ハリネズミ

どうして伝わらないのだろうと

言葉は溜息と共に沈んで

君なりの想いを

全て否定しようなんて

思っていないけれど


知って欲しいのは

求めるばかりでなく

自分の手でつかむということ


上手くいかないことを

他人ひとのせいにするのは簡単


ハリネズミみたいに全身の針を立てて

闘っているつもりで傷つけて


でも同じくらい傷ついて迷ってもいると

信じているよ


忘れないで迷走中のハリネズミ

気づくことは自分にしかできない


どれだけ愛しくても


代わることも

ずっと抱きしめていることもできない

わたしなら針が刺さっても構わないけれど

それじゃ駄目なんだよね

生き方は自分にしか決められない


どれだけ心配でも


黙って信じて待つしかない時もあると

不出来な親ネズミは思うんだ


ハリネズミ

愛しいハリネズミ


針を立て続けるのに疲れたら

不機嫌な顔のままでもいいから


気づくことができたら

帰っておいで


いつまででも信じて

待ってる


待ってる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る