概要
図々しさを、みんなでちょっとずつシェアしませんか。
フリーアドレスのオフィスの隅にある、「みんなでどうぞ」と書かれたお菓子テーブル。一個取るだけでも罪悪感に襲われるOL・田島は、食べる代わりにいつも“在庫”を観測している。
減っていく東京ばな奈、出どころ不明の謎のクッキー、そしてなぜか残り続ける「最後の一個」。遠慮と気まずさが渦巻くテーブルの前で、今日も彼女は、手を伸ばすかどうかで小さく悩む——。
職場のお菓子と気まずさをめぐる、ささやかすぎる葛藤の物語。
減っていく東京ばな奈、出どころ不明の謎のクッキー、そしてなぜか残り続ける「最後の一個」。遠慮と気まずさが渦巻くテーブルの前で、今日も彼女は、手を伸ばすかどうかで小さく悩む——。
職場のお菓子と気まずさをめぐる、ささやかすぎる葛藤の物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!同調圧力という無言の圧
かつて、自分は図々しく空気の読めない人間だった。
タダでもらえるとわかれば、率先して「わーい」と貰い、余るようなら「それ貰っていきますね」とがめつく根こそぎ刈り取っていく。
多くの場合、そういうものは子供の頃に矯正されていくものだが、私に至っては社会人になってからもしばらくはド正直に遠慮なく物をもらおうと心構えていた。
結果、それが原因でパワハラじみた叱責を受け、ようやくそこで「遠慮」を学ぶようになった。
そこからが地獄だ。
自分に枷が嵌められてしまったかのように、誰かが取ってからでないと追従できない。
最後のひとつになってしまうと、遠慮してしまってその最後を取ることができない。
本心を言…続きを読む - ★★★ Excellent!!!悩みすぎちゃうあなたへ、素敵な一言
OLの田島には日課がある。オフィスのお菓子テーブルを観察することだ。
「みんなでどうぞ」と書かれているけれど、あれこれ考えすぎて一度もお菓子を取ったことがなく、結果いつも観察しているのだ。
最初の一個、一人だけじゃ取りづらい。
最後の一個、取ったらいけないかな~と思ってしまう。
たぶん、多くの人がそう思ったことがあるのでは?
決して大きな問題ではないけれど、悩んでしまう。そんな田島にかけられたとある「言葉」が田島を、そして他の人たちのことも、ちょっとだけ変えていく。
考えすぎてしまうあなたも、遠慮なんてしないあなたも、とにかくお菓子大好きなあなたも。
ちょっと心が軽くなるお話、ぜひお楽…続きを読む