炎天下で汗を流すのもたまにはいいよ、というお話し ~その1

 いやあ、長梅雨が終わったと思ったらいきなりブーストした猛暑になって身体が付いてきませんよね。皆様いかがお過ごしでしょうか。


 たまたま今年のお盆は今週全部お休みが取れまして。せっかくだからずっと気になってたアレをやることにしたんです。そう我が家にあるウッドデッキの塗装。

 数年前からそろそろ塗りなおさないといけないなあと思っていたんですけど、なかなか機会がなくて。時間はいくらでもあった緊急事態宣言下の自宅勤務の時によっぽどやろうかと思いましたが、天候に恵まれなくてできなかったんです。まあ、ホームセンターが混乱していて具材の買い出しができなかったとか、自宅勤務中におよそ勤務と関係ない作業に没頭するのもいかがなものかとか断念した理由は他にもあるのですが、一番のネックは周期的に雨が降る気候のせいでした。


 ウッドデッキの塗装は主に四つの工程があります。

 1.掃除と下地の処理

 2.養生

 3.塗り一回目

 4.塗り二回目

 だいたいそれぞれにまる一日かかりますんで四日間。この連続四日間が全部雨が降ってはいけないという、これ普通に考えて日本ではかなり厳しい制約ですよね。とりあえず雨さえ降らなければ晴れてなくてもいいのですが。あと冬場は晴れてても乾燥するのに倍ぐらい時間がかかりますので、所要日数が伸びてしまいます。


 今回のお盆休み、夏空が続くでしょう、という予報を聞いて、今しかない!と手ぐすねひいて待っていた私の作業日誌を書いてみようと思います。しばしお付き合いくださいませ。


 一日目。

 さて、お休み初日の土曜日は用事で出かけていましたので日曜日から作業開始。天気は晴れ。


 まずは汚れ落としからです。ホースで水をぶっかけてデッキブラシでごしごし汚れを落としていきます。デッキブラシだけでは落とせない汚れは亀の子たわしの出番です。この亀の子たわしって驚異の洗浄力ですよね。感動しました。

 亀の子たわしが入らないラティスの網の目状のところはスニーカーブラシで代用したのですが、汚れを落とす能力は雲泥の差です。

 ただし、ここでは後の塗装に影響が出るので洗剤は使いません。そのかわり水洗いだけでは落ちない汚れはサンドペーパー、場合によってやすりを使って削り落としてしまいます。二時間ほどごしごしやってると、古ぼけたウッドデッキが木目も鮮やかにぴかぴかになりました。

 正直ここまできれいになったら、再塗装いらなくね? という気分にもなりますが、あくまでこれは前座でしかありません。掃除に水を使ったので塗装するにはウッドデッキ全体が乾くまで少なくとも丸一日は待たないといけません。雑巾で残った水気をからぶきして、この日の作業はこれでおしまい。

 ここまで作業時間四時間程度。


 二日目。晴れ。

 午前中、養生作業。塗料はどうしても飛び散るので、外壁とか窓ガラスとかウッドデッキに接しているところを養生材で覆って行きます。マスキングという作業ですね。

 ビニールとガムテープが一体化している塗装専用の養生材(マスカーといいます)でウッドデッキの周囲を保護していきます。

 外壁部分は三十分ぐらいでマスカーを張り巡らせることができました。今日の作業は楽だなあ、と思ったのですが、庭の芝生とか砂利の部分はマスカーでは接着できません。当たり前ですね。

 ここは新聞紙を広げたものを貼り合わせてコンクリートブロックで押さえるという原始的な方法で済ませました。

 やれやれと思ってマスカーで覆った外壁部分を見ると、なんと風に煽られてめくり上がってる! 調子に乗ってマスカー長く伸ばしすぎると、途中で風で煽られて養生にならないんですね。こりゃあやり直しだわ。ということで1.5メートルぐらいずつにマスカーを切って張り直し。

 昨日洗浄したところが乾いていたらすぐ塗装に入れたのですが、まだ少し湿っていたので、今日の作業はここまで。作業時間三時間半ほど。


 三日目。猛暑。

 暑かった。とろけそうな暑さでした。麦わら帽子に首からタオルという鉄腕ダッシュ風の出で立ちで作業開始です。

 今日は塗りの一回目。キシラデコールという油性木材保護塗料を使用します。色はオーソドックスにウォールナットです。全部で十六色もあるので雰囲気で選んでいいと思います。

 ラティスの上部から塗り始めます。塗装は上から下、奥から手前、が原則です。塗り始めてみると完全に汚れ落として乾燥させたのが効いているのか、塗料の食いつきが抜群です。かなりたっぷり塗ってもすぐ木に染み込んでいきます。

 ちなみにキシラデコールはペイント用ローラーは使えません。刷毛塗り専用です。刷毛はどうせ使い捨てなので百均のものでも良かったのですが、今回は三百円ぐらいの油性塗料用の刷毛を買ってきました。70ミリという少し大きめの刷毛と、筆のような小さめの刷毛の二種類を塗る場所によって使い分けました。

 しかし、ラティスの網目状の部分を塗るのがだんだんイヤになってきます。広いところをだあっと塗りたくるのが楽しいのですが、これはちまちまちまちまと苦行じゃないですか! よく乾燥させたからでもあるのですが、一回目の塗りでは木が塗料を吸ってしまってあまり着色しません。集中力が途切れると、どこまで塗ったか分かんなくなります。あれー、ここ塗ったっけ? というのが何度もありました。

 ラティスが終わるとやっとウッドデッキの床です。ここは座って作業できるので楽だし、広いところを刷毛で豪快に塗り広げていくので楽しかったです。そうそう。これがやりたかったのだよ、これが。


 しかし、猛暑の中の洗いたてのウッドデッキは、ホットカーペットのようなもの。暑くてたまらん。この作業してる間に二リットルのペットボトルをカラにしました。水分補給、大切ですよね。

 一通り塗り終わったら、一歩下がって全体の仕上がりを確認します。やっぱりラティスの網目、塗ってないところがあちこち見つかりました。逆に二回塗って色が濃くなってるところも……。どんだけイヤだったんだよ、と苦笑。小さい刷毛で塗りなおしておきました。

 最後、刷毛を薄め液に浸してから、水洗いして干しておきます。この時、刷毛の毛の部分を上にして干しておくといいそうです(知らなかった)。

 ということで塗り一回目終了。この日の作業時間全部で五時間弱。


つづく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る