途方に暮れる

弱い自分に泣きだしそうな夜がある

いや、違う

強くなりたいわけじゃない

ひたすら途方に暮れるのだ


弱いわたしは昔、もっと弱かった

それでも

臆病な心を励まし励まし

必死の思いでとりでを作った


とりでは、ちっぽけではあったけど

守る為の力になった

上手くいかないことも間違いもしたけど

兎にも角にも生きてきた


それでもわたしはやっぱり弱くて

強いふりなら何とかできても

ほんとはよろいはハリボテで

へなちょこ剣はびていて


こんな夜にはとりでの中で

弱いわたしが泣きだしそうで

強くなんぞはなりたくないと

闇に向かって吠えだしそうで


わたしは途方に暮れている

どうにも途方に暮れるのだ

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