界って、まさしくこんな物語だったなと思い出すことができます。

浄化率100%。
これはもはや、読むデトックス。

心がささくれてきた人にこそぜひ触れてほしい、どこまでも優しく温かい、まっすぐな物語です。

★★★ Excellent!!!

虹色の髪を持つ子爵令嬢、パステル・ロイドは、色を見分けることができない。

モノクロの閉ざされた世界に、ある日、空からセオと名乗る感情を持たない少年が降ってきた。

ふたりは自分たちに欠けている、失われた『色』と記憶、感情を取り戻すために、精霊たちを探す旅に出る――――。

水彩画の絵本のような、美しい景色が浮かぶ作品。不器用だけど、淡い恋模様も可愛らしいです。

読み始めたら止まらない、そんな物語が待ってます!

ふたりの物語を、最後まで見守りたいと思います。

ファンタジーが好きな方はぜひ読んでみて下さい♪


★★★ Excellent!!!

色の見えない少女パステルと、感情のわからない不思議な少年セオ。そんな二人の出会いから展開していく壮大な物語……。

心踊るようなファンタジー要素があちこちに散りばめられ、二人といっしょに冒険しているような気持ちになります。
一度読み始めると目が離せなくなる、素敵で優しいファンタジーです。

★★★ Excellent!!!

ロイド子爵のご令嬢、パステルは、虹色の髪を持つ少女。しかし彼女の世界はモノクロで、色を認識出来なかった。
そんなある日、セオという少年が屋敷の庭に降ってくる。そのセオの色彩をパステルは初めて認識できたのだが、セオは感情というものが分からない少年だった……。

とにかく文章が美しい。まるで詩を読んでいるかのようだ。
パステルの心情、色彩のない世界、セオの不思議さが美しく繊細に描かれており、読んだあとは心が洗われるようだ。
是非ご一読を。

★★★ Excellent!!!

色の見えない主人公と、感情のわからない少年の優しい冒険物語です。
それぞれ欠けた部分のある二人が、交流を深める中で欠けを補いつつ、お互いを大切に思っていく過程が愛おしいです。

ファンタジー世界の描写も詳細で素晴らしく、可愛らしい動物や美しい景色も出てきます。アワダマ、挿絵付きで見たい!

児童文学のようにワクワクや優しさで溢れていて、子供から大人まで誰にでもおすすめできる作品です。続きがとても楽しみです!

★★★ Excellent!!!

タイトルからセンスの良さが際立つ作品です。
『色のない虹』『透明な空』
そんな二人が出会い、紡がれる素敵な物語。

現実的な世界観と幻想的な世界観を上手く書かれていて、時折、児童書を読んでいるかのような錯覚を抱きます。
時折見せる淡い恋模様も、とても可愛らしいです。

失ったものを取り戻した先に待ち受けているものとは。
そんなパステルの冒険を一緒に見届けませんか?

★★★ Excellent!!!


モノクロの世界に生きる少女と感情を失った少年が出逢うことで始まる物語。

主人公のパステルはセオに惹かれていきます。ですが、セオは感情が分かりません。
パステルもセオも不器用で一生懸命です。
お互いに向き合い、お互いに成長をします。
やがて、失ったものを取り戻すために冒険に旅立ちます。

異世界ファンタジーですが、淡い恋愛物語を読んでいるようで、これからの二人がどうなるのか気になって仕方ないです。

章が進むと、色んな伏線が出てきます。
その伏線が物語を読み進めるためのアクセルとなって、読む手が止まりません。

二人には幸せな未来が訪れること、二人が成長して笑顔でいれることを楽しみにしたいです。

とてもオススメです!
是非お読みください!!

★★★ Excellent!!!

 「とある少女」が「とある少年」に出会うことで始まる恋物語。純真無垢な、その少年には「とある大切」なものが失われていました。そして、その少女も「とある」大切なものを失っていました。

 その「少女」と「少年」は、その「大切」なものを取り戻すために旅にでます。そして、その「旅」を続けるにつれ、お互いの「心」に「お互いの色」を書き入れていくような、そんな「共に成長する」感じの「恋物語」です。

 失われていたものを取り返すかのように、徐々にお互いが変わっていく様は、透明なキャンバスに「色々な彩り」を加えていくような、そんな華やかな気持ちになれる小説です。

 是非、皆様もよんでください。自分が失っていたもの。なんとなく思い出せますよ!

★★★ Excellent!!!

パステルとセオの不器用でぎこちない会話が、回を追うごとに滑らかになりつつあるところや、セオが少しずつ感情を取り戻してゆく様や、コロコロした精霊さんたちが!!可愛いんですよ!!

また、パステルが色を取り戻してゆくシーンは、色を得た喜びが鮮やかに伝わって来ます。

このまま可愛いパステルとセオでいて欲しくもありますが、きっとこの先、色々な冒険や経験、取り戻した色や感情によって成長してゆくのだなぁ……!

★★★ Excellent!!!

ボーイミーツガール、いや、ガールミーツボーイから始まる物語。

色彩のない世界で生きる少女は、感情を持たない少年と出会う。
そして旅へ。
「色」と「感情」、そして失われた「記憶」を取り戻すために。

確固としたログラインがあり、ストーリーが迷子にならず安心して主人公たちの物語を追っていける。

中心の二人だけならず、二人を取り囲むキャラクターも性格がわかりやすくとても魅力的。妖精さんも可愛くて癒されるが、推しはやっぱりラス! ラス大好き!

優しいだけじゃない、生きることの難しさ、辛さ、そして何より、感情を持たないゆえパステルの純粋な気持ちがセオに伝わらない切なさに、胸が苦しくなります。けれど、この物語の行く末には、美しい結末が待っているはず。

色が戻った時、彼女はどんな世界を目にするのか。
その情景をこの目で確かめてみたい。

★★★ Excellent!!!

きっと、顔彩を所々にたらし、滲ませ、上から金をふりかけたような繊細で、美麗なる虹の姿を見つけられる。

色のない、欠けている少女。
感情のない、美しい少年。

彼らにとってのお互いが唯一であるように、きっと、この作品も唯一であることというのはパステルという少女に触れていくたびに思う。

美しくあわい水彩に触れ、言葉の節々ににじむ水のあとに気がついたら――

この清閑にある水面のような文面から、きっと、読んだあなたにしか分からない色をすくいだせるはず。

是非ともあなたの知らない色を、この小説からすくいだしてみてください。

★★★ Excellent!!!

第一章、読了時のレビューです。

主人公パステルは不幸な境遇の少女です。自らの運命を受け入れきれぬまま、心を閉ざして世間を斜に構えてみています。彼女の聡明さと若さ故の怒り、そのアンバランスさもまた『欠け』なのです。悲しいかな、彼女はそれを自覚しています。

そこに現れたのがセオでした。

彼女は初めて年相応の少女らしい反応を見せるようになります。この流れが素晴らしい。

ラスと言う少年の出現により、物語は大きく動き出す事になります。飄々とした態度の下に何かありそうなラス。

しかし、パステルは『欠けたもの』を取り戻す旅に出ます。

セオとパステルの過去に鍵がある。
そしてその鍵は、感情の『欠けている』セオが持っている気がします。

これ以上はネタバレになるので控えますが、既に「あれ?」と言う人物がチラホラ…

冒険ファンタジーでありながらも、ミステリーやサスペンス要素を含む作品です。作品構成が非常にしっかりしており、引き続き読みたい作品です。

★★★ Excellent!!!

世界名作全集を思い出すお話。
一章まで読了しました。

どこかで唯一無二と評されていたように思いますが、まさしく希少な、素敵な御作だと感じました。

独特の空気感、清涼感。主人公の名前と、くしくも同じ印象を受ける、パステルニュアンスの世界観。

今後も楽しくめくらせていただきます。
このお話が完結するまでの道のりは長いかと思われますが、心から応援しております……。

★★★ Excellent!!!

『言葉だけでこんな鮮やかな世界を描き出すことができるんだ』

私がこの作品を拝読して、初めて感じたことです。
自分の作品とのレベルの違いに心底凹むことは多々あるのですが、そういう次元でなく、比較するのもおこがましいと感じた作品がいくつかあります。
この作品がそのひとつです。

どんなに素晴らしい感動的な物語であっても、それを広げることができる世界・設定が構築されていなければ、その良さは読者には伝わりません。
そして、どんなにご立派な世界・設定を構築しても、それを描き出せる力がなければ、やはりその良さは読者には伝わりません。

作者の矢口先生は、類稀なる文才により、その物語・世界観を見事なまでに描き切ります。そしてその表現力は、登場人物たちと一緒に空を飛ぶ感覚を得ることができる程です。
それは大げさではなく、多くの絶讃レビューや星の数が私の言葉の証左と言えます。

テンプレ設定の異世界ファンタジーものも良いでしょう。
しかし、自身の頭の中で描き出した独自の世界こそが『ファンタジー』だと思うのです。
そして、それを言葉の力で描き出せるのが『作家』さんなのだと思います。
(テンプレ設定の異世界ファンタジーものを否定するわけではございません!)

まずは、序章・第一章をお読みいただき、その世界を体感してください。
ファンタジーがお好きな方であれば、きっとご満足いただけることでしょう。

★★★ Excellent!!!

柔らかい文体で、ふわっとほわっとするような、優しい物語が紡がれています。
次々と出てくる精霊やマスコットの存在が、メルヘンチックな世界へ誘ってくれます。
メインの二人は年齢的にまだ子どもなので、素直に人と接していけるのもほっこりポイントです。
じんわり進んでいく関係が微笑ましく、今後に期待しています。
児童文学が好きな方におすすめです。

★★★ Excellent!!!

このレビューを書いている時点で1話しか読んでません。
しかし、レビューを書きたい気持ちが抑えられませんでした。
私の目指すところの表現がここにありました。
難しい言葉を使うことなく感性豊かに季節を表現する。
私の書く文章はまだ拙いけど、もし成長するとしたら、矢口先生のようになりたいなとすら思いました。
それくらい私好みの美しい文章でした。
このまま2話以降も読んでいきたいと思います。

★★★ Excellent!!!

子供の頃に読んだお気に入りの絵本や童話の世界のような、色鮮やかなハイファンタジーです。

主人公は少女。一緒に旅をするのはどこか変わった男の子。
二人とも変わった問題を抱えていますが、それでいて何故か自分と重ねてしまい、応援したくなります。

二人はちょっとずつ惹かれあい、自分の中の欠けたものを共に探しにいきます。
ちょっとずつ惹かれあうのいいですよね。もどかしいですけどでもいいですよね。


お話毎に二人の謎が明かされ、同時にまた深まっていきます。この世界に、そして主人公の少女に、一体何があったんでしょうか。

二人の冒険を彩るサブキャラクター達も魅力的。

小さい頃にお気に入りの童話、絵本、おとぎ話を何度も読み返し、その挿絵が目に焼き付いている。そんな方にお勧めの物語です。

★★★ Excellent!!!

読んでいると目の前に浮かぶ不思議な情景に、楽し気に駆け巡る様々な妖精達。
この物語は、作者様の美しい情景を描き出す筆致が幻想的な世界をあなたに見せてくれる作品です。

貴族令嬢のパステルは、自身の視界から色を失っていた。
その特徴的な虹色の髪は美しくも奇抜で、人から後ろ指をさされ続けた彼女は自信を喪失し世界を閉ざす。
そこに、空から降ってきたように突然現れた、美しい少年セオ。
その不思議な少年の周囲では、とっても不思議なことが起こる。
洗濯ものも、泊まるところだって、不思議な力でちょちょいのちょい。
やがて可笑しくも可愛らしい妖精達が登場し、最初は暗い世界に閉ざされていたパステルにも明かりがさしてくる。
そんなパステルの隣にいることで、失われた感情に変化の兆しが見られるセオ。
こうして二人は互いに惹かれ合い、不器用に繋がりをもとめる。
そうして、過去と失われたものを求め、二人の旅は始まるのです。

宝石箱のように綺麗が詰まった物語、手に取って見てはいかがでしょうか?

★★★ Excellent!!!

「色」をテーマにしている作品だけあって、色彩の描写が美しく、読むだけでキラキラと脳裏に浮かび上がるようです。それだけではなく、登場人物が皆、魅力的です。個人的には精霊さんたちが可愛くて、ニマニマしちゃいます。
二人の恋も少しずつ進んでいくのがもどかしくもあり、応援したくなります。切なくも素敵な物語です。ボーイミーツガールがお好きな方はぜひ読むべき物語です!!

★★★ Excellent!!!

まるで、児童文学を発掘したような珠玉のファンタジーワールドがつまっていました。

虹色の髪を持つ子爵令嬢、パステル・ロイドは、色を見分けることができまない。そんなパステルの元に、ある日、突然空からセオと名乗る少年が降ってきた。セオは、感情を持たず、何処から来たかも分からない不思議な少年で――。

そんな、パステルとセオの色彩とココロのを巡る物語。
個人的にはボーイミーツガールというだけで、テンションが滾ります(^^ゞ

色を視えない少女。正確には、色を記憶とともに、落としてしまったパステルと。
ココロ――感情の意味が理解できない、セオとの微笑ましい邂逅。

読み進めながら、純粋な感情を思い出してしまいました。
考えてみたら、なんですけどね
最初からみんな、何もできないし。何も分からない。感情を破裂させたり、触れたり、ぶつかっては、抱きしめたり。そんなことの繰り返しで、みんな大きくなるんですよね。

同じように、分かったふりでいる大人も一緒なのかもしれません。本当に大事なことを忘れて、色が視えなくなっていないだろうか。

この物語のパステルとセオは、打算なんか感じさせないくらい純粋です。
相手を思う気持ち。自分が何ができるか。その今できる全力でぶつかっていく。

もしかしたら傷つくかもしれない。失っちゃうかもしれない。それでも、恐れずに。そんな二人の姿に、胸を打たれるのは、読者だけじゃないはず。


色が視えないのはパステルなのか。
僕らなのか。
登場人物達なのか。

それぞれの色が攪拌されて、混色されて、キャンバスに思うがままに塗られていく、物語はこんなにも暖かい。
色彩豊かな感情はそれだけで魔法なんだって、思わせてくれます。


現在、このレビュー執筆時点で、第2章終了間近。色を求める旅はまだまだ続きます。

この美しい世界に触れてみませんか?
読者の数だけ、きっとこの… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

【面白かった点】
不器用な二人がちょっとずつ距離を縮めて、心の色と、失われた感情を取り戻していく繊細な描写。

【良かった点】
パステルとセオは過去(もしくは未来)に会っている可能性があって、セオはループしている可能性、もしくはSF的なガジェットが用意されていそうなところ。

【期待している点】
どの時点でセオは感情を取り戻すのか。何よりパステルも――彼女視点で映る世界も、いつ鮮やかに咲くのか。

★★★ Excellent!!!

色が分からない少女の前に落ちてきた、感情が分からない少年。

白黒の世界と透明な世界が合わさっても、何も変わらないはずなのに。
二人の世界が触れ合った時、鮮やかな色が見える気がしました。
柔らかな美しい世界です。

今後の展開が楽しみです。

あと……
二人共、実は随分周囲の人に恵まれているんじゃあ、と秘かに思いました。

応援します🎵

★★★ Excellent!!!

「色」を見ることができない主人公。
「感情」を見せない不思議な少年。
出会ったときから、主人公の心の中は、少しずつ、彩りを帯びていく。そして少年にも…?
序章読了。ふたりの関係に変化がおとずれる。
透明感あふれる作者の文章が、主人公の心をどのような色に染め上げていくのか。どのような感情の色が広げられていくのか。本格的な幕は今、上がった。