風の行方

風が吹いている

深い深い底で

止まないその音を

膝を抱え聴いている


見えないものなら

わかったと言わないで


優しさの名前で

満足しないで


お願いだから

わたしに触れないで


失くしてしまうものなら

与えようとしないで

どうか


今日も


風が吹き続けてる

深い深い底で

止まないその音を

膝を抱え聴いている


聴こえない歌なら

歌ったりしないで


切なさの意味を

一人合点しないで


お願いだから

そっと立ち去って


風の行方ゆくえ


誰も知らなくていい

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る