最近ハマった小説たちの話のつづき

 暑くなったり、かと思うと何日も雨が続いてリアル天気の子かよとか思ったり、突然首相が辞めると言い出したり、感染者3000人で今日はすくねーなとか思ったり。なにかと不穏な今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。


 俺は今週末は完全引きこもりです。天気も良くなかったですしね。実はついにうちの職場でも感染者が出まして。なにげに顔見知りの感染者は始めてなんですよ。会社大騒ぎでした。毎朝検温して報告しろとか言われたり。

 こんだけ身近に迫ってくるとさすがに警戒しますよね。次の土曜日はワクチンの二回目ですから、それまでは逃げまくりです。君子危うきに近寄らず。


 あ、連載途中で止まっている変態看護師さんの会話劇、あれ忘れたわけじゃないですよ。ワクチンの二回目打った様子を書こうと思ってまして。どうせだったら実体験をふまえようと寝かせてあるんです。二回目副反応どうなるか。どきどきです。

 気が付いた方多いと思いますが、あれ男は見習い天使のケンで、作中でカノジョっぽいと言われてるのが柊木ちいちゃんです。二人は大学生になってますね。自作でスピンオフ書くの初めてだっりします。


 で、最近ハマってる小説をまたいくつかご紹介。主に現ドラです。


「タンジェント」 増黒豊さん

https://kakuyomu.jp/works/16816452219426988344

 流行りのド底辺からの逆転ものでユーチューブもの、なんですが、これが京都が舞台のリアル感満載ごりごりの現代ドラマなんです。土地勘のある人には、おお、という描写が随所に出てきますし、土地勘のない人には観光気分になれます。そのあたりの描写は実に過不足なくて的確です。

 就職に失敗したド底辺若者が学生時代の女の友人と偶然再会して、ユーチューブで一発逆転、という言ってみればそれだけの話なのですが、人物背景の作り込みが秀逸すぎて読みだすと止まりません。こりゃすごい小説に出会ってしまった、と思っちゃいました。ひっつきそうでひっつかないラブコメテイストの隠し味も効いています。

 タイトルの「タンジェント」にも多分意味があると思うのですが、まだ本編で明かされていません。どういう意味なのか楽しみですね。今イチ押しです。


「あなたはあの子でできている」 塩ぱんさん

https://kakuyomu.jp/works/16816700427135954538

 30歳の智希は高校生の部活の後輩と結婚した2児の父親。妻に不満はないけれど、高校大学とべったり一緒に過ごしてここまできてしまったことに、ときどき息苦しさを覚えてしまう。ところが実は智希には妻との結婚前の同窓会のあとに酔った勢いで一夜をともにした高校の同級生がいて、その同級生と偶然再会してしまった。あのとき、今の妻ではなくてこいつを選んでいたら……。


 というお話しです。二万字ぐらいなのですぐ読めます。しかし、これは濃厚ですね。淡々とした筆致がサスペンスっぽい展開に素晴らしくマッチしています。

 いや、しかしこれ主人公智希の考えは痛いほど分かりますよ。男は忘れられないんですよね、こういうこと。俺も巨乳じゃなくて別の子と一緒になっていたらどうなっていたのか、とかさんざん考えましたもんね。

 ラストで高校時代の友人に言われた一言が強烈です。女は上書きする、っていうアレですねー。


 とにかくおススメ。青春終わったと思っている系の人に特に。男の人も女の人も是非読んでみてください。感想が聞いてみたいです。逆にこれから青春とか現在青春ど真ん中系の方には、ちょっとドロ過ぎてあまりおススメできないです。



「悪女が生き残る方法~伯爵令嬢に転生したけど処刑されるなんてお断りです~」

 竹神チエさん

https://kakuyomu.jp/works/1177354055047106956

 このお話しはファンタジーのところで取り上げるべきでした。現在52万字。浪人生のありさは気が付くと以前読んだことのある小説の主人公アリアに転生していた。覚えている限りではアリアは最後処刑されて生涯を終える。冗談じゃない、処刑なんてまっぴらゴメンよ。絶対天寿をまっとうしてやるんだから。

 こうしてアリアとして異世界で暮らす決意を固めたありさは、あの手この手で迫りくる処刑の未来を回避しようと努めるのでした……。


 ……というのが、このお話しの本筋なのですが、そんなことは最初の十万字ですっかり忘れ去ったようです。本筋とかけ離れたところで繰り広げられる笑えるコメディ茶番の数々。「これどう読んでも本筋と関係なくね?」という話が延々と続きます。なんとなれば、アリアはもうありさだったころのことを忘れてしまっているとも思える描写が続いたり。そいつにそんなことすると将来の処刑フラグがぶっささるぞ、と読んでて何度もハラハラしちゃいました。

 タチが悪いことに、数万字に一度のペースで本筋において極めて重要な話がこっそりと紛れ込んでいるんです。そのせいで読み飛ばすことができないんですよね。

 ご本人も分かっててやってらっしゃるようですので、ここは素直に本筋に関係ないところも笑って読んでおけば良さそうです。

 とりあえず現在52万字。やっとアリア14歳まで来ました。100万字を視野にいれてがんばれ!

 で、とりあえずラストまで書ききったら、茶番の部分をごっそりカットしてみましょうよ。本編は多分二十万字以下になっちゃうと思いますよ。ただ茶番カットすると牛肉を抜いた牛丼になってしまう気配が濃厚ですが。笑


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