霊感0の女子高生が霊感スポットを探訪するちょいとばかし怖いホラーストーリー。
最強女子高生・桜井梨沙と、腹黒残念美人・茅野循がオカルト研究会存続の為に近隣の心霊スポットを探訪するストーリー。
連作短編の各物語の書き出しはホラーの中にミステリーの要素を含み確かに怖い。中盤も怖い。読み進む毎にやっぱり怖いかも知れない。いや、絶対怖いだろ!
しかしながら、オカ研の彼女達は怪異の現象を平気で潜り抜けて行く猛者達であった。
怪異現象なんかそっちのけで、原因究明に乗り込む彼女達の行動の結果とは?……
怪異の陰には、怨みだけでは無い。その根底に眠る悲痛な訴えも、描写が巧く表現され、オカ研の彼女達のコミカルな行動と思想が怖さを半減させてくれるのかも知れません。
物語が進む中に本物の心霊専門業者を巻き込んでいくストーリーに目が離せなくなってしまいます。心霊業者の九尾は力は有るが、少しばかり残念な性格が物語に華を添えます。怖いながらコミカルに進む描写は、流石製本化される実力ありき。
描写はリズム感が有ってメチャクチャ読みやすい。コミカルで少し怖いミステリーホラー。
ゆるくて怖いだけじゃない話は、読者を捕らえて離さない呪いかも知れない……。