概要
この広すぎる世界は、まるごと私のものなのだ。
《この作品は自主企画「第1回山羊座賞」への参加作品です。テーマは「ひとり」です。》
リュックサックひとつで家を出た高校生の「私」は、名前も知らない海の町へ辿り着く。色あせた民宿、よそよそしい親切、見知らぬカップルの記念写真。船に乗って向かった入り江は、ガラスを溶かしたように透き通っていた。世界は私の気分と無関係に、今日も容赦なく美しい――その事実に、胸の底の錨が少しずつほどけていく。返らない声と、しずかな光。彼女はそのあいだで「生きる理由」を拾い上げる。悩める少女の再生を描く、ひとりの夏の物語。
リュックサックひとつで家を出た高校生の「私」は、名前も知らない海の町へ辿り着く。色あせた民宿、よそよそしい親切、見知らぬカップルの記念写真。船に乗って向かった入り江は、ガラスを溶かしたように透き通っていた。世界は私の気分と無関係に、今日も容赦なく美しい――その事実に、胸の底の錨が少しずつほどけていく。返らない声と、しずかな光。彼女はそのあいだで「生きる理由」を拾い上げる。悩める少女の再生を描く、ひとりの夏の物語。