概要
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無量 弐千佳(むりょう にちか/30)は事故物件専門の異能除霊師。曰く付きの物件に泊まり込み、心霊現象を解消して住み良い部屋へと復旧させる、霊的特殊清掃人だ。
そんな弐千佳の元にアシスタント志望で紹介されてきたのは、一留中の大学生・有瀬 安吾(ありせ あんご/22)。
ノリの軽すぎる有瀬に不安を覚えたものの、弐千佳はお試しで彼をアシスタントとして起用する。
住居という閉鎖空間に残留する魂たちは、いったい何を無念とするのか。
とある特殊能力を持つ弐千佳は、物理的状況と心霊現象の両面から、隠された真実に迫っていく。
やたらと懐いてくる有瀬に調子を狂わされつつ、淡々と仕事をこなす弐千佳。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!一年越しに熱狂してしまう
抜群の安定感、安心感。
事故物件に巣食う霊の無念は重いのに、どうしてこんなに読後感が良いのか。
それはやはりメインキャラ弐千佳と安吾によるコンビネーションの為せる業でしょう。
弐千佳の一人称視点で綴られる文体はドライで淡白。
しかしそこに安吾というへんてこ色の絵具が振り落とされることにより、鮮やかな化学反応が発生します。弐千佳の「戸惑い」という形で。
「戸惑い」はやがて「信頼」へと変化する。
似たようなサイクル(仕事)を繰り返していく中でも、徐々に変化していく二人の関係性が心地良い。
個人的に大黒ジュニアのキャラも好き。寸分の狂いもない彼の眼鏡の位置をイタズラしてちょっとずらしたく…続きを読む - ★★★ Excellent!!!長い長いトンネルの先に
第一部(#4の終わり)まで読了時点のレビューです。
作品概要と読みきれないほど数多のレビューにより、充分過ぎるほど興味を掻き立てられるので、私は主に読んだ感触を。
まずタイトルからして、ホラーが苦手な私は昨年回れ右しました。
(疲弊により活動休止気味でもあったから、描写次第では受け止めきれない気がした)
けれど著者すずめさんが書くものに対する信頼もあって、一年越しで踏み込みました。
良かった、本当に。
バーン、ひゃー!!!(恐れ泣)みたいなことにはなりません。
ヒタヒタと蠢く怨霊の怖そうな描写はいくらかありますが、「今起こっている現象」と「生きていた時にあった何か」の因果から生じるミステ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!おねえさんはもちろん、おにいさんにもおススメです
無量弐千佳(むりょうにちか)さんっていう除霊師のおねえさんの目線で話が進むんですけど、この弐千佳さんがすっごいカッコいいの。クールでさ、しごできだし。もう俺のすっごいタイプ。
「女性主人公」の物語だけど、おにいさんにもおススメです。俺にもすっごい面白かったし。
で、彼女のとこにアシスタントがやってくるんですよ。そう、有瀬安吾(ありせあんご)くん。俺が言うのもなんだけどチャラい。でも俺より全然明るいし、料理もするし、すげーいいヤツです。
二人はバディを組んで、いや最初はまだバディとは言えないかな、とにかく二人で事故物件の心理的……なんだっけ、かし?の解決、特殊清掃? えーとつまり除霊…続きを読む - ★★★ Excellent!!!推理しながら読むのが楽しい霊的オムニバス
べったりと残る生活の跡――。賃貸住宅に住んだことのある人ならば、前に住んでいた人が残した傷などに気づくことがあるかもしれません。時として、彼らと時空を共にしているような薄気味の悪さを覚えることもあるでしょう。
本作の主軸となるのは、まさに「事故物件」。その建物を以前に使っていた人が、べったりと残していったもの――しかし、原因の不明なものを祓う異能の除霊師が主人公です。かつ、強い「陽」の気を持つアシスタントとの仲が非常に魅力的なコンビネーションを生んでいます。
いうなればこれは、霊感と頭を使う清掃業の物語と言えるのかもしれません。次々と現れる事故物件に巣食うもの・怪異の正体を一章ごとに推理…続きを読む - ★★★ Excellent!!!とにもかくにも是非に!!!
飛びこむには自分としては勇気が必要なジャンルかなあと戸惑いつつ、沢山のみなさまの熱烈なレビューに押されて、えいっ!と読み始めたら、もう、もう、本当に止まらなくて、とにかく凄くて圧巻圧倒最高でした🏅🏅🏅
幾つもの魅力が交錯していて、新しい世界を知ることが嬉しかったし、膨大な熱量が渦巻いている物語に深く潜りこんだままの読了感。彼是知ったのちの、再読の味わい深さは約束されているから、存分に味わい尽くしたいっ!などの強欲発動自覚しつつ、一旦落ち着かねば・・と己を諌めております。
まずはこの世界に触れられた幸運に只管に感謝です。
素晴らしい作品、本当にありがとうございます!
そして!そして!
第2…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その事故物件、除霊待ったなし!
事故物件専門の異能除霊師・無量 弐千佳と大学生・有瀬 安吾の名コンビの活躍が痛快で楽しいオムニバスドラマです。
陰と陽、まったく正反対の素質の二人が互いに補い合い、その場所に残留する穢れた魂を浄化していきます。
タイトル通り、どの物件もホラー好きならワクワクするタイトル揃い。
それぞれの物件にまつわる逸話も毎回凝っており、どんな手法で彼らを解放するのか楽しみに読ませていただきました。
キャラクターの掘り下げも秀逸です。
弐千佳と安吾の軽妙な掛け合いがとにかく楽しい!
二人が困難なケースにどう立ち向かうのか、ワクワクします。
各話に隠されたギミックも面白く、秘密が分かったときの驚きと爽快感…続きを読む - ★★★ Excellent!!!バディが熱いぃ!オカルトミステリで現代ファンタジー(ホラーじゃない)
ホラーかなと回れ右しかけた人は戻ってきてください。
読めます。井戸から出てくる髪長いお姉さんの映画のCMだけで夜眠れないような、そんな私でも一日とかからず読んでしまいました。やめられない止まらない。前のめりで読んじゃう。
クールでドライな、『霊的』特殊清掃人の弐千佳さん(陰)と
サイケデリックなナイロンシャツで言動も文面も何もかも南国かっ!なアシスタント有瀬くん(陽)
このふたりが、数々の事故物件の霊的現象をお掃除しに行く、お仕事バディものです。
まず、このふたりのやり取りが面白い。
有瀬くんがすっごいんですよ。
読んでるのに、目にうるさい。意味分からないこと書いてますけど、読んだ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!除霊済みの事故物件の中心で「最高かよ!」と叫びたい
最高でした。
いま読了直後なので、正直言って語彙力がすべてなくなっています。私の語彙力帰ってきて。まともなレビューを書けるだけの語彙力よ、帰って来てくれ。
ずっとずっと気にはなっていたのです。
除霊、イケメンすぎる女性、ハイパーポジティブ年下ワンコ、チラチラと匂わされる重い過去。私の好きな物が全部ここにあるわけです。しかもあれだ。シリアスすぎない文体。これ重要。宇部さんはっきりいって馬鹿の人だから、100%のシリアスは脳が拒否する人だから。そういう点でも本当にうまい。うますぎる。
うますぎると言えば、ちょいちょい出て来る料理の描写も最高。何だ、有瀬君(パリピ系年下ワンコ)、君、そういうの…続きを読む