【詩集】月の道標（つきのみちしるべ）

僕の青い鳥

多分、幸福（しあわせ）という奴は

外に向かって

誰かと色々なものを比べているうちは

見つからないんだろうなぁ

と、思うんだ

無いことや失ったものだけに

心を囚われていると

外の何処を見渡しても

幸福（しあわせ）のように見える人ばかりで

どうして？と疑問ばかりが募る

青い鳥は

他人（ひと）から見てわかる所にはいない

真実（ほんとう）の青い鳥は自分の中にいる

あ？嘲笑（わら）ったね

そんな話なら聞き飽きたって？

うん、確かにね

でも、青い鳥は

やっぱり自分の中にしかいないんだよ

それはね

形をくり抜き、空のような青色を塗り

羽根は見つけてきて一枚一枚丁寧に貼って

自分自身で作ったものだから

そう、飛べはしないよ

だけどこれが青い鳥だ

君は幸福（しあわせ）を恨んでいたね

人にはあるのに何故自分には無いと

それはだって他人（ひと）は

作っていたのだもの

君の知らないところで

君の知らない傷を負い血を流し

ああ、そんな顔をしないで

君だけじゃないから

ほら、僕もね

今さっき気がついて作りだしたんだ

僕の青い鳥

まだ、やっと形にくり抜いたばかり

材料も揃ってなくて

ちゃんと見つかるかも

作りあげられるかもわからないけど

ねえ、君も作ってみないかい？

君だけの

君の青い鳥

きっとそれはどんな青い鳥（しあわせ）より

愛おしいと思うんだよ