能力には全て、代償が付きまとう。
この物語にとってのコンセプトであり、力あるものはそれだけのリスクを持つことになるという決まりでもあります。
良くも悪くも完璧ではない能力で、さまざまなバリエーションを見せてくれる本作。
能力を使った工夫も凝らされており、世界観も理解しやすいです。
主人公であるイブキは根っからのオタク。
推しのためならえんやこら。
山あり谷ありなんのその。
要するに、ちょっと残念だが、それ以上に魅せ所の多いイケメンくんである。
対して、その周りで鮮やかに色づく女性キャラたちの華やかなこと。
皆さん、よりどりみどりですよ。
(推しの色は何色ですか?(私は白黒です))
どの子にもこれと分かる個性があって、文字からイメージカラーが溢れてくるほどです。
色んな女性キャラを楽しみたい方にも、かなり向いている作品だと思います。
読みやすさ、基盤となる文章力、ストーリー構成。
キャラクターの魅力や世界観、全てにおいて素晴らしい物語でした。
ストーリー、構成、キャラ、設定、文章、全てがパズルのピースのように噛み合っていて、正に神業的な技術によって生まれた作品だと思います。
書籍化は当たり前だとして、公募でも余裕で大賞を取れる気がしました。
キャラと設定の活かし方が秀逸で、この2つを十二分に利用することにより、滑らかな構成を生み出しているので、クライマックスが映画のように盛り上がります。
設定を煮詰める作品は数多くあるのですが、その殆どがストーリーの推進力に貢献していません。ですが本作は、キャラ同士の関係性の構築に設定が大いに役立っています。とても素晴らしいです。
私も物書きとして、このような秀逸な作品を書けるように改めて頑張ろうと思わせてくれました。ありがとうございます。
作者様は間違いなく創作の才能があるので、どうか書き続けてください。ラノベ史に残るような傑作が作者様の手から出ることは、もはや時間の問題だと思います。