乙女ゲームのヒロインに転生したTS少女(闇)は、何一つ気づかずに剣を片手にマイペースに生きる

貴族の娘として生まれたアリシアには、もう一つ別の記憶があった。
その記憶は高熱でうなされる度に夢として思い返された。
いつも通りを繰り返すサラリーマンの夢。
それが己の前世だと自覚し、今生ではそうは生きないと思うも、環境がそれを許さなかった。
見えてしまう。道具のように使われる未来。これでは前世と何も変わらない。
アリシアは抗った。
だが、簡単ではなかった。
それでも諦めようとはしなかった。

状況の変化、他人の生き方やその様。
それらを経て、彼女は再度生まれ変わった。
名を変え、剣を片手に、煩わしいものを全て斬らんと。

そして改めて掴もうとした。
己の生き方を己の意思で選択する為に。

これは、
目標に向かっていく物語ではなく、
自己を拾い集めていくことから始めるような、そんな物語。

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