ゆく年くる年の話

 いやあ、1年たつの早いですねー。カクコンも始まりましたし。俺は今年は結局長編では参加できませんでした。秋口が異様に忙しかったから手が付けられなかったんです。ネタも浮かびませんでしたし。今年は読み専で参加します。カクコン参加のみなさまのご健闘をお祈りしています。そのかわり読みに全振りしますので、自推他推大歓迎です。


 あと短編をどこかで一作投げようと思っています。ホントは花金参加作をカクコンに応募しようと思ってたんですが、書いてるうちに花金のレギュレーションから大きく外れてしまいました。ナツくん、まりこさん、ごめん。これ、カクコンの方に投げるわ。


 話変わって、インフレの話。自販機のコーラの500ミリペットが180円になっててびびりましたよ。缶コーヒー140円とかマジですか。しかも量が減ってるし。280ミリリットル缶なんて反則ものですよね。一時期お茶のペットは600ミリリットル150円が標準になっていたのに、これも値上がりかつ減量で500ミリリットル160円とかになってます。ひどいになると430ミリリットルなんてのもある。


 そうやって見るとローソンPBのペットのお茶はマジで優秀です。600ミリペットで110円を死守してくれています。前は税込100円だったので地味に値上がりはしていますが。


 こういう真綿で首を絞めるような値上がりは気分的にイヤですよねー。ガソリンの値段は少し落ち着いて来てるみたいですが、それでもレギュラー150円ぐらいの高値安定です。困ったもんです。


 ただねー、インフレは困りもんなんですが、デフレも相当ツラいんですよ。


 俺、若いころある商業店舗を担当していまして。商業店舗にお店の区画を貸して、その賃料をもらう仕事です。


 ある年、あるお店からの賃料がじわじわと減ってきまして。商業店舗の賃料ってお店の売上の何パーセントというもらい方をするのが主流なんです(もちろん違うもらい方をする場合もあります)。当時の上司(クソおっかない女上司)に言われて俺が原因を調べていたんです。


 だいたい賃料の減るテナントってのは店構え見たら雰囲気で分かるんです。やる気なさそうな店員と消費者不在の品ぞろえ。ああ、この店、長くないなーと思ってると突然夜逃げしたりします。夜逃げされると手続きがクソ面倒なのでそういう店にはだいたい事前に「なんか苦しそうですけど、どうします? 今退店すると出店の時に預かった保証金全額返せますよ?」みたいな営業かけるのも俺の仕事だったわけでして。


 ところがですね。その賃料の伸びの悪かった店覗いてみると、活気があってお客さん山盛り。商品もきちんと陳列されています。


 なんでこれで売上下がるんだ? といぶかりながら店員のおねーさんに聞いてみました。


「忙しそうですね」

「もうまじ猫の手も借りたい感じ。給料上がらないのにやってられないわ」


 すれた感じが魅力の店長のおねーさん、仲良かったんですが、ぼやきが止まりません。オフィスに戻ってそのお店のデータを詳しく見てみると、客数は減っていない。むしろ増えている。ということは客単価が下がってるってことです。


 ああ、と合点がいきました。当時はデフレ真っ只中。同じ商品が同じ数だけ売れても、売価が下がっている分売上が減っちゃうんです。これたまったもんじゃないですよね。忙しさは同じなのに賃料は減るし、もちろんお店の利益も下がりますから、最終的におねーさんたちの給料も下げざるを得なくなっちゃうんですね。

 テナントの賃料も減るということは、そのお店の不動産価値も下がっちゃいます。日本全体で見た時に商品の値段が下がっていいことなんてほとんどないんですよ。


 これがデフレの恐ろしいところなんです。消費者目線では商品の値段が安くなった―! と喜ぶところですが、それは数年後に必ず自分の財布に跳ね返ってくることになるんです。ダメージが先に企業とか不動産に来るのでなかなか気が付かないんですよね。マクドナルドのハンバーガーが80円になった! とか喜んでる場合じゃありません。それに気づいてから俺はマクドナルドでは常にビッグマックセットをポテト大で頼むようにしましたし、とにかく値段の高いものを選ぶよう心掛けました。ひとりデフレ対策です。効果はなかったとは思いますが、~がたった〇〇円で手に入る! みたいなバラエティ番組はガン無視しましたね。


 今はコストプッシュのインフレなので企業もそれほど設け自体は増えていないと思いますが、旅行に行ったり外食したりの消費者需要自体は堅調とのこと。デマンドが価格を引っ張る状態になるといずれ給料も上がるはずです。消費者としては生活防衛をしつつ、狙ったところでお金を使うのが重要ってことですよね。

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