バディが熱いぃ!オカルトミステリで現代ファンタジー(ホラーじゃない)

ホラーかなと回れ右しかけた人は戻ってきてください。
読めます。井戸から出てくる髪長いお姉さんの映画のCMだけで夜眠れないような、そんな私でも一日とかからず読んでしまいました。やめられない止まらない。前のめりで読んじゃう。

クールでドライな、『霊的』特殊清掃人の弐千佳さん(陰)と
サイケデリックなナイロンシャツで言動も文面も何もかも南国かっ!なアシスタント有瀬くん(陽)

このふたりが、数々の事故物件の霊的現象をお掃除しに行く、お仕事バディものです。


まず、このふたりのやり取りが面白い。

有瀬くんがすっごいんですよ。
読んでるのに、目にうるさい。意味分からないこと書いてますけど、読んだらわかっていただけるかと。めっちゃうるさい(褒めてます)

有瀬くんがひたすら面白くて、それをすべてクールにいなしてクールに心の声でツッコむ弐千佳さんが堪らないんです。会話の合間に入る彼女の冷静なご感想に「ほんとそれ」と何度うなずいたことか。


ミステリとしての面白さも、もちろん!

ストーリー中、四つの事故物件の原因究明に向かうんですが、そのどれもが読んでいるこちらも同伴して現場で頭を悩ませている気分になります。少しずつ出てくる情報を頼りに、なんでだぁ?と真剣に悩むから、もうどんどん先へ進んでしまう。


さらにさらに、ふたりの背景や、バディものならではの信頼構築。弐千佳さんの抱える闇や、有瀬くんによる定期的な飯テロ。そしてファミレス行きたい……やたら、ファミレス行きたくなる……ファミレスぅ。

と、もう、こんなレビューでは書ききれないぐらいお腹いっぱいになる物語なんです!

本当におすすめ!
是非読んでいただきたいっ!

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