大丈夫、全部うまくいく。
心配はいらない。愛することさえやめなければ。
そんなメッセージを受け取りました。
これは光の物語です。
私はこの作品をいつも朝に読んでいましたが、いつだって希望を胸に歩む登場人物たちは、まさに朝の光のようでした。
幸せは連鎖する。
本編に出てくる言葉です。
怒りや悲しみが連鎖しやすいことは誰しもが感じることだと思いますが、作者さまは幸せに焦点を当て、作品を通してそれを読者に伝え続けます。
そもそもタイトルの「虹」は光と幸運の象徴です。
何もうまくいかない、つらい、苦しい。
今そう思っている方は、ぜひこの物語に触れてください。
幸せは連鎖する。
幸せのおすそ分けは、あなたの心をふんわり温めてくれることでしょう。
小説というのはタイトルにもある通り、基本モノクロの世界です。
この物語の主人公パステルもまさにそう。彼女が見る景色には『色』がありません。
そして、彼女の前に現れた不思議な少年セオもまた、『感情』という『色』を失っています。
記憶さえも欠けている中、それでも何故か……惹かれるものがある。
共に行動する中で二人は、徐々に自分の欠けたものを取り戻していきます。
すると、どうでしょう? 二人の関係に彩が生まれるじゃありませんか!
しかも彼らだけじゃありません。読んでいる我々の心にも、いつの間にか暖かな『色』が添えられているのです。
少しもどかしく、それでいて応援したくなる二人の物語……
あなたも手に取ってみてはいかがでしょうか?
最後まで読ませて頂きました。
完結おめでとうございます!(о´∀`о)
自分の感覚になってしまうのですが、この作品を読んで「まるで梅雨のようだ」と感じました。
長い間暗い気持ちになるのもそうですが、梅雨の晴れ間のように嬉しい体験(色や感情が戻っていく)があり、そして再び雨に戻る(キャラクターたちの関係の変化や魔法を使うことで色が無くなる)ことで、嬉しさから一転する。
そして梅雨明けがあるように、最後には気持ちよく終わりを迎える。
そんな感覚でした( ´∀`)
さらに色が戻るシーンでは、どんよりとした雲が少しずつ隙間を作り、そこから一色ずつ虹が漏れ出ていくようにも感じました。
色がなくなるシーンは、再びどんよりとした雲に覆われていく感覚。
実際の虹が儚いように、どちらのシーンからも儚さを感じました(*_*)
個人的な感覚を長々と失礼しました!
他にも様々な要素がありますが、これ以上書くと長過ぎるのでここまでにします(笑)
ありがとうございました!
色がない世界、灰色の世界。
そんな色を識別できない主人公のパステルちゃん。
そんな彼女は優しくもいい子なのですが、やはり社交的にはなれなくて……人との関りが怖くて。
人との距離を置く生活を送る貴族令嬢―――。
そんな彼女の元に、ひとりの少年が降ってくるところからお話は始まります。
彼もまた感情がわからない不思議な子。
そう、彼女は『色』を彼は『感情』を失った者同士。
そんなふたりの関係に、彼女は彼に惹かれてはじめ、心を開きはじめたとき……彼は彼女の前から去ってしまいます。
それからしばらくして再開するふたり。
その再開から始まる、パステルちゃんの『色』、少年セオ君の『感情』を取り戻す物語。
✿
色がない世界から、ひとつづつ『色』を取り戻す彼女のストーリーと、その『色』を取り戻した時の世界が広がる描写が本当に美しく、時には悲しくもうっとりとする『色』使いを是非味わって頂きたいです。
ひとつの『色』の持つちから――。
それぞれの『色』の持つ意味――。
そして、セオ君の『感情』と、その好きなのにすれ違う淡い恋の行方。
”もうすぐ” 最終回のこの素晴らしいお話。(7月25日最終回予定だそうです)
『七色メロディー』の行く末をご一緒に見届けませんか?
感情を喪った少年は鮮やかな世界を知り、色を喪った少女は豊かな心の動きを知る…
読み進めて道半ば、予期せぬ逆転の構図を目の当たりにします。ボーイ・ミーツ・ガールの序章とは裏腹に、凡百のそれとは著しく異なる少年と少女の冒険譚。安らかな語り口の陰に才気が迸る意欲作です。
その一方、韜晦も罠もなく、物語は何処迄も真っ直ぐで、主人公は何処迄も純粋です。彼と彼女に関わり、脇を固める登場人物も一途で、敵として現れた者も亦、単なる憎しみの塊には見えません。
救いがあり、優しさがあります。物語を貫くベースで、愛くるしい獅子丸に萌え、スイーツに舌嘗めずりします。穏やかで慈悲に溢れた世界です。
では、それを形作るものは何か? 作者のページターナーぶりが発揮されて読み進めるうち、第四十八話で、衝撃を受け、立ち止まりました。
「人間たちは皆、幸せを作る力と、未来を切り拓く力を持ってる。(略)その力の真価は、他者をも幸せにし、希望を与える力だ」(セオの言葉)
感銘を受ける至言、金言です。これは優しさだけに留まらない、力強い希望の言葉、福音です。この前後の会話も、パステルの思案も奥が深く、実に印象的。本作に通底する作者の信念と世界観が、そこに挟み込まれているようにも読み解けます。
これから読み進める多く方は勿論、最新話まで精読された方も、是非、第四十八話に注目して下さい。絶品です、宝物のようです。
(失礼しました。少し興奮してしまいました)
冗長が過ぎるので、本題の「モノクローム」に関する考察は、大幅に端折ります。それは端的に言えば「果たしてモノクロームの世界は寂しく、味気なく、詰まらないものなのか?」という疑問、私個人に突き付けられた新たな命題です。
絵を描く私にとって『パステル』と聞けば、絵画ツール。
すっと引いて指でぼかせば、温かみのある柔らかな色を塗ることができる。
物語全体が、まるでパステルで描いたようにふんわりとカラフル。
なのにヒロインの『パステル』が見る世界は灰色で、色彩が無い。
美しい七色の髪にコンプレックスを持つ彼女は、お屋敷の中に引きこもっているのです。
そんな彼女の元に美貌の少年が突如舞い降りる。
そして彼には『感情』が無い。
パステルが視界から『色』を失ってしまった理由、彼—セオが『感情』を失ってしまった理由。
そこにはどうやら何か深い関わりがあるようで…。
謎めいた美しい少年、セオの正体は…?
パステルが色を失ってしまった理由とは…?
美しい世界を旅し、愛らしくコミカルな世界の住人たちと関わりながら、パステルとセオは過去と向き合っていく。
そんななか、ふたりは『色』と『感情』を少しずつ取り戻していくのです。
冒険エピソードの面白さもさることながら、パステルが見る灰色の世界が、読み手の心とともに彩られていきます。
パステルと感情を持たないセオの心が少しずつ寄り添っていく様子も必見!
淡く切ない恋心もまた、彩りを取り戻していきます。
柔らかで美しい物語の中にぜひ飛び込んでいただきたい、おすすめの作品です!
レビュー時点の最新話(第65話)まで読んで、レビューを書いています。
主人公のパステルは子爵令嬢。彼女は色を見分けることができません。そんな彼女の前に、不思議な少年セオが空から舞い降りて……
お屋敷で息をひそめるように暮らしていたパステルは、セオとの出会いでお屋敷の外の世界を知り、見聞を広めて成長していきます。
彼女を外に連れ出す役割を果たすセオ自身も感情の起伏の少ない少年でしたが、パステルと過ごすうちにどんどんと感情を取り戻していきます。
そんな、お互いの成長を促す存在になっていく二人が、自然と愛をはぐくんでいく様子にホッコリとした気持ちにさせられました。
少年少女の成長と優しい雰囲気が魅力の心温まるファンタジー作品です☆
児童文学風とタグが付けられている通り、図書館で心惹かれる一冊を手に取り、文字を追っていくごとにその世界に惹き込まれていく。そんな童心を思い出すような、温かく優しく、ときめく物語です。
物語の中心となるパステルとテオの交流がとにかくピュア。二人とも純粋過ぎて不器用なところもあってもどかしく思ったりもするのですが、それがとても可愛い。大人の薄汚れた語彙では表現できない眩しさを浴びられます。
二人の周囲の人々(精霊、妖精)もまた良い子!良い人!特に妖精さんはかなり愛らしい!
失われた色と記憶と感情、二人が取り戻していくにつれて明かされていく秘密は、なにやら不穏そうな気配。
でもきっと大丈夫、二人が一緒なら。そんな気持ちで見守っていきたい作品です!
可愛さに癒されたい、幻想的な御伽噺にどきどきわくわくしたい、純愛にきゅんきゅんしたい、優しいものに触れて温かい気持ちになりたい。全部揃っています。
ぐああああっ!薄汚れた魂が浄化される!!!
読みながら断末魔を上げずにいられない、圧倒的透明感…!!!
主役二人がねえ、まずピュア度100%なんですよ!!
口数が多いわけではないけれど、互いのことをものすごく大事に思っていて、ゆっくりゆっくり距離を縮めていき信頼を深めていく様子が、なんかもう清らかすぎて眩しすぎます。
二人とも、人を疑ったり悪く思ったりすることを知らない光の化身なので、そんな彼らが旅をするとなって「えっ大丈夫!?」と心配しましたが、作中人物も同じ懸念を抱いたのか、オーバースペック級の保護者がついてくれて安心しました!
そして旅路の途中で出会う人々も、癖があっても悪人でない魅力的な人たちばかりで、この世界は端から端まで夢と魔法に満ち溢れてキラキラと輝いているんだなと、なぜか目頭が熱くなりました。
そう、眩しいんです。
丁寧なのに軽やかで読みやすい文体、ワクワクとさせてくれるファンタジーの描写、自分の運命に抗いながらも生き生きと成長していく主役たち。
読んでいると、子どもの時にあこがれた夢と魔法の世界って、まさしくこんな物語だったなと思い出すことができます。
浄化率100%。
これはもはや、読むデトックス。
心がささくれてきた人にこそぜひ触れてほしい、どこまでも優しく温かい、まっすぐな物語です。