まず特筆すべきはこの「ギリシャ物語」シリーズに出てくるキャラクターの面々です。それぞれに個性がきっちりとあり、各々が魅力的に輝いています。
美しくありながらも強さを併せ持つ主人公ティリオン。
その美しさと優しさゆえに知らずと人を惹きつけてやみません。それにより様々な悲喜劇が起こりますがそれは読んでからのお楽しみ。
タイトルだけを見ると堅苦しそうな印象を受けますが本編は分かりやすく且つ大変読みやすくなっております。
その入りやすさが嘘のように内容はとても濃く、丹念に調べられたギリシャの歴史と色鮮やかな人間模様が巧みに編み込まれ気が付くと次々と読み進めてしまっています。
シリアスとユーモアの配分も絶妙で作者様のエッセイで見受けられる笑いがたまに散見されて思わず笑ってしまうことも。
今回のお話は「ギリシャ物語」の続編です。「ギリシャ物語 外伝~旅のはじまり~」とご一緒に是非堪能してください。
本物さながらの紀元前ギリシャの世界観を堪能することができる本作。主人公ティリオンは王女アフロディアを連れ出し、異国の地に逃れながらも愛を育む王道ストーリー。
二人を匿うレジナとソリム。二人の関係を機微な個人情報として知ってしまう複雑な人間関係。そして隠れ家へ忍び寄る、追手の数々。いつ終わるとも知れない愛の逃亡生活に高揚感が駆り立てられ、周囲の情勢が刻々と変化し、それに翻弄される受動的かつ感性豊かな筆致、その幽玄の境地はまるで芸術的です。
キャスト紹介が末尾に適度に施された、作者様の温かい細やかな配慮。内容を適宜確認しながら先へ進めるため、ページを戻る手間が省け、効率的な読書を可能とする点も加筆したい。歴史小説を読んだことのない方でも、一歩その世界へ足を踏み入れれば、軽妙に進む情熱的な話の展開に、たちまち魅了されることでしょう。
今回も、ドキドキワクワクを沢山もらえて、期待を裏切らない素晴らしい作品でした!
思わず笑っちゃうところなんかは前作よりも確実に増えていると感じ、面白さは確実に増しています。
とにかく面白くて、文章もよみやすいのでどんどん読み進められる物語なのです。
歴史的な解説もあって、楽しみながら歴史の勉強にもなるというお得感も凄いですよ。
今回のお話は、前作のラスト『レウクトラの戦い』でスパルタが敗北した直後から始まっていて、ティリオンがスパルタ王女アフロディアを連れて逃げるという部分が描かれています。
スパルタ王女アフロディアは当然戦勝都市から狙われますし、前作のギリシャ物語より更に壮大な物語になっていると感じました!
作者さんの思い入れを感じられるこの作品、是非是非一度読んでみて欲しいです!
この作品は前編なので、私はこの続きの公開が待ち遠しいです!
「事実は小説よりも奇なり」を地で行く、古代ギリシャの物語。
前作で描かれた「レウクトラの戦い」のその後の出来事が、ティリオンと王女アフロディアの二人を中心にして紡がれる。
情緒豊かに描かれる人物たちは、現代を生きる人たちなのではないかと錯覚を起こすほど。
それはひとえに作者さんの努力の賜物。
知識は柔らかく噛み砕かれ、事実は人物の言葉で語られ、すんなりと物語の世界へ入っていける。
この【前編】では、多くの成り行きが宙ぶらりんとなり、【後編】への期待と架け橋になりましたが、短い最終話では一つの収束を見せました。
それは国、時代によらず、普遍的なもの。
「愛」が語られました。
振り返れば、この物語の人物たちはみな己が信じる「愛」によって行動しています。
形の違う、それぞれの愛の物語。
ぜひご堪能ください。
昨年のカクヨムコン9にて彗星の如く現れた【ギリシャ物語】。
ふとタイトルを見て興味を惹かれて読み始めたはいいものの……、終わる頃にはギリシャ物語の世界にどっぷりと浸かっていました。
主人公は美貌の青年ティリオン。アテナイ人の彼は、とある事情を抱えて敵国スパルタへと逃亡するのですが、そこで出会った姫君アフロディアとの関係に目が離せなくなります。
そう、このアフロディア姫。とっても強烈な人物なのです!!(褒めています)
訳アリのティリオンの心にグイグイとノックもせずに入っていく強引さ。いや、むしろそこがいいのです。アフロディア姫は愛の人です。なんのことかわからない方は、まずはギリシャ物語を読みましょう!
ティリオンを取り巻く人物はアフロディア姫だけではありません。
主人公ティリオンを追うのは氷の剣士と呼ばれる美しき剣士フレイウス。
彼を知るには外伝も読むことをオススメいたします。
そして、今作【ギリシャ物語Ⅱ】はギリシャ物語シリーズの三作品目にあたります。
ここでちょっと興味を惹かれた方は、コメント欄を覗いてみてください。ネタバレもあるやもしれませんが、それよりもまず印象に残るのはコメント欄の熱さです!
わたしもずっとギリシャ物語を追い掛けていました。
その続きがまた読めるぞ!!しかも毎日更新やっほい!!
そんなわけで、コメント欄の熱気が伝わったでしょうか?
そうなのです。どの方も、毎日の更新を楽しみにして登場人物やストーリーにワクワクドキドキして、連載の三ヶ月間を過ごしてきました。
ここだけの話。わたしは朝九時に更新される話を出先にてスマホで読み、夜に落ち着いてからタブレットで読み返すという楽しみ方をしていました。そう、二回読んでも面白い!同じ方がもしかしたらいるかもしれませんね……??
さて、前置きが非常に長くなりました。
もうお分かりですね??ここまで読んでめちゃくちゃ気になる!!と思った方は、ソッコーでブックマークをすべし!初見の方は、まず【ギリシャ物語】を読みましょう!!!
それから忘れてはなりません。今作はギリシャ物語IIの前編なのです。
前編ということは後編もあるということ!!公開まで待ち通しい&終わったばかりでロス!という方も安心してください。それならもう一度、ギリシャ物語を読み返せばいいのです!!
歴史ものを読んでワクワクした日はいつ以来だろうか?
まるで木綿が水を吸い込むかのようにスラスラと入ってくる物語は、私の知る限りではそうだな……幼き日に読んだハードカバーの海外児童文学集、そしてこのギリシャ物語シリーズだろう。
ちょっと背伸びをしたい、それでいて純粋に物語を追うことを楽しめたあの頃の気持ちが、読了後に呼び起こされるなんて神秘的じゃない? HAHAHA!
もし、未だにギリシャ物語の世界へと旅立っていない人がいたら、私はこう言いたい。
この作品にのめり込めばきっと、歴史の魅力に興味がそそられるかもしれない……ああ、それだけじゃない。
あなたの心の底にある、子供の時に抱いたワクワクする気持ちが、好奇心が呼び起こされることであろう!……ああ、二つの意味で素晴らしき時間旅行を楽しめるのさ! HAHAHA!
壮絶な結末のギリシャ物語の直後から始まるこの続編、ハラハラドキドキさせる展開が続きます。前作同様、古代ギリシャを舞台にし、実に多くの人物が登場しますが、誰これ?と読者に思わせることなく、命をかけた戦いや、主人公ティリオンがアフロディアを想う気持ちなど、人間の生き様が生き生きと描写されています。そこに一癖も二癖もある登場人物が何人も登場し、くすりと笑わせるユーモアとシリアスの匙加減も絶妙です。物語の主題は、ティリオンとアフロディアの愛と命をかけた逃亡劇なのですが、脇役達のキャラも濃く、続きが楽しみな壮大な群像劇です。ギリシャ物語の前日譚ティリオンの番外編も見逃せません。
かの名作「ギリシャ物語」の続編。前作の衝撃のラスト直後から始まる物語は、アテナイの青年ティリオンとスパルタのアフロディア姫の逃避行で幕を開ける。ますます複雑にからみ合う、各ポリスの利害と思惑。そして人々の事情と都合も錯綜する中で、ティリオンはさらなる試練の中へと落ちていく。ときに抱腹絶倒の要素をはさみつつ、ティリオンの華麗にして過酷な冒険は、アフロディア姫との安住の地を見つけ出すことができるのか。とても読みやすいのに、濃厚なドラマ、緻密な構成、魅力たっぷりのキャラクターたち、絵画か映画のような美麗な演出、迫力のアクション、不意をつかれるハイセンスなユーモア。全部入りの、波乱万丈のラブロマンス、前作とセットでおすすめです。
深い悲しみを背負った逃亡者ティリオンと、敗戦国スパルタのお姫様アフロディアが、追手から逃げる場面から始まります。
戦争で親しい人達も、帰る場所すらも失い、失意の底に沈むアフロディアを、ティリオンは剣を片手に、まさに命懸けで守ろうとします。
ティリオンがなぜ逃亡者になったのか、彼とアフロディアとの関係などは、ギリシャ物語とギリシャ物語外伝をお読みいただければと思います。
さらには、ティリオンを探すアテナイ軍総司令官の事情も、スパルタのクレオンブロトス王と深い関係があるコリントス軍副司令官の事情も、ギリシャ物語とギリシャ物語外伝で語られています。それぞれの背景を知っていると、今作はより楽しめると思います。
誰かを強く想い、その人の為に行動を起こすけれど、その人もまた別の誰かを想い、自分を大切にしてくれる人の気持ちに応えられない。さらには、国という大きな壁に阻まれ、登場人物達の関係は複雑に絡み合っていきます。
どうなってしまうんだ……と、ドキドキしながら読んでいます(第十五章読書中)
ぜひ、読んでみてください!
舞台は古代ギリシャ。都市国家が乱立し、対立していた時代。
前作に引き続き、ライトユーザーでも楽しめる軽快な文章はそのままに、構成は文芸作品に近い硬派なストーリーとなっています。
物語は緻密に練られており、さりげなく伏線をばらまきつつ、常に読者の想像を一枚も二枚も上回ってくれます。
当作品は前作「ギリシャ物語」の続編にあたりますので、できれば前作の方から先に読んで頂きたいところではあります。独立した群像劇のため第二部から入っても十分楽しめるのですが、それでもやはり「ギリシャ物語」を先に読んで頂いた方が、何倍も楽しめると思います。
前作の舞台はスパルタでしたが、今作の舞台はスパルタを破った敵国テバイとなります。
不慣れな敵国の地――テバイにおいて、孤立無援の状況からスタートという、なかなかホットな立ち上がりを見せます。それゆえ、ハラハラドキドキの連続です。一体どうなってしまうのか。目が離せません。
登場人物たちが本当に生きているかのように動きますから、自然と感情移入の度合いも強まろうというもの。
特に、敗戦と同時に多くの仲間を失ったアフロディア姫を思うと……って、あれ? 思い出しただけで目から熱いものが。
と、このように。
現在、私が一番ハマっている小説です。そうですね。例えるなら、祖国をスパルタと勘違いするぐらいにはどっぷりと。
最後に「ギリシャ物語」における豆知識を一つ。
「スパルタの飯は文字通り、死ぬほど不味い! しかも飲酒は禁止!」
何を楽しみに生きていけばいいんだ。ああ、そうか。だからスパルタ人は死をも恐れないのか。
史実にフィクションを織り混ぜた、歴史・戦記・恋愛などを主軸としたエンタメ小説です。
ギリシャ、歴史、戦記と聞くと馴染みがない、難しい、と思われる方もいるかもしれません。でもこちらの小説、とにかく読みやすいです! 苦手意識で読まず嫌いするのは非常にもったいない!
歴史モノが好きな方はもちろん、普段ファンタジーやラブストーリー、ヒューマンドラマを楽しんでいる方にもオススメです。
ギリシャ物語は無印、外伝、そしてⅡ【前編】が公開されているシリーズものです。先に公開された2作を読んだ上でⅡを読むと、より一層物語に没入し、楽しむことができるかと思います。
というのも、ギリシャ物語には、国や歴史が動くときの大きなうねりだけでなく、その中で強い思いを抱いて生きる人間たちもが描かれているのです。
それぞれがどのような軌跡をたどり、どのような思いを持って行動しているのかを知ることで、より物語をいろんな登場人物の視点から味わえると思います。
登場するキャラクターは誰も彼もが個性的で、魅力的です。抱える思いは時に愛であり、時に陰謀であり、様々です。その思いが結びつき、絡まり、すれ違いながら物語は進んでいきます。
あのキャラも、このキャラも。その思いの行き着く先はどこなのか? 物語はどこへ向かうのか!?
続きが非常に楽しみな作品です!
※第十三章5までを読んでのレビューです。