なぜおまえだけが……、という話


 最近、家帰って来て晩御飯食べて、寝転ぶと意識が飛ぶんですよ。寝落ちする、とも言いますね。今日もヘッドホンで音楽聞いていると、知らない間に三曲ぐらい進んでました。なんだか負けた気がするんですが。


 そんなこと思いつつ便意を催したので、もそもそと起き出してトイレに入って電気のスイッチを押したらですね、一瞬フラッシュのように明るく光って、その後に残る暗闇。


「えー、またかよー!」


 そうです。トイレの電球が切れたんです。住宅用照明は今やほとんどLEDになっていて、我が家もリビングなんかはLEDなんですが、廊下とか脱衣所とかところどころ普通のクリプトンライトが残っているんですよね。


 暗闇の中出しかけたケツをしまうのもおっくうだったので、そのまま便座に座って声を張り上げました。


「ありさー(仮名)、トイレの電気切れたー。取ってー」


 妻ありさ(仮名)はしばらくごそごそと引き出しを探ってる様子でしたが、「切らしてるわ。買ってきて」とそっけなくトイレの外で言ってリビングに戻って行っちゃいました。


「ちくしょー、こないだ替えたばっかじゃん」


 たしかGWの後に替えたので、四か月ちょいしか持っていません。なんぼなんでも早すぎませんかね? 暗闇の中でケツを拭きながらうーん、と俺は頭をひねります。

 どうも最近トイレの電球が切れるのがどんどん早くなっている気がするんです。以前は一年ぐらいは持っていたと思うのですが、ここのところ平均すると年に数回は暗闇でケツを出す事態に陥っています。脱衣所や廊下のクリプトン球なんて最低ここ五年は電球替えた記憶がありません。トイレだけなんですよ。切れるのが早くなっているのは。なぜおまえだけがすぐ切れるんだ。ぶつくさ言いながらハーフパンツを履きなおしました。

 点灯時間は廊下の方が圧倒的に長いのにおかしいですよね。まあ、確かに付けたり消したりするのはトイレが一番頻度が高いですけどね。クリプトン球はスィッチを入れた途端切れて点かなくなりますから。これからトイレの電気付けっぱなしにしようかなとか思う訳ですよ。


 結局そのあと一人でぶらぶらとコンビニまで行ってきましたよ。素敵な三人組のTシャツ(※これのことですhttps://kakuyomu.jp/users/rockers_eikichi/news/16816700427755889502)で。なんか不条理な気分が抜けきらなかったんで、妻ありさ(仮名)にシュークリーム買って帰ってやりました。


「これでも食ってもっと太りやがれ。でも、乳はそれ以上大きくならんでいい」

「そんなこと言ってー、本当はわたしのこと大好きなんでしょ?」

「うぜー」


 しかし、どう考えてもトイレの電球、切れるの早くなってるんだよなー。コンビニで売ってる電球は品質があまり良くないのかなと思ったりしてます。やっぱ電気屋で買わないとダメなのかな。


 というわけで最近ハマってる小説の続き。


「僕と化け猫との3カ月」濃部栄三郎(ⒺNobu)さん

 https://kakuyomu.jp/works/16816700426851703899

 化け猫とタイトルにありますが、さわやかな擬人化ファンタジーです。抑揚を抑えた筆致が軽やかでさわやか。猫のにゃーと過ごす三か月の話。後半はどきどきはらはらの展開です。お上手ですよね。俺がファンタジー書くとなぜか笑いを取る方向に走りがちなんですが、こういうストレートなファンタジーいいですよね。あ、そう言えば俺もみーくんで普通のファンタジー書いてたっけ。いつからか笑いと変態のファンタジーしか書けなくなってしまったんだ。誰のせいですか。心当たりある人、正直に言いなさい。


「シング 神さまの指先」 絵里さん

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054934191952

 シングって、寝具のことかな? と思いきや。夢をつかむ天才少女と夢をあきらめた男が繰り広げる現代ドラマです。似たような名前の登場人物がいくつか出てきて最初戸惑いますが、ちゃんと意味があります。特筆すべきは舞台設定と人物設定なんですよねー。とにかく空気感が素晴らしい。二カ所の大都会を交互に描写しながら話が進んでいく、それぞれの街の雰囲気の描写が抜群です。

 あんまりネタばらしするのは本意ではないのですが、小説の中に登場する小道具としての曲がいちいちツボでした。ということは俺と年齢の近い人の方が楽しめるかもしれません。ここ×さんとかア×さんとかみさ×さんとかえ×きちさんとかち×さんとか。今ちょうど佳境に突入してます。これはおススメです。


「魔法使いメグとデブ猫ゴン太の公務員日誌」 いとうみことさん

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054894867159

 落ちこぼれ魔法少女のメグと、その相棒の魔猫ゴン太の繰り広げるファンタジーコメディです。

 このお話の世界では魔法の能力を持つ人は魔法学校に通うのですが、全員が優秀な魔法使いになれるとは限りません。残念ながらメグは実技がまったくダメで、卒業と同時に公務員に就職することになりました。ちなみに魔法使いは全員公務員になる決まりです。

 挫折感を胸に県庁で働きだした新人公務員メグと相棒魔猫ゴン太のお仕事ファンタジーコメディ。もう設定だけで面白そうだと思いません? 出てくる人物もみんな魅力的です。流暢な関西弁を操るゴン太もなかなかヒットです。実はゴン太はかなりの実力魔猫らしいのですが……。

 とにかく笑いあり涙ありの王道ファンタジーコメディでおすすめなんですが、作者のいとうみことさんは、カクヨムでも指折りの遅筆の方なんですよねー。忘れたころにぽろっと続きが公開されるってのを繰り返していまして、現在連載開始から一年半経過して六万字です。一か月あたり何字とか計算しちゃいけませんよね。間が空いても連載が続いていることこそが重要なんです。いや、俺はまじで心の底から応援してますから、頑張って連載続けてほしいです。とにかく面白いです。


 しかし俺もそろそろカクコン用のお話書き始めないと、と思っているんですが、なかなか筆が走り始めないです。書き始めでこんなに悩んでて大丈夫かよと思うんですが……。快調に連載されている方、すでにカクコンに向けて書き始めてる方がうらやましいです……。


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