梅雨景色
いつの間にか大粒になって
窓ガラスを
雨の筋が
灰白くくすんだ景色の中で
庭に咲く紫陽花だけが
滲みながらも映えている
その
まるでそこだけが晴れているようで
不思議に明るい
降り続く雨の中でも
美しいこの花は
変わる色のために
移り気などと言われるけれど
そんな人の勝手など知らぬげに
ずっと何かを待つように咲いている
決して、なよやかではないのに
あんなにも明るいのに
時に寂しげにみえるのは
どうしてだろう
滲んでみえるのは
花か、わたしか
梅雨景色に見蕩れながら
物思いに沈んでいく
そんな午後
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