言葉の呪

ひと言だけで

救われる心もあれば

そのひと言で

砕け散る心もある


言葉の力と

その力の大きさに震える


せめて

自分自身を

言葉の呪で

縛ってしまわないように


誰かに

言葉の呪を

投げかけないように


簡単なようでとても難しいことだけど

できない という呪を自分にかけないように


深呼吸して

ひとつずつ、ひとつずつ、

と声に出してみる



言葉の呪を誰かにかけられた時は

辛い

一度かけられた呪は

ジワジワと侵食して

心を闇に変えていこうとするから


抜けぬ毒針のような

憎しみの業に抗うことの難しさよ


それでも誰のためでもなく

自分のために

闇の呪から何とか逃れようとする


闇の澱みは残るけれど

それを抱えながら

でも全てを闇一色にだけはしたくない

それだけのために抗い続ける


全て正しいことなんてないと思う

全てが間違いなんてないのと同じように


全てが正しいことだけで

出来た世界なんて恐ろしい


完全無欠な正義の味方と

究極のエゴイストの違いはなんだろう


人間ひとが言葉の呪を

どんな風に使えばいいのか


多分

正解も答えもない


持て余しながらも捨てられずに

生きる



卑小なわたしの


永遠の命題

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