分かりやすい事例やトレンドの変遷を、経験談を交えて独自に分析・解説している創作論です。
web小説初心者には押さえておきたいポイントが分かりやすくまとめられている指南書でもあるし、
ある程度、作品を貯めて公募にもチャレンジしている経験者には、執筆以外にも今一度初心に立ち返って基本的なことを見直すヒントが各エピソードに散りばめられています。
チリも積もれば山となる。
継続は力なり。
初心忘るべからず。
最新話まで拝読して痛感しました。
書きたい作品のために勉強に勤しむこと、そのための努力を惜しまないこと、積み重ねてきた努力は嘘をつかない。
けれど、その努力の「方向性」と「手段」はとっても大事。
手当たり次第、流行に注目しながらジャンルを超えて作品を書き殴ってきたけれど、
一定以上PVも伸びなければ評価も頭打ち……そういう経験をしてきた人は決して少なくないはず。
じゃあ、今の自分に足りないものって何?
もうひと推しするためには、何が必要?
自分の強みって何?
そうやって一つ一つ原因を追求して解決していくためのヒントや方法を、冷静に指摘してくれる、ありがたい作品です。
SF以外にも、幅広く他ジャンルに共通する考察だと思います。
知識、経験、客観的データや考えたことなどから導き出された、主に書籍化を目指す人向けの創作論。とくに書籍化を意識していなくても、知っておいて損はないお話が満載です。
カクヨムという大海原に初めて舟をこぎ始めた時、初めて私をフォローしてくれた方が、この創作論の作者様です(そのころは今とは違うユーザー名でしたが)。見渡すかぎり水平線、進むべき方向もわからず一人ぼっちで彷徨っていたところに、温かく手を差し伸べていただいた記憶は強く残っています。
この創作論には、知識だけでなく、作者様の人柄も表れていると思います。こうしたほうがいいと押しつけるのではなく、そっと背中を後押ししてくれる。そんな雰囲気を感じます。作家って楽しい。書く作業は孤独だとしても、仲間の存在は心強い。あの人も頑張っているんだから、自分も頑張ろうと。そう思えるような。
カクヨムで遭難しかけているあなた、絶好調に突き進んでいるあなたにも、おすすめの創作論です。