概要
顔すら知らない聖女との婚約を王家から打診されたクウィルは、縁談回避のためだけにこれを承知してしまう。
巡礼を終えた聖女は、感情を失くした人形だった。恋愛ごとに興味のないクウィルはこれ幸いと婚約者を迎え入れるのだが。
※※本作では名前のややこしさ回避のため、『爵位称号=姓』の形をとっています。また、史実の貴族社会とは異なる点が多々ございます。そもそも現実貴族は魔術撃ったりしないしな、ということでご理解賜りますよう、お願いいたします。(つまり、なんでも許せる人向け作品です)
婚約破棄、なかなか出ません。中盤までお待ちください。
※小説家になろうにも掲載しております。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!聖女と野獣の恋物語。感動で涙が止まらず、気合を入れて読んだ秀作です
感情を無くした聖女さまが婚約者に指名したのは、獣のように粗暴な黒騎士、クウィル。
恋愛に興味がない上に、会ったこともない聖女さまのご指名を受け、適当な婚約錠を送ることから始まります。
聖剣との長年にわたる巡礼で感情を無くした聖女さまと、どちらかというと自分の感情に素直な騎士の、切なくて、幸せな恋物語です。
クウィルが所属する騎士団の面々、ライバルの色男など、魅力的なキャラクター描写に心躍り、読むのが本当に楽しみな作品でした。
おもしろすぎて、順番が回ってきたら気合いを入れたほどです。
なにより、聖女さまの芯の強さが、女性として好感が持てます。
リネッタが強かったから、彼女は、婚約者をはじ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!血と運命に翻弄された、深い深い、愛の物語
星にえらばれた救国の聖女。
二年間の巡礼を終えた聖女は例外なく感情を喪失してしまいます。
そのおおきな代償に対して与えられるのは、継承権二位以下の王族、あるいはその縁者に嫁ぐという栄誉でした。
しかし、今代の聖女リネッタがえらんだのは、その瞳の色から、野蛮で穢れた血が流れているといわれる黒騎士で……?
物語は、黒騎士のクウィルが王家から婚約の打診をされるところからはじまります。
クウィルは不誠実極まりない理由でこれを引き受けるのですが、リネッタへの態度はわりと誠実。
初対面時には出迎えもせず、自宅には寄りつかないし、手紙の返事は三行、贈り物のひとつもしないけど、うん。大事な…続きを読む - ★★★ Excellent!!!奪われた感情を取り戻す、呪われた過去を解放する
実はiらんどに掲載されていた時期からこのお話が大好きで、今回カクヨムに掲載されているのを知り、小躍りしました。
感情の無い聖女、リネッタ。
伯爵家の「次男」ではあるものの、養子で実はある一族出身のクウィル。
この二人が織りなす恋愛ものなのですが、甘い描写というより、深くて泣ける描写が多いです。iらんどでは仕様上ほとんど一気読みして脳みそが空っぽになり、ずうっと涙を流していました。
今回は一ページ一ページめくり、ずっと涙を流していたので、読むのが遅くなっちゃったと思います。
クウィルがリネッタに感情を思い出されるために、「快と思えば誓約錠のある左手を。不快と思えば右手を」あげてください、と…続きを読む