灰色の世界を『パステル』が彩る美しいファンタジー。


絵を描く私にとって『パステル』と聞けば、絵画ツール。
すっと引いて指でぼかせば、温かみのある柔らかな色を塗ることができる。

物語全体が、まるでパステルで描いたようにふんわりとカラフル。

なのにヒロインの『パステル』が見る世界は灰色で、色彩が無い。
美しい七色の髪にコンプレックスを持つ彼女は、お屋敷の中に引きこもっているのです。

そんな彼女の元に美貌の少年が突如舞い降りる。
そして彼には『感情』が無い。

パステルが視界から『色』を失ってしまった理由、彼—セオが『感情』を失ってしまった理由。
そこにはどうやら何か深い関わりがあるようで…。

謎めいた美しい少年、セオの正体は…?
パステルが色を失ってしまった理由とは…?

美しい世界を旅し、愛らしくコミカルな世界の住人たちと関わりながら、パステルとセオは過去と向き合っていく。
そんななか、ふたりは『色』と『感情』を少しずつ取り戻していくのです。

冒険エピソードの面白さもさることながら、パステルが見る灰色の世界が、読み手の心とともに彩られていきます。

パステルと感情を持たないセオの心が少しずつ寄り添っていく様子も必見!
淡く切ない恋心もまた、彩りを取り戻していきます。

柔らかで美しい物語の中にぜひ飛び込んでいただきたい、おすすめの作品です!

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