梅雨景色

今朝けさからの霧雨が

いつの間にか大粒になって

窓ガラスを

雨の筋がつたっていく


灰白くくすんだ景色の中で

庭に咲く紫陽花だけが

滲みながらも映えている


その天色あまいろ

まるでそこだけが晴れているようで

不思議に明るい


降り続く雨の中でも

美しいこの花は

変わる色のために

移り気などと言われるけれど


そんな人の勝手など知らぬげに

ずっと何かを待つように咲いている


決して、なよやかではないのに

あんなにも明るいのに

時に寂しげにみえるのは

どうしてだろう


滲んでみえるのは

花か、わたしか


梅雨景色に見蕩れながら

物思いに沈んでいく


そんな午後

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