カクコン5振り返り SFゲーム編

 

 最後は今年はなくなってしまったSFゲーム部門です。


 応募総数 442作

 10万字クリア 326作(応募数の73.8%)

 星1個以上獲得 171作(10万字クリアの52.4%)

 読者選考通過 57作

 10万字クリア作品の平均獲得星数 15.2

 通過作のうち完結作 17作品(完結率29.9%)


 おっと。これはなかなか他の部門とはだいぶ毛色が違いますね。まず異様に高い10万字クリア率。キャラ文に匹敵する高いクリア率になっています。まあそれでも4分の1は字数不足で脱落してるんですが。

 そして同じように異様に高い星ゼロ率。10万字書いたのに半数近くの47.6%が星が一つも入らなくて足切り。これは非情すぎますね。読む人には不人気ジャンルだったとならざるを得ません。

 よく見ると平均獲得星が15.2しかありません。ラブコメの3分の1しか星が入らなかったということです。読み専さんがほとんど読まないジャンルだったのかと思われます。

 一番のポイントは、対象171作品中57作品が通過しましたので、10万字書いて星が1つでも入っていれば、通過率は33.3%にもなりました。他の部門の倍近い、まさにボーナスジャンルです。読者選考通過するにはものすごい穴場だったんですね。レーベルとしてもゲームをテーマにした小説がどうしても欲しかったのでしょう。それがこの大量通過につながっていそうです。


 通過最大星数 459

 通過最小星数  6

 通過星数中央値 39


 このあたりの数字を見ても実態がよく分からないと思いますが……。 


 通過ライン

 40%  星12個以上

 60%  星15個以上

 80%  星20個以上

 95%  星21個以上


 各通過ラインがものすごく狭いレンジに並んでいます。実は星21個以上が52作品あったのですが、このうち51作品が選考通過しているんです。どうも星21個で機械的に当否を判定した疑いが濃厚です。星21個以上あって落選した1作品と星20個以下で通過した6作品はイレギュラーだと思われます。


 通過作品の完結率は29.9%。やはりここでも完結していない作品が圧倒的でした。


 今年はなくなってしまったSFゲーム部門ですが、「新設部門はレーベルが書いてほしい部門」であるらしいことがうかがえます。ですので今年新設されたどんでん返し部門、ここで10万字書けばかなりの確率で読者選考通過できるのではないかと予想しています。


 まあ、小説は確率統計論では測れない「面白さ」というパラメータがありますので、読者選考を通過するためにどんでん返しを書く、というスタンスはあまりおすすめできませんが、もしも書きたいお話の方向性が合うなら、新設のどんでん返し部門を狙ってみるのはアリなんじゃないかと思います。


 あともう1回だけ全体総括を書きます。カクコン6参加予定のみなさまの参考になっていれば嬉しいんですが……。数字並べただけなのであまり自信ないです。

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